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山田  歩美さん
インタビュー公開日:2022.12.05

保育教諭として教育・保育を一体的に行う
「認定こども園」で、1年目から奮闘中!
保育教諭として「認定こども園大麻まんまるこども園」に入職して1年目から担任として活躍している山田歩美さん。「認定こども園」というのは、3歳から就学前の子どもに幼児教育を行う幼稚園と、0歳から就学前の子どもの保育を担う保育園の機能を併せ持った、多様化する子育てニーズに応えるための施設です。
保育教諭というのは、幼稚園教諭免許と保育士資格の両方を持ち、認定こども園に勤務する先生のことです。山田さんは、専門学校で両資格のほか、幼児体育指導者、折紙講師といった資格も取得し、卒業と同時に同園にやって来ました。
母のアドバイスが目指すきっかけに。
そして、人との繋がりから『縁』を感じて。
山田さんが保育や幼児教育の仕事を目指すようになったのは、中学校時代にお母さんからのアドバイスがきっかけなのだそうです。
「近所の子どもたちと接したり、職場体験で保育園を訪ねた時の私のようすを見ていた母が『子どもと関わっていると、とても楽しそうだから、保育の道を考えたら?』と言ってくれて、私もいいなと思ったんです」
実家の花農家の助けになれればと農業高校に進みますが、思いは続き、保育の専門学校へ進学。「自分は保育園に通っていたので、幼稚園のことも知りたい」と考え、学校のセミナーで興味を抱いた「大麻まんまるこども園」のお話を聞くことに。そこで驚く出来事がありました。
「なんと、園長先生が、私が通っていた地元の保育園で、その時期に弟の担任の先生をしていた方だったんです。活発だった私は、当時は珍しかった男性のこの先生と、よく鬼ごっこなどをして遊んでもらっていました。こんなことがあるんだなって、びっくりしました」
強い『縁』を感じて、同園の試験に臨んだという山田さん。それがなければ、今頃は違う園で働いていたかもと、笑いながら話します。
3歳・4歳・5歳が一緒のクラスで、
縦割り保育の良さを感じる。
山田さんは、「すずらん組」の担任を務めています。このクラスは3歳・4歳・5歳の子どもたちが、それぞれ10名ほどずつ在籍し、同じ教室で縦割りの保育を行っています。
「子どもたちは目まぐるしく成長するので、一つ年齢が違うだけで大きな差があります。縦割りのなかで、年長・年中さんにあたる子は、それぞれ下の子が困っていると自然に声をかけて助けてあげるようになるなど、異年齢で関わることで、それぞれが成長する機会を得られるのが良いと感じています」
先生としては工夫が必要な場面もあります。例えば製作遊びをする場合、年齢によってできることを把握したうえで、作り方や説明の仕方などを変える必要があるのだそうです。
「ハサミを使えるかどうかといった年齢による違いを考えながら、『先に年少さんにお話をするので、年中・年長さんはちょっと待っていてね』などと説明を分けて、的確に伝わるようにしています」
一方、お昼ご飯は各年齢が加わるグループをつくって食べるなど、異年齢同士のふれあいも大切にしているのだそうです。
初年度から担任となり運動会で奔走。
真正面から伝え、子どもたちに寄り添う。
初年度から担任を受け持った山田さん。「わからないことがわからない。時間だけが過ぎていく。とにかく不安な毎日を過ごしていたことを覚えています」
年度初めの一大イベントである運動会では、例えばリレーの順番を決めるにしても、戸惑うことばかりだったと山田さん。最初は補助の先生に頼りっきりだったそうです。
「運動会当日も、とにかくいっぱいいっぱいで、自分が練習通りに動けなかったり、流れがつかめず慌てて子どもたちを呼ぶような場面があったり……。でも、お陰で鍛えられた気もします」
縦割り保育のため、年中・年長さんにとっては急に担任が変わり、見知らぬ先生が目の前にいる状態。なかなか心を開いてくれない時期もあったそうです。そんなある時、年長さんが下の子に粘土を放り投げて渡したのを見て山田さんは即座に反応します。
「『ちょっと!それは違う!!』と、今やった行為が間違っていることを理由と共に真正面からしっかり伝えたんです。それ以降、みんなが一歩、私の方に入って来てくれるようになりました。『自分たちを見てくれている先生』と思ってもらえるきっかけだったのだと考えています」
いけないことは、しっかりと伝え、
その後はやさしくというのが流儀。
そんな経験も経て、山田さんが常に心がけているのは、子どもたちと話をする時は目線を合わせて、きちんと向き合うこと。
「そのうえで、やっていいこと、悪いことのけじめをつけられるように、理由をきちんと話しながらていねいに、そしてしっかり伝えるようにしています」
必要なことは曲げずに伝え、その後はやさしく、良いところをほめてあげることを山田さんは大切にしているとのこと。そんなまっすぐな思いが通じたのでしょうか。ある男の子が『オレ、先生と結婚する!』と言ってくれたのだそうです。先生は怒ると怖いけど、その後、やさしいからというのがその理由。先生の思いは、確かに届いているようです​​。
「『ありがとう』はしっかり、『ごめんね』もはっきり言わないとお友だちが嫌な気持ちになるよ。これも私が伝えていることです」
小学校からサッカーを続けてきたものの、高校では試合に出られない悔しさもあり、それならと審判員の資格を取得したという山田さん。そんな負けず嫌いの一面を見せる先生ですが、来年の春のことを聞くと少し寂しそうな表情になりました。もうじき、山田さんにとって初めての卒園児が巣立っていきます。「しっかり成長させらているかどうか心配です」と。でも、その言葉からは、山田さん自身の先生としての成長が確かに感じられました。
「大好きな子どもたちの笑顔。保育のお仕事を通して、子どもたちと一緒に成長できる、それが保育教諭です」
シゴトのフカボリ
保育教諭の一日
8:30
出勤 
今日の設定保育の準備など
8:45
朝預かりの子を教室に受け入れ
9:00
子どもたちが登園
自由遊び
10:00
朝の会、設定保育(室内遊び、戸外遊び)
11:30
子どもたちと一緒に昼食(お弁当、給食)
12:30
自由遊びなど
14:00
保育部門の子どもはお昼寝
幼稚園部門の子どもは降園
預かり保育
15:00
翌日の活動の準備
お便りの作成
行事の作り物など
17:30
退勤
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
ピアノの譜面
季節の歌がまとめられたピアノの譜面は、私の必須アイテム。子どもたちと一緒に歌うのは、私にとっても楽しい時間。四季の移り変わりを感じてもらえたらと思っています。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

