今 彩乃さん
インタビュー公開日:2019.08.26

「劇団四季に入る」と決意したのは4歳の時。
夢に向かってバレエに熱中!
子どもたちにとって憧れであり、大人も楽しみと共に体を動かせる習い事として人気の高いバレエ。幅広い年代の方が楽しみながら体を動かせる多彩なプログラムが評判のミルバスタジオで、現在バレエのクラスを受け持つのは「劇団四季」で9年もの間活躍していた、札幌出身の今彩乃さんです。
4歳で初めて観た劇団四季の舞台、「キャッツ」に衝撃を受けた今さんは「私も将来劇団四季に入る!」とその時決意したそう。7歳からジャズバレエ、8歳からクラシックバレエを習い始め、高校生時代までバレエに熱中。「進路相談の志望先にも『劇団四季』と書いていました。学校を休んだり早退しても『それが将来につながることなら頑張りなさい』と応援してくれた先生もいて、集中して頑張れましたね」
狭き門を突破し、劇団四季に入団。
厳しい稽古の日々が始まりました。
高校卒業後、働いて東京に出る資金を貯め、21歳の時に劇団四季のオーディションを受けた今さん。約1,000人の応募者から合格者は50人ほどという狭き門を見事突破し、一発合格を果たしました。
「オーディションは緊張しますよね」と問いかけると「本部の大きなスタジオが会場で、創設者の浅利慶太先生と憧れの俳優さんが審査員席に並んでいて、緊張もしましたが、それ以上に感動の方が大きくて。そこで踊れることに幸せを感じました」
さすが、肝が据わっています。
念願の初舞台となった「李香蘭」は、入団から半年後、アンサンブル(ダンサー)としての出演でした。その後も次々に公演があるため、出演しながら次の公演の稽古をするというハードな日々。「でも新人にとっては、次の公演が決まっている方が安心なんです。出演するレベルに達しないと出られないので、休みを返上して稽古していました」
役は自ら取りに行く厳しい世界。
悔しい思いも稽古にぶつける日々。
4歳で初めて鑑賞して以来、憧れ続けた「キャッツ」の泥棒猫・ランペルティーザをはじめ、数々の名舞台を経験してきた今さんですが、劇団四季では、役を貰ってから覚えるのではなく自ら覚えて、試験のチャンスがあれば名乗りを上げるというスタイル。たとえ憧れの役を勝ち得たとしても、常にその席を狙っている人がいう環境です。
「思うように演技ができなくて演出家からも厳しい指導を受け、悔しい思いをしたこともありましたが、これを超えないと出られないと、強い思いで乗り切り、不安がなくなるまで稽古に稽古を重ねました」
9年間活躍し、その後浅利慶太氏の退任などをきっかけに、今さんは劇団四季を退団。故郷の札幌に戻ってきました。
出産を経て、札幌で舞台に復帰。 
次世代を育てる指導者として活動を開始。
札幌に戻ってきた後は、結婚・出産を経て、バレエの世界に復帰。バレエスタジオに通い始め、札幌文化芸術劇場hitaruのこけら落とし公演「ドン・キホーテ」にもキャスティングされ、復帰の舞台を踏みました。
ここ、ミルバスタジオで講師としてスタートしたのもそのころ。「劇団四季での経験や、学んできたことを活かしたいと思った時にちょうどミルバで講師を募集していると知ったんです」
現在は、ベビー・キッズのクラスや大人のクラスなどを担当しています。「四季で私のことを知って、レッスンを受けに来てくださる方もいてうれしいですね。お子さんは、『劇団四季に入りたい』『バレリーナになりたい』と夢を持っている子もいるので、そういう子たちのサポートをしていきたい。そのために、私も成長していかないと、と思っています」
好きだからこそ続けていける。
踊れる限り、踊り続けたい!
北海道は、有名なプロダンサーの熊川哲也さんの出身地でもあるので、その影響から男の子でプロを目指し厳しい稽古を続ける人も多いそうです。とはいえ、バレエだけで食べていける人は少ない、厳しい世界。プロとしてバレエ団に入団しても、アルバイトをしている人も多いといいます。「やはり、私はバレエが好きだから仕事にしているんですね。好きなことでお金をもらえるのは幸せなことだと思います」
今さんは、「ダンサーとして踊れる限り踊り続けたい」といい、講師業や子育ての合間に、自らのレッスンも欠かさず続けています。
「同年代で、海外や東京のバレエ団、私と同じく劇団四季で活動していた人も戻ってきているので、そういった仲間たちと一緒に北海道の舞台を盛り上げていきたいですね」
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
華麗な演技を支えるトウシューズとバレエシューズ
トウシューズはつま先の硬さなどいくつかタイプがあり、作品によって使い分けるので、シューズバッグには常に5足のシューズが入っています。学生時代は、1カ月で1足のシューズを履きつぶしていたことも。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

