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手島 優さん
インタビュー公開日:2021.03.10

警備計画の作成から勤怠管理まで
現場を支える縁の下の力持ち。
スーツケースを片手に「こんにちは!」と元気に出迎えてくれた手島優さんは、旭川と札幌の営業所を行き来する、東洋ワークセキュリティの有望社員。
「昨日は、旭川で現場の応援に入っていて。最近は採用人事も担当させてもらっているので、結構行き来が多いですね」そう語る手島さんの表情は、どこか輝いて見えます。それもそのはず。先日1年務めた『業務補佐』から『業務』にスピード昇格されたばかりなのだとか。「現場で警備に当たる隊員の管理や調整、施工業者さんとのやりとり、警備計画の作成、給与計算などの事務作業も私の仕事です」
広範囲の業務をこなしながら、現場にも入る!? 「人手が足りないところや大型警備の場合は、私も加わります。当社では入社すると必ず現場からという流れなんですが、業務をしている今も、やっぱり現場での経験が生きていますね」
そう語る手島さんの表情は、充実感に満ちて見えます。
何も起こらないことが
人の一番近くで役に立つ。
大学卒業を控え、漠然と『人の役に立つ仕事に就きたい』と就職活動をしていた手島さん。同社との出会いは、合同企業説明会でした。「警察や自衛隊など『秩序を守る仕事』でいろいろ考えたのですが、どれも事件や事故が起こってから活躍することになります。もう少し違う形で人の役に立てないかなと考えていた時に、この会社に出会いました」
手島さんが最も魅力に感じたのは、事件や事故の前に行動できるということだったそう。「警備の仕事は、危機的状況がそもそも起こっちゃいけないんです。その手前で回避することが、結果的に人や物を守ることに繋がる。これこそ最前線で“人の役に立つ”ということだなと気づかされて。迷わず応募してました」
メダリストの警備も担当。
見知らぬ地で大きな経験。
念願叶って同社に入社した手島さん。道内の営業所に配属かと思いきや、いきなり仙台へ! 「イレギュラーだったみたいなんですが、仙台にある本社での入社式を終えたら、そのまま本社直下で研修になりまして(笑)。半年くらいでしたけど、今考えると貴重な経験になりましたね」
基本を学びながら、さまざまな現場に配属。本社地ならではの、業務規模の大きさも実感したと言います。「5万人動員の音楽フェスをはじめ、震災復興プロジェクトで注目されたショッピングセンターのオープニングイベント、金メダリスト羽生結弦選手の祝賀パレードの警備も担当させてもらいました。規模が大きくなれば、立ち位置や動き方も変わってきますからね。すごく勉強になりました」と手島さん。実は人生初の道外、ひとり暮らしだったとか。
「そうなんです。でも、外に出ることで物の見え方も変わったので、人間的に成長できるいい機会だったと思います」
さまざまな角度から物事を捉える。
より安全でスムーズな業務を目指して。
警備業の管轄範囲は広く、イベント警備や施設の守衛、精密機械入れ替えの立ち会いなどさまざま。「何かから守るというのには、事故や防災も含まれます。交通誘導なんかは『どうして通してくれないんだ』と、利用者に詰められることもあります。それでも何かが起きては本末転倒。理解してもらえるよう最善を尽くします」
また、一見作業は単調でも慎重さを求められるシーンも。「鍵の取り扱いや個人情報を扱う案件もあるんです。そういった時は特に神経を使いますね」
手島さん曰く、この仕事で一番大切なのは“考えること”だと言います。「漫然と業務に当たるのではなく、自分でもあらゆる角度から検証することが、警備の質の向上や成長に繋がると思っています。こうしたらもっと安全なんじゃないか? 利用者にはどう伝えたら理解してもらいやすいか? 先輩隊員と自分の働き方はどこが違うのか比べてみるというのも新人の頃からよくやっていました」
部署異動で新たな挑戦。
現場の安全も隊員の安全も守る。
同社では、若手にもキャリアアップの道を用意。通常2~3年の現場実績を経て、管理業務を担う業務職を務めるようになります。しかし、手島さんはなんと1年で業務補佐に。さらには、その前向きな姿勢が認められて、わずか1年で業務に昇格。「内勤は、現場の管理がメインになってくるので、責任も重大。担当者の方針が現場に大きく影響しますので、私自身、毎日悪戦苦闘中です」
手島さんは現在27歳。周囲は自身より年長者が多いのでは? 「そうですね。現場には40代や50代のベテラン隊員もいます。経験値も違いますから、警備計画を立てる時に困ったら、すぐ相談しちゃいます(笑)。皆さんに助けてもらいつつ『じゃあこうしてみよう』と意見を出し合うことで信頼関係が深まり、結果オーライです」
入社3年を過ぎた先日、手島さんは警備員指導教育責任者の資格を取得。今後は、隊員の教育も担います。
「仕事を終えてから自宅で勉強をして…という日が続いていたので、合格した時は嬉しかったです。クライアントや地域の安全はもちろんですが、入社以来の目標のひとつに、隊員自身の安全も守りたいというのがあります。これからは教育を通して安全と向き合えたらと考えています」
シゴトのフカボリ
警備会社業務の一日
8:45
出勤
9:00
朝礼、隊員の配置確認・連絡
10:00
メールチェック、給与計算などの事務処理
12:00
昼休憩
13:00
現場回り
業者・クライアントと打ち合わせ
16:00
隊員の警備報告書チェック
17:00
現場からの終了報告受け、翌日の確認
18:00
退勤

シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

大変で辛いことほど、乗り越えた時に自分の糧になります。それは仕事も同じ。働いていると、たまに苦手な仕事も回ってくるものです。結局誰かがやらなければならないなら、真摯に向き合って自分の得意にしちゃいましょう!

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具

誘導棒
交通誘導には欠かせない、警備員のマストアイテム。体の姿勢や棒の振り方など、動作ひとつでスムーズな通行に影響が出るのだそう。

東洋ワークセキュリティ株式会社

北海道・東北を中心に、首都圏や西日本にも41営業所を展開する総合警備会社。道内は、千歳や岩見沢など4カ所に拠点があります。施設警備や交通誘導のほか、防犯システムの販売、身辺警護に至るまでその対象範囲は広い。

住所
北海道札幌市豊平区美園3条3丁目1-27 オリエンタルビル2階
(札幌営業所)
TEL
011-816-5581
URL
https://www.tw-s.co.jp/

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お仕事データ

交通誘導からボディガードまで!
警備員
警備員とは
人命や大切な財産を守る
縁の下の力持ち。

施設や工事現場、駐車場などで人の警備・警護を専門的に行うのが警備員。その仕事は警備業法という法律で定義され、1号~4号に分かれています。1号警備業務は住宅や施設、駐車場などで、盗難や事故を防ぐための警備。「施設警備」や「常駐警備」、「巡回警備」などの職種が該当します。2号警備業務は、工事現場の交通誘導や不特定多数の人が集まるイベントの警備が主な仕事です。3号警備業務は、現金輸送や美術品の他、核燃料の移送時の警備などより強固な警備が求められます。4号警備業務はいわゆるボディガードと呼ばれ、高齢者の見守りやストーカー対処といった身辺警護がメインです。警備員は人命や大切な財産を守る縁の下の力持ちです。

警備員に向いてる人って?
人命を守る責任感と柔軟性があり、
さらに気遣いもできるタイプ。

警備員は依頼人や市民の安全と安心を守ることを最優先に行動しなければなりません。人の命をしっかりと守る強い責任感が求められます。こうした職務をまっとうするには相応の体力が必要であり、さらに不測の事態が起きた際でも臨機応変に的確に動くことが必要。また、警備員は人と接する仕事でもあるので、本来は業務外のことでも場所を案内するなどの気遣いができる人も向いているでしょう。

警備員になるためには

警備員になるために必要な資格はありません。ただし、警備業法により、18歳未満の人、破産宣告を受けた人、何らかの罪を犯して刑務所を出所してから5年未満の人などは警備員になれないという制限が設けられています。これらに該当せず、18歳以上であれば、学歴や性別などにかかわらず誰でも警備員になることが可能。入社後は、法令で定められた教育を30時間以上(基本教育15時間以上、業務別教育15時間以上)を受け、実際の現場で働くことになります。

ワンポイントアドバイス
警備員の仕事は需要が高まる見通し。
今後はITスキルを持つ人材も必要に。

最近では個人宅に警備会社のシステムを導入する「ホームセキュリティ」の実績も増えているため、警備員のニーズは高まっていく見通しです。また、最初は現場での仕事が中心になりますが、「施設警備検定」や「空港保安警備検定」、「交通誘導警備検定」といった資格を取得し、仕事の幅を広げることで、キャリアアップしていく道も開けます。人を必要とする業務は絶えず需要がある一方、防犯カメラやコンピューター制御、AIによる警備システムも進化中。警備業界にもIT化の波は押し寄せ、今後はシステムの知識が豊富な人材なども必要とされるでしょう。

ほかにもあります、こんな仕事。