いけないことをすれば、厳しく伝えることもありますが、だからこそ、普段の笑顔を大切にしています。いつも元気な先生、子どもたちが安心して頼れる先生になりたいと思っています!

認定こども園 大麻まんまるこども園

昭和46年より教育理念「愛と和」を基本とし、人とのつながりを大切に、明るく整った環境で、一人ひとりの個性を大切にした保育を行っています。

住所
北海道江別市大麻西町15番地
TEL
011-386-5014
URL
http://www.ooasa.ed.jp

お仕事データ

想像力や協調性を育む教育を。
幼稚園教諭
幼稚園教諭とは
「教育」を中心に想像力や協調性を養い、
楽しみながら成長できるカリキュラムを。

満3歳から小学校に入学するまでの幼児に教育を行うのが幼稚園教諭。保育園が乳幼児を預かる福祉施設であることに対し、幼稚園は文部科学省が管轄する「学校」です。そのため、幼稚園教諭は「教育」を中心に、運動や音楽、お絵描き、工作などを通して子どもの創造力や協調性を養います。その他、翌日の保育や行事の準備、連絡帳への記入、掃除など仕事はさまざま。一人ひとりの個性をしっかりと把握し、楽しみながら成長できるようにカリキュラムを工夫することが求められます。

幼稚園教諭に向いてる人って?
大好きな子どもたちと、
一緒に成長したいと思える前向きな人。

幼稚園教諭を目指すための大前提は「子どもが好き」という気持ち。子どもたちの日々の変化を見逃さない注意深さや一緒に遊ぶ体力も必要です。音楽や絵画、運動などさまざまなことを教える立場になるため、ピアノや制作などの指導力も求められます。子どもとともに自分自身も成長していこうとする姿勢が大切です。

幼稚園教諭になるためには

幼稚園教諭になるには幼稚園教諭免許状が必要。幼稚園教諭養成課程のある大学や短大、専門学校へ進み、必要科目を履修することで卒業時に幼稚園教諭免許状を取得することができます。免許状の種類は専修(大学院)・1種(大学)・2種(短大・専門学校)。給与に多少差が出る場合もありますが、仕事の内容に大きな違いはありません。学校によっては、幼稚園教諭と保育士の資格を同時に取得できるコースを開講しているところも。卒業後はそれぞれの幼稚園で行う採用試験を受験します。

※幼稚園教諭の資格取得については、詳しくは文部科学省のホームページをご確認ください。http://www.mext.go.jp/

ワンポイントアドバイス
「保育」を取り入れる幼稚園が増加。
保育士の資格も取得しておくのがオススメ!

少子化の影響により、幼稚園数や幼稚園教諭の採用数が減少傾向のようです。一方で、最近では幼稚園と保育園が一体となった「認定こども園」が増え、本来の役割である教育以外にも保育プログラムを提供しています。「子どもを長時間預かってほしい」といった保護者の多様なニーズに応えることができるようになりました。今後、幼稚園では早朝保育や預かり保育など、保育園の特徴を取り入れる動きが加速していくことも予想されるため、保育士の資格も取得しておくと有利でしょう。