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遠藤 亮太さん
インタビュー公開日:2024.06.20

3Dマップや自動運転…
時代の最先端を行く技術
みなさんは「MMS」という単語をご存知でしょうか。スマホの機能でも、チョコレートのブランドでもありません。「モービルマッピングシステム」の略称で、またの名を「情報空間計測」と呼びます。これでも、何がなんだかさっぱり…遠藤さん、まずは分かりやすく教えてください。
「MMSは、位置情報を計測するGPSや、全方位カメラ、レーザスキャナなどさまざまな機器を搭載した車両を走らせて『点群』と呼ばれる三次元データを取得します。計測には機器を設定し車を走らせるだけでデータが取れるので、交通規制をかける必要もなく、一度で正確に、長距離の調査が可能という画期的な技術なんです」
なるほど。では一体、どんなことに活用されているのでしょうか。
「弊社で多い案件としては、道路のひび割れや劣化といった舗装状況を調査し、その計測データを道路を管理する企業や自治体に提供しています。データは道路の修繕に活用されたり、管理のための資料として利用されたり。他にも、みなさんがよく使用するマップアプリの『3D表示機能』もこの技術を用いて作られたものなんです」
実際、自動車のナビゲーションシステムにMMSを活用した高精度地図が搭載されて、 自動運転に活用されているとか。まさに、時代の最先端をゆくテクノロジーなんですね!
名前すら知らない状況から、
日本列島全域で大活躍!
MMSについて深〜い解説をしてくれた遠藤さん。専門の学校でこの技術を学んだのかと思いきや、実は入社するまでMMSが何の略かも知らなかったそうで、「配属で『MMS』と言われた時は、ちょっと焦りました」と笑います。というのも大陸建設は土木建設から住宅建築、システム開発まで幅広く手掛けている企業のため、入社時はMMSについてのイメージが沸かなかったそう。
「会社見学でも『そんなのやっているんだ』と思ったぐらいで、土木建設や住宅建築の会社というイメージが強かったんです。なので、入社前にアルバイトのような形で先輩からMMSについて教わり、4月からは先輩と一緒に車に乗って実際の計測をしながら学んでいきました」
さらに入社した年の10月には岩手県に出張に行き、約1ヶ月もの間、県内の道路(なんと総延長約1000キロ!)を調査するという大役も担いました。
「それだけの長い出張と聞いて、最初は少し戸惑いました。入社前は道外へ一切出たことが無かったですからね(笑)。でも行ってみると知らない土地の風景を見るのが面白くて、思いのほか楽しめたんです」
助手席は最新機器の操縦席。
状況に合わせてリアルタイムで操作。
MMSは運転係と機械操作のオペレーション係の2人1組で行うのが一般的。遠藤さんはオペレーション係として、先輩が運転する車の助手席に座り、車の走行中は画面をじっと見つめて機械を操作しています。
「例えば、カメラで路面を動画撮影しながら走る案件だと、撮影した動画が一定の明るさになるよう監視しながら機械を調整し続けねばなりません。日の当たる・当たらない場所ごとの細かな調整はもちろん、雨や冬で路面が濡れてしまうと撮影不可になります。運転係からの『そろそろ日陰が来るよ』『障害物がありそう』という声を頼りに実際に自分の目で確認して操作するのが、自分の役割です」
ちなみにうまく撮影できていないと、一度戻って撮影したり、後日再度計測を行わなければならないのだとか。しかし、こうした天候不順や再計測も考慮して、少し余裕のあるスケジュールが組まれているそうです。
「出張といえど時間にゆとりがあるので、終業後や休日はご当地グルメを味わったり、景勝地を訪れたりと楽しんでいます。ちなみに僕は犬が大好きなので、秋田県大館市にある『秋田犬の里』を訪れた際は、テンションが上がりました(笑)」
機械と同じく、自分も
日々アップデートが大切。
遠藤さんの仕事ぶりは上司たちからも「まじめで熱心」と評判。また真っ直ぐな性格も、MMSの業務に役立っているといいます。
「雨が降るか予想がつきにくい時、きちんと調査できたか確証がとれない時など、現場では先輩と2人でさまざまな決断を下さなければなりません。運転してくれているのは年上の先輩ですので、日ごろから尊敬していますが、自分の意見はハッキリと『僕はこう思います』と伝えるようにしています」
2019年の入社から4年、現在は主任という肩書もつき、異例のスピードで成長を遂げているという遠藤さん。22歳という若さでありながら、後輩の指導もしているそうです。
「とはいえ、社内でデータを解析する内勤業務についてはまだまだ勉強の真っ最中。計測のためのカメラやレーザスキャナ機器、ソフトウェアも次々とアップデートされていくので、常に学ぶ姿勢は欠かせません」
釧路から世界へ羽ばたく
「実はスゴい会社」!
大陸建設が三菱電機社製MMSを導入したのは2015年のこと。当時、北海道では他に導入している企業はなく、全国的に見ても先進的な取り組みでした。それから9年が経つ現在でも導入している企業は全国100社ほどしかなく、大陸建設は全国屈指の設備とノウハウを持つことで知られているそうです。
「車載の機械だけでも1台1億円という高額ですから、ここまで力を入れている企業は珍しいのだと思います。技術や調査のレベルも高く、実は道内の大学とも提携して、スウェーデンやアメリカなど国外で事例発表もしているほど先進的なんです」
遠藤さんのこれからの目標は、現場での実証と社内でのデータ解析のいずれも高いレベルの技術を使いこなせるよう学び、いつかは海外で事例発表している先輩たちのような立派なエンジニアになることだといいます。
「僕たちが日々勉強して覚えた技術や知識が、これから世界中に羽ばたくと思うと、ワクワクしますよね。この釧路で最先端を技術を世界へ発信している企業があることも、そこで自分が働くことも、学生時代は想像すらしていませんでした。『実はこんなスゴイ会社があるんだぞ!』ってことも、地元の人たちへ伝えてあげたい…というか、自慢したいです(笑)」
シゴトのフカボリ
MMSエンジニアの一日
9:00
出勤、機器の準備
10:00
計測開始
12:00
昼休憩
13:00
会社に戻り、片付け
14:00
計測データの処理、データのバックアップ、自動計算、変換など
18:00
退勤
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

MMSは現在はもちろん、将来も必ずみなさんの身近なところで役に立つ技術です。釧路でこれだけの最先端技術に投資し、挑戦を重ねている会社は他に少ないと思うので、ぜひ今後も注目してみてください。

大陸建設株式会社

釧路市を拠点に土木建設、住宅建築、測量、MMS、システム開発など幅広い事業に取り組む企業。 住宅建築では自社ブランド「エスポワール」を展開。ドローンやMMSなど、最先端技術の導入にも積極的に取り組んでいる。

住所
北海道釧路市星が浦南1丁目1番2号
TEL
0154-65-1000
URL
http://www.tairiku.net/

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