目標に向かって努力を重ねてもなかなか成就しない時、諦めてしまったらそこで挫折ですが、続けていけば必ず成長があります。諦めず続けましょう!

MILBA STUDIO(ミルバスタジオ)

子どもからママさん、シニアまで誰でも気軽に楽しく体を動かせるようにと、多彩な講師陣を揃え、予約不要、完全都度払い制のシステムで2018年オープン。バレエの他、ヨガやピラティスなど様々なレッスンを用意しています。

住所
北海道札幌市中央区南1条西1丁目4 大成札幌ビル3F
TEL
011-211-1850
URL
http://milba.com/studio.htm

お仕事データ

自らの体を使って表現!
ダンサー
ダンサーとは
音楽やリズムに合わせ、
体の動きで豊かな感情を表現。

音楽やリズムに合わせ、ステップやパフォーマンスを繰り出すことで豊かな感情を表現するのがダンサー。クラシックバレエやコンテンポラリーダンス、ジャズダンスから、ストリートダンス、社交ダンス、タンゴやフラメンコなどの民族舞踊まで、ジャンルは多種多彩です。ジャンルと同様に踊りの表現やバリエーションも豊富。ダンサーはステージやクラブイベントでダンスを披露するだけでなく、ミュージカルやテレビ番組、映画などに出演する他、ダンススタジオの経営者や講師、振付師としても活躍しています。

ダンサーに向いてる人って?
ダンスが好きという強い思いを持ち、
自らの体調も気遣える人。

ダンサーとして大切なのは、踊ることが好きという気持ち。体全体を使ってその思いを観客に伝え、見ている人を楽しませようとするホスピタリティーも重要です。キレのあるダンスを披露するには高い身体能力が必要な一方、ケガや故障を防ぐために自分自身の体を細やかにメンテナンスすることも求められます。ダンサーはステージ上でいつもキラキラと輝く存在であることから、前向きで明るい性格の人も向いているでしょう。

ダンサーになるためには

ダンサーは特別な資格や学歴が求められる職業ではありません。決まったルートがあるわけではありませんが、スポーツ系・ダンス系・舞踏系のコースを置く専門学校やダンス教室に通い、基本的な技術を学ぶケースが多いようです。また、ストリートに出て独学を重ねる人もいる他、劇団やテーマパークに所属したり、オーディションやコンテストに参加したり、積極的にチャンスをつかみに行くことが第一歩となります。

ワンポイントアドバイス
指導者やダンススタジオ経営の道も、
ニーズが高まっていく予感!

ここ最近、ダンスは他分野とのコラボレーションも進み、新たなエンターテインメントが生まれる可能性を秘めています。新学習指導要領により中学校の保健体育の授業でダンスが必修化されたこともあり、ストリート系のダンスに興味を持つ子どもも多いようです。今後はダンサーを目指す若者が増えることが予想されるため、指導者の道やダンススタジオを経営する道もニーズが高まるでしょう。