石井 理穂さん
インタビュー公開日:2023.01.11

自動車用品販売の経験を活かし
現在の職場に応募しました。
釧路市内の高校を卒業後、事務職、自動車用品店での接客業などを経験してきた石井理穂さん。転職を考えた時に、以前経験した自動車用品店の知識を活かして、自動車に携わる仕事を探すことに。「もともと車に興味があったわけではなかったのですが、身に付けた知識を覚えているうちに活かしたいと思ったんです」
そうして求人を見つけたのが、現在の釧路オートリサイクル株式会社での仕事でした。使用済みの自動車から使える部品を取り外し、機能チェックを行った上で販売している会社です。石井さんは、こちらでフロント担当に。自動車の部品が欲しい個人や企業のお客様から電話で問い合わせがあり、詳しく希望を聞いて適合する部品を見つけ、価格などの条件が合えば商談成立となります。
同社はNGP日本自動車リサイクル事業協同組合に加盟しており、全国の同業者が登録している年間400万台分のデータベースから部品を探し、お客様の希望に合うものを見つけます。
電話で要望を聞き取ることに
慣れるまでは戸惑いも。
以前の職場での知識は活かせたものの、今の仕事はほとんど電話で聞き取らなければならないため、戸惑うことも多かったといいます。「部品の名前がほとんどカタカナなので、電話では分かりにくいことも多くて。それでも、上司や先輩が優しく教えてくれたので、分からないことがあればためらわずに聞けて助かりました。最初は電話で話を聞いていてわからなければ、保留にして上司に聞くことを繰り返していましたが、半年くらいで耳が慣れて、普通に聞き取れるようになってきましたね」
多数いるお客様の中には、聞き返すと怒ってしまう方や、もともと厳しい口調の方も。「電話を切って落ち込んでいると、先輩が『どこからかかってきたの』と聞いてくれて、フォローしてくれます。そこで気持ちを切り替えてまた次に進むことができるんです」
周りは年上の女性も多く、何かあれば頼りにしていると言い、職場の居心地の良さが伺えます。
メーカーの区別や寒冷地仕様など
細かい違いも見分けて対応。
石井さんがやりがいを感じるのは、「購入を迷っていたお客様に丁寧に対応し、交渉が成立した時」といいます。電話の対応から、データベースの中から部品を探し、価格の見積をして、問い合わせにも応じ、コツコツ対応した成果が出る瞬間です。
「部品の状態が聞いていたのと違う」「途中で壊れた」「まだ届かない」などのクレームが来ることもあります。北海道など北国では自動車にも寒冷地仕様の部品が使われていますが、データベース上でそれが明確に入力されていないと間違いのもとになります。データベースには画像も表示されるので、それを見て判断することもあるとか。自社でも常に使用済み自動車を引き取り、解体して在庫を持っているので、工場や倉庫に足を運んで実際の部品を確認することもあります。
同じ用途の部品でも、メーカーが違うと合わない場合もありトラブルにつながるので、お客様から出してと言われてもお断りするなど、細かい対応が必要になります。
出産、育休を経験、職場復帰へ。
先輩も喜び、快く対応。
石井さんは、2021年10月に第一子の女の子を出産。その前の8月から産前・産後休業を取り、育児休業も取得。育休は1年間の予定でしたが、保育園が決まらなかったため半年間延長し、2023年の春に職場復帰予定です。会社での産休・育休の取得は初めてでしたが、事務担当の社員も不慣れな中、快く対応してくれたといいます。職場の先輩たちも、新しい命の誕生を喜んでくれました。何度か子どもを会社に連れてきた時も、子育て経験者の先輩が「かわいいね」「孫みたいだ」と言ってあやしてくれるそう。そういったエピソードからも、職場のアットホームさが伝わってきます。
「出産を経て、戻って来られる場所があるのは、安心感が違いますね。復帰したら、最初は耳を慣らすのに精一杯かもしれません(笑)」と石井さん。復帰後は、出産前と同様にフルタイムで働きたいと意気込んでいます。
ますます女性が働きやすい職場へ。
目の前の仕事を真摯に、丁寧に。
本社にいる事務員はほとんど女性で、工場勤務の社員も2〜3割が女性です。先陣を切って産休・育休を取得した石井さん。「今後、ますます女性が働きやすい職場になればいいと思っています。これから新しい社員が入る時にも、この会社なら子どもを産んでからもまた戻ってきたいと思えるようになっていければ」。自分が実績を作ったことで、その一助になりたいといいます。周りの人に支えられながら、その挑戦は続いていきます。
この仕事に向いている人を尋ねると、「人と関わることが好きな人」。石井さん自身も、これまでの接客の経験から人と関わることを求めてこの仕事に就きました。
今後について、特に大きな目標はないといいますが、「まず対応しているお客様を第一に。感謝の気持ちを持って、親切・丁寧に接していきます。職場で助けてくれる先輩たちにも感謝です」
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具

すべてを網羅する電話応対表
部署内で使っている電話応対表には、車種、型式、年式、色など応対に必要な事項が表になっており、これに沿って聞き取りをすれば漏れがなくなる優れものです。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

接客時は、まず「ありがとう」という感謝の気持ちを持って接します。そうすると自ずと応対や説明も丁寧に。また、助けてもらっている周りの人にも常に感謝しています。

釧路オートリサイクル株式会社

使用済み自動車を適正処理し、使える部品は取り出し安全にリサイクル。「使える物は全て社会へ戻す」を使命として、循環型社会に貢献しています。

住所
北海道釧路市新野24番地1084(新野工場)
TEL
0154-57-3718
URL
https://www.karc.co.jp

お仕事データ

会社をサポートする重要な裏方!
事務職員
事務職員とは
データ入力や書類作成、来客対応など、
幅広いオフィスワークを担当。

オフィス内でデータ入力や書類の作成、電話対応、来客対応といった幅広いオフィスワークを担うのが事務職の仕事。具体的にはお客様情報や日々の売上の入力、会議の議事録や見積書・請求書の作成、入金・出金・振替といった伝票処理、郵便物の仕分け、備品の発注やメンテナンスの依頼、会議室の準備や来客への飲み物の提供など、仕事内容は多岐に渡ります。働く会社によっては、勤怠管理や給与計算など人事・労務部門の仕事、決算業務の補助など経理部門の仕事を任されることもあります。

事務職員に向いてる人って?
人を支えることに喜びを感じ、
正確に物事を進められるタイプ。

事務職は職場を裏方から支えるサポート役としての仕事が多くを占めます。人を助けることに喜びを感じるタイプには向いているでしょう。また、お客様情報や売上といった重要なデータを扱うことから、集中力があり、正確に物事を進められる力も必要です。事務職は社外からの来客や電話に対応することも多いため、会社の窓口として丁寧に接する人当たりの良さも求められます。

事務職員になるためには

事務職に必須の資格はありませんが、主にパソコンを使って仕事をするため、Word、Excel、PowerPointなどのパソコンソフトの基本操作ができるとベター。「Word文書処理技能認定試験」や「Excel表計算処理技能認定試験」、「PowerPointプレゼンテーション技能認定試験」などを取得しておくと有利でしょう。高校や専門学校、短大・大学を卒業後、各企業や団体に就職するのが一般的です。

ワンポイントアドバイス
ワークライフバランスを
重視したい人にはピッタリ。

事務職の仕事は幅広い一方、それぞれがルーチンワークになっているケースが多いようです。イレギュラーなトラブルや急を要する業務がない限り、定時に帰りやすい職種といえます。プライベートを重視したい、家事や子育てに時間を割きたいなど、ワークライフバランスを重視した働き方を望む人にはピッタリです。