• ホーム
  • 金林 里奈さん

映像クリエイター_金林 里奈さん
インタビュー公開日:2025.04.18

SNSでお客様の事業をサポート。
難しくも、やりがいのある仕事。
スマートフォン90.6%、パソコン65.3%。タブレット端末などを含めると97.4%。これは、2023年の日本における情報通信機器の世帯保有率なのだそうです。今や、ほとんどの人が持っていると言える、こうした機器の普及とともに急速に広まったのがSNS。情報を得る(伝える)メディアとして、もはや不可欠な存在となっています。
「SNSをメインに、企業のオウンドメディア(※)の企画・コンテンツ制作、投稿、効果の検証などを受託し、お客様の事業をサポートすることが、私たちasir(アシリ)の主要な業務です」
そう話してくれた金林里奈さん。同社の設立間もない時期から加わり、現在は、若手スタッフの技術的な指導にもあたっています。
「SNSは数多くの情報があふれる場です。まずは見て・知ってもらうこと、次にバズらせる(多くの注目を集める)こと、そして最終的にお客様の目的にマッチした効果を得ることを目指します。難しいからこそ、やりがいのある仕事です」
何が流行っているか、どうすれば見てもらえるか、テストを繰り返しながら、閲覧データを分析し、常にノウハウを蓄積しているのだと、楽しそうに話します。
(※)オウンドメディア:企業が自社で所有し、運用している情報発信のためのメディア。会社案内、ホームページに加え、近年はSNSの活用も増えています。
前職ではテレビ番組の制作に携わる。
声がいいとほめられた経験が原点に。
SNSは今や、個人が情報発信するだけでなく、企業が積極的に活用するツールとなっています。この流れは今後さらに広がっていくだろうと語る金林さんですが、実は同社には転職で入社。それまでは、テレビ番組の制作会社に勤めていました。
「テレビ局が決めるテーマに沿ってストーリーを考え、台本をつくり、撮影、編集して納品するまでの一連の作業を、代表と二人三脚ですべて行っていました」
撮影・音声・メイク・スタイリストなどのスタッフ、出演者の手配・接遇などもすべて担当していたそうですが、もともと、テレビ業界に憧れていたわけでも、番組制作に強い関心を持っていたわけでもなかったと言います。
「小学校、中学校では放送委員会に所属していました。小学生の時、『今から、お昼の放送を始めます』とアナウンスした際、校長先生が入ってきて『いい声ですね』とほめてくれて。ちょっと、調子に乗りました(笑)。放送や映像に興味を抱くようになったのは、その時の経験も大きかったですね」
そう振り返る金林さんですが、専門学校で映像制作を学び、前職の制作会社に入ったのは、高校時代のある出来事がきっかけだったそうです。
思い出のシーンに先輩が感動し涙。
気持ちを動かす映像の魅力に気づく。
「高校で所属した吹奏楽部には、卒業式の時、記録として写真屋さんが撮ってくれた思い出のシーンをスライドショーにまとめ、卒業生を送るという伝統がありました。そして、私が編集に関わった映像を観て、先輩たちが感動して泣いてくれて。映像には、人の気持ちを動かす力があるんだと実感しました」
プロが制作した部活動の記録DVDには、自分たちの記憶が息づいている。映像の魅力に気づいた金林さんが、その世界で働くことを意識するようになったのは、ごく自然な流れだったようです。就職活動では、そのDVDを制作した会社と、最終的に就職することになるテレビ番組制作会社のインターンシップに参加。そこで、テレビ業界の楽しさに魅力を感じます。
「その時も、テレビ番組の制作に興味があったわけではありませんが、そこで仕事をしている人たちと一緒に働いてみたいと思えたんです。大人数で、コミュニケーションを取りながらいきいきと働くようすがいいなぁと感じて」
ところが、入社から4年後に発生したコロナ禍で番組制作は縮小、多くの人が集まる現場がなくなり、物足りなさを感じます。同じ世代の仲間と一緒に、最先端の映像制作に関わりたい。そう思うなか、巡り会ったのがasirだったのです。
撮影された映像を企画書に沿って編集。
「ゴール」に向けた内容の検討が重要。
映像の編集経験が豊富な金林さんが配属となったのは、同社のメディア事業部。SNSの制作・運用を企業から依頼されると、社内の企画室が制作コンセプト、撮影内容、運営方法などを決めて台本を作成。その後、撮影が終了してからの編集作業が、金林さんの担当です。
「企画書、台本を見ながら、編集ソフトを使って撮影済みの映像を編集。テロップやナレーション、BGMを加えて一つの映像に仕上げます。そして、コンプライアンス(法令遵守)の観点を含めて内容のチェックを受け、必要に応じて修正し、予定日に投稿するまでを担当しています」
Instagram、TikTok、YouTubeが主な投稿先ですが、それぞれフォーマットが異なるため、調整を行いながら顧客のアカウントを管理していくのだそうです。
「SNS利用の目的は、採用活動から販促活動まで、さまざま。採用なら新卒向けか中途採用か、販促なら商品の知名度アップか販売を行うかによって、内容を変える必要があります。その『ゴール』を決めることが第一歩です」
ゴールを達成するには、どのように見せればいいか、何時に投稿すると効果的か、どのターゲットに向けてアピールするか。トレンドにも左右される、そのポイントをつかむことに悩みますが、そこが面白いところなのだと金林さん。
お客様の反応に触れられる魅力。
幅広い映像制作を手がけていきたい。
誰かの気持ちを動かす映像づくりを突き詰めてみたいと、映像制作の世界に飛び込んだ金林さん。現在は、企業の課題を解決するSNSの映像制作を手がけていますが、「顔が見える仕事」であることが魅力なのだと話します。
「制作した映像に対するお客様の声が直接、聞けることにやりがいを感じるんです。良くも悪くも、その反応に触れられる魅力は、高校時代に感じたのと同じなんです」
企業ごとのゴールを達成することが、事業としての目標だが「(求人の)応募は少なかったけど、いい動画だったよね」と言っていただけると、救われるというか、やっぱりうれしいですね。会社的には、それではダメですが……(笑)」
こうしたら良いのでは、と自分が考えたことと、お客様の求めることが一致した時は、「これは、いけるかも!」と、ワクワクする。そして、気がつくと1日があっという間に過ぎているほど充実していると笑顔を見せます。
「映像制作の経験を活かし、例えばイベントなど、多くの人や特定のターゲットに向けた映像をつくっていきたいですね」
プロジェクションマッピングにも興味があるなど、「誰かに喜んでもらえる映像づくり」を、四六時中、考えている金林さん。まちのどこかで、金林さんの作品を目にする日が楽しみです。
シゴトのフカボリ
映像クリエイターの一日
9:30
出勤、朝礼、始業準備
10:00
映像編集作業
12:00
昼休憩
13:00
昼礼、映像チェック業務
15:00
定例ミーティング
16:00
映像編集作業
18:30
退勤

