山田 竜さん 恒さん
インタビュー公開日:2017.08.31

双子で生まれた時からずっと一緒。
兄の姿がかっこよくて美容師の道へ!
子どものころから学校も一緒、遊ぶのも一緒だったという双子の竜さん(写真左)と恒さん(写真右)。父が理容室を営んでいましたが、大変そうな印象で自分たちはやりたくなかったと言います。一方、美容師になった8歳上の兄が帰省した時に転機が訪れます。
竜さん「兄が帰省した時に髪を切ってくれて、2人ともその姿が『かっこいい!』と思ったんです。そこで2人で兄に相談したところ、『1年考えて、それでもやりたいと思ったらやってみろ』と言われました」
1年後も2人の意思は固く、高校に在学しながら通信制の美容専門学校で資格取得に向け勉強。高校を卒業し、通信を続けながら東京の美容室に就職しました。
その時は既に10年後に2人で札幌に店を持とうと決めており、それまでの修業期間と考えていました。
つらかったアシスタント時代。
一人前になったら仕事が楽しく!
美容室で働くと、どの店でも最初の3年はアシスタントとして、お店の清掃や雑務、シャンプーなどをしながら営業時間終了後にカットの練習をします。
その3年間がつらかったと2人は振り返ります。
恒さん「仕事と練習の両立でとにかく時間がなく、給料は安いし、手は荒れるしでつらかったです。でもその3年を乗り越えて、カットやパーマができるスタイリストになると、仕事がどんどん楽しくなりました。竜と2人だったから乗り越えられたというのもありますね。言うと恥ずかしいけど(笑)」
店によっては、髪だけでなくエステやネイルなど幅広く扱っているところもあります。また、美容室の中での施術のほか、福祉施設やお客様の自宅への訪問美容など、幅広い働き方があります。
東京の感覚を札幌のサロンで発信。
技術は常に勉強が必要です。
東京に出てから7年経ち、開業に向けて札幌の美容室で働いて市場のリサーチをしようと地元に戻ってきました。
少しの間札幌のサロンで働いた後、予定より早く開業することに。お客ゼロからのスタートでしたが、友人や家族がお客様を紹介してくれたり、インターネットのクーポンサイトにも掲載し、双子でやっているところに注目してもらえてお客様も徐々に増えました。
竜さん「予定より早く開業した理由は、東京の感覚で出したかったということ。東京と札幌の違いの一つは、東京のほうが流行に飛びつく人が多く、札幌はもう少し慎重ということです。そういったお客様の動向も把握しながら、トレンドを敏感にキャッチし、提案しています。スタイリングやケアは常に進化していますから、勉強は常に必要ですね」
自分の手で感動を作れる仕事。
リラックス空間を大事に。
美容師としてのやりがいは、やはりお客様に喜んでもらえた時だと言います。
竜さん「丁寧にカウンセリングをして作ったスタイルに、お客様が『いいね!』と言ってくれたり、鏡越しに気に入っている表情が見られた時はうれしいですね。こちらがお金をいただいているのに『ありがとう』と言われるって、考えたらすごいことですよね」
技術を磨くことはもちろん、リラックスできる雰囲気作りにも心を配っています。
恒さん「施術中に話しかけないでほしいと思っているお客様も実は多いんです。接客の中でそこを察するようにしています。なかなか静かに過ごす時間を持てない子育て中のママさんも多く来てくれるので、好きな過ごし方で寛げる空間づくりを目指しています」
仕事もプライベートも充実。
挑戦したい分野の幅も広がります!
これから美容師を目指す人には、アシスタントの3年間にくじけずに続けてほしいと言います。
恒さん「美容師は、働き始めて10年間で10分の1の人しか残らないと言われています。私たちもアシスタント時代がつらくて、兄が『1年経ってもやりたいと思ったらやってみろ』と言ったのは、やりたい気持ちが強くないとできないということだとその真意がわかりました。でも、そこを乗り越えたら楽しくなりますよ!」
サロン経営も軌道に乗り、それぞれ結婚してプライベートの時間も楽しんでいる2人。
竜さん「メンズだけのサロン、多店舗展開など、美容室のやり方も幅広いですから、やってみたいこともいろいろ浮かんできます。そのように挑戦の幅が広いことも美容師の魅力かもしれませんね」
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

美容業界でも多くの人が3年以内に辞めてしまいますが、それではまだ向いているかどうかすらわからないころだと思います。好きな仕事なら、3年乗り越えたら楽しくなる。それは実体験で言えます。

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
両親がくれたシザーケース
高校生のころ、美容師になると決めた時に両親がそれぞれに買ってくれた革のシザーケース。今でも大切に、現役で使っています。この中には、父がくれた理容師用のはさみも入っています。使い勝手も良く気に入っています。

due

JR発寒駅前。白木を基調に遊び心の効いたおしゃれ空間で、双子のオーナーと経験豊富なスタッフがおもてなし。じっくり丁寧な施術がモットーです!

住所
北海道札幌市西区発寒9条13丁目1-3 駅前プラザ発寒1F
TEL
011-671-2641

お仕事データ

美とリラックスを提供
美容師
美容師とは
お客様の「おしゃれ」を
ヘアスタイルで表現。

お客様の髪をスタイリングするのが美容師の仕事。どのようなヘアスタイルにしたいかをカウンセリングした上で、その人に合ったおしゃれを表現するのが腕の見せどころです。希望に合わせてシャンプーやカット、カラーリングなどを施す他、美容室によってはネイルや着付け、ヘッドスパ、まつ毛エクステなどを手がけるケースも。多くの場合、アシスタント、スタイリスト、トップスタイリスト、店長などのランクがあります。

美容師に向いてる人って?
努力を惜しまずに、
人との関わりを楽しめるタイプ。

ヘアスタイルやファッションが好きなことはもちろん、努力を惜しまない気概が大切。最初は器用ではなくても、根気よく練習を重ねることで技術が身につき、スタイリストやトップスタイリストへの道が開けます。また、お客様と長時間にわたって会話することも多いので、「人との関わりを楽しめる」タイプも美容師に向いているようです。

美容師になるためには

厚生労働省が指定する美容学校(昼間部2年、夜間部2年、通信科3年のいずれか)に進学。筆記と実技の国家試験を受け、合格することで美容師免許が交付されます。

必要な資格
 美容師免許(国家資格)

資格取得の方法

 ・美容学校(昼間部/夜間部2年)に通い、国家試験に合格
 ・美容学校(通信科3年)に通い、国家試験に合格

※美容学校の受験資格は多くの場合、高卒者以上を対象にしています。詳しくは各学校のホームページなどをご確認ください。

ワンポイントアドバイス
美容師が活躍するフィールド。

スタイリストとして経験を重ねて自分のお店を開くのは美容師の醍醐味。それ以外にも、資格を生かせる職場としてエステサロンやブライダルサロン、メイクアップアーティストなどのフィールドもあります。ここ最近では高齢化が進んでいることから、介護施設などにお邪魔して施術を提供する「福祉美容師」といったジャンルも注目されています。