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鈴木 直哉さん
インタビュー公開日:2019.10.02

大学卒業後、地元に戻り
コミュニティーFMの世界へ。
広い北海道には市町村や区の単位で、地域に密着して情報を伝えるコミュニティーFMラジオ局がたくさんあります。その中の一つ、FMくしろでパーソナリティーを務める鈴木直哉さん。高知県の大学に進学し、地元に戻って就職先を探していたところ、FMくしろの求人が出ていました。「マスコミに興味を持っていましたが、FMくしろやコミュニティーFMのことは求人を見るまでよく知りませんでした。当時は、番組の制作をやってみたいと思っていたんです」
コミュニティーFMは人数が限られているところが多く、FMくしろでも番組の制作、パーソナリティー、機械の操作など全て行うという条件の求人。応募者も多数いた中で、他の人にはない四国での生活経験や人柄が評価され、採用となりました。
地域密着、地元の人を輝かせ
声だけで楽しさを伝える仕事。
学生時代からテレビもラジオも好きで、高知県にいた時は日常会話に笑いを交える文化になじんでいたという鈴木さんですが、ラジオでのトークとなると最初は戸惑ったといいます。 「プレゼントキャンペーンの告知をした時に、『楽しい告知なんだから、もっとテンションを上げて』と上司から指摘されました。声だけで伝えたり雰囲気を作る難しさを感じましたね」 
マチに出て行って歩行者にインタビューをしたり、スタジオに来たゲストと話す経験もたくさんしました。「FMくしろでは、釧路の話題、釧路の人にスポットを当てることを一番大切にしています。私たちは、そのサポート役なんです」
釧路の多彩な人材をゲストに!
イベント会場にも出向きます。
鈴木さんが10年以上レギュラーで担当している番組が、月曜から木曜の夕方に放送している「イブナビ〜Evening Navigation〜」という情報番組です。中でも人気なのが、曜日ごとにコアな趣味を持つ人が語るコーナー。歴史の研究者、トミカ収集家、鉄道ファンなど釧路に住む一般の方がレギュラーで登場し、鈴木さんは聞き手として番組を盛り上げます。また、スタジオの外では、花火大会などのイベントの司会や、地元アイスホッケーチームの試合での音響なども行っています。
「アイスホッケーのことは詳しくなかったので、携わるようになってから選手の情報なども集めました。他の番組などでもそうですが、相手のことについて知っておくと気持ちよく話してもらえるので、情報収集は大切にしています」
災害時は大切な情報源に。
平常時も防災情報を伝えます。
災害時の情報発信も、コミュニティーFMに期待される重要な役割です。FMくしろがある場所は大津波が来た場合に浸水してしまうので、災害時は高台にある釧路市の災害情報用スタジオから放送することになっています。
2018年の胆振東部地震で北海道全域が停電した際も、この災害情報用スタジオの回線が使えたので、災害発生から20分後には情報発信を始め、交代で情報を流し続けました。「行政が発信する情報のほか、このスーパーが開いているとか、生活情報を発信しました。今でも月1回の防災番組を放送していますが、親しみやすい番組を通して皆さんに災害に備えていただきたいですね」
人とのつながりを感じる仕事。
地元の人に役立ててほしい!
鈴木さんが仕事を通して一番うれしい瞬間は?と尋ねると、「イベントなどの告知をお手伝いした方から、『お客さんが来てくれたよ』と言われた時ですね。そうしてお役に立てて、リスナーの方とのつながりができると、長くやっていて良かったと思えます」
リスナーの方から「これを告知したい」とリクエストされる場合も。「地元のラジオをどんどん使ってほしい」と鈴木さんはいいます。
番組の改変や新番組についても考えており、「いつも聴いてくれている方が飽きないようにと考えています。ただ日々のライフスタイルと合わせて聴いている方もいるので、闇雲には変えられないんです」
ラジオの向こう側の人を思いながら、鈴木さんは今日も語りかけています。
シゴトのフカボリ
ラジオパーソナリティーの一日
11:00
出勤
メールチェック、整理
12:00
当日の番組の編集、準備
番組ゲストとメールで打合せ
14:00
社内業務、書類の作成など
イベントの出展者取りまとめ、音楽の準備等
17:00
「イブナビ」放送
19:00
番組終了、ゲストが出るコーナーの収録
20:00
退勤
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

相手のことを思って話せば、気持ちを通わせることができ、話す楽しさが感じられます。思いやりを持って話す大切さは、どの仕事に就いても通じることですよね。

株式会社エフエムくしろ

釧路のコミュニティーFMとして、市内や周辺地域に密着した情報を伝えています。また、地域のイベントでは運営や音響担当、司会も担っています。ラジオに興味のある方、募集中です!

住所
北海道釧路市春採7-1-24 コーチャンフォー釧路店2F
TEL
0154-47-0946
URL
https://www.fm946.com

お仕事データ

軽快なトークで番組を進行
ラジオパーソナリティー
ラジオパーソナリティーとは
軽快なトークを届けながら、
ラジオ番組を進める進行役。

プロデューサーやディレクター、構成作家などのスタッフとともに企画を考え、ラジオ番組を進める仕事。音楽をより魅力的に聞いてもらうための「しゃべり」を展開するほか、リスナーからのハガキやメールを紹介したり、ゲストが登場する場合は掛け合いをしたり、軽快にトークしながら番組を進行させていきます。華やかな職業の一方、音楽やエンターテインメント、政治経済など話題を集める下準備も欠かせません。

ラジオパーソナリティーに向いてる人って?
自ら発信したいという思いがあり、
「個性」という武器を持っている!

聞き取りやすい声の出し方や正しい日本語を覚えるのはマスト。さらに、番組の舵取り役でもあることから、自ら発信したいという強い思いのある人が向いています。社会常識や文化、歴史、政治経済、科学技術など広い範囲の知識を吸収するとともに、自分の専門分野を個性として生かすのも武器になるはず。また、ラジオは生放送が多いため、緊急時でも柔軟に対応できる力が必要です。

ラジオパーソナリティーになるためには

ラジオパーソナリティーには特別な資格や学歴は求められません。大学・短大の音楽系や放送系学科、専門学校のアナウンサーコースなどで学び、ラジオ局に就職する方法が一般的です。ほかにも、タレント事務所に所属して仕事を紹介してもらったり、ラジオ局主催のオーディションを受けて道が開ける場合もあります。

ワンポイントアドバイス
テレビと比べてファンとの距離が近く、
リアクションがすぐに受け取れる!

若者のラジオ離れが進んでいるといわれていましたが、東日本大震災以降は災害時の大切なツールとしてその良さが再確認されています。ラジオは今そこで何が起こっているのかをリアルタイムで伝えられるメディア。テレビと比べるとファンとの距離感が近く、番組へのリアクションをすぐに受け取れるのもメリットです。このような魅力を感じられるところもラジオパーソナリティーのやりがいにつながっています。