日本の食文化の一つである寿司を専門に調理するのが寿司職人の仕事。まずは早朝の魚市場で食材を仕入れることから始まり、店舗では魚介をさばいたり、煮込んだり、寝かせて熟成させたりと下準備を行います。活躍の場は個人経営の寿司店から「回転ずし」に代表されるチェーン店までさまざまです。カウンター越しに寿司を握る姿が見えるようになっていることが多く、寿司職人は立ち居振る舞いにも細心の注意を払わなければなりません。何より、お客様に「おいしい」と言ってもらうために、真心でおもてなしすることが大切です。
一般的に寿司職人の仕事は早朝の仕入れから営業終了まで立ち仕事が多く、ある程度の体力が必要です。また、調理のほか、お客様に対して細やかな気配りができ、時には小粋な会話を交わすこともできるコミュニケーション力も求められます。一人前の寿司職人になるためには「飯炊き3年、握り8年」と言われるように、根気強く日々の仕事に取り組める人が向いているでしょう。
寿司職人になるために特別に必要とされる資格や免許はありません。寿司職人を養成する調理系の学校などで知識や技術を学び、寿司店に就職するルートが一般的です。高校や大学・短大を卒業した後に寿司店の門を叩き、修行を積むという道もあります。就職後は雑用から始め、徐々に技術を身につけていくことが多いでしょう。
ここ最近、日本の伝統食が海外でも大人気。寿司職人も、欧米や西欧・アジアなどに活躍の場が広がっています。また、こうしたニーズの拡大に伴って、「男の仕事」というイメージが強かった寿司職人の世界に女性が参入するケースも増加傾向にあります。例えば、女性の寿司職人が日本の伝統を背負って海外で働くなど、ダイナミックな活躍にも期待が高まります。