テレビやラジオの番組を制作する際、放送時間内に収まるよう時間の管理を担当するのがタイムキーパー。番組の進行が秒単位で刻まれる進行表を作成し、それをもとにCMまでの秒数やVTRを差し込むタイミングを計ってディレクターやスタッフに伝えています。とりわけ生放送の場合、「コーナーの差し替え」「ニュース速報の飛び込み」など急な内容変更が発生することもあり、ベテランでも難しいといわれています。ディレクターの指示に従い、字幕やVTRを流すこともあります。
タイムキーパーはテレビやラジオの制作現場で、スムーズな進行と時間構成を守るポジション。管理能力の高い人材が求められます。番組には多くのスタッフが関わっているため、コミュニケーションを円滑に取れる人も向いているでしょう。また、生放送の現場で突発的なアクシデントが発生した場合でも、臨機応変に対応できる冷静な判断力も重要です。
タイムキーパーになるための特別な資格はありません。多くの場合、テレビ局やラジオ局が制作会社にタイムキーパーの仕事を依頼するため、映像や収録関係のプロダクションに就職するのが近道です。また、映像系やメディア系の専門学校で業界の知識を学ぶのもオススメ。現役で活躍する人のアシスタントとして仕事を学び、独り立ちするルートもあります。
タイムキーパーはインカムを通してスタッフに指示を伝えることが多い仕事。そのため、声が高く通りやすい女性が多いのも特徴です。秒単位で時間を確認するということもあり、細やかさが求められることも理由の一つといわれています。スキルと経験を積み重ねて行けば一生の仕事にできることから、結婚や出産で一度引退しても復帰する人が少なくないようです。