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具

撮影バッグ
動画撮影に立ち会う際、必ず持ち歩く必需品。カメラ等機材調整用のドライバー・レンチセット、レンズの埃を払うブロワー、SDカードなどが入っています。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

挑戦し続けることに意味があります。
成功だけを目指すのではなく、どれだけ多くの挑戦をしてきたかが、成長の糧になると思っています。
小さな一歩でも、前に踏み出す勇気を大切にしてください。

株式会社asir

2020年に設立。20代の若手スタッフが中心となり、SNSをメインに企業のオウンドメディアの企画・制作を、社内で一貫して行い、急成長を続けています。

住所
北海道札幌市白石区本通3丁目北1-21
TEL
011-350-0068
URL
https://asir.co.jp

お仕事データ

映像制作の専門家!
映像クリエイター
映像クリエイターとは
柔軟な発想力やアイデアで、
多種多彩な映像コンテンツを制作。

映像クリエイターは、映像制作のプロフェッショナル。映像の制作、編集、加工、撮影などを行い、様々な媒体に向けた映像コンテンツを制作します。テレビ番組、CM、映画、WEB動画、音楽PV、イベント映像など、多種多彩なフィールドが活躍の場。具体的にはクライアントの要望に合わせた企画立案、撮影現場の指揮、映像編集、CG制作、音声編集などを担当します。多くの場合、プロデューサーやディレクターと協力して映像コンテンツを制作。柔軟な発想力やアイデアがクリエイティブの質を左右します。

映像クリエイターに向いてる人って?
映像制作に興味を持っていることはもちろん、
技術や知識をアップデートし続けられる人。

クリエイティブな発想力やアイデアを持ち、映像制作に興味を持っている人。映像技術や知識を、常にアップデートし続けることができることも大切です。また、チームで働くことが多いため、コミュニケーション能力や協調性も求められるでしょう。クライアントの要望を理解した上で形にすることが必要なため、プロジェクトマネジメント能力やマーケティング感覚があることも重要です。

映像クリエイターになるためには

映像クリエイターになるために必要とされる資格や学歴はありません。ただし、映像編集ソフトやCGソフト、撮影機材の使い方を学ぶために、情報メディア関連の専門学校や短大、大学に進学して基礎を身につけるのが一般的です。卒業後は映像制作関連のプロダクションやテレビ局などに就職し、映像クリエイターとしての下積みで多くの経験を積み、実力が認められれば自身の作品を世にリリースできるようになるでしょう。

ワンポイントアドバイス
You TubeやSNS動画など、
活躍の場が広がっています!

これまでは、映像クリエイターが活躍する場といえば、テレビ番組やCM、映画やドラマといった媒体がメイン。ところが、インターネットの普及により、テレビや映画館などの媒体にとらわれない映像のニーズが高まっています。とりわけ、YouTubeの動画やSNSのショートムービーをはじめ、新たな舞台が次々に登場。さらに、3D映像やVRの制作など、映像クリエイターの武器となる技術も生まれていることから、未来を切り開いていける職業といえるでしょう。