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眞保 司さん
インタビュー公開日:2023.07.31

日々の物流を担う佐川急便の
トラックの整備に責任とやりがい。
眞保司さんが勤務するSGモータースは、佐川急便を中核として、デリバリー、ロジスティクス、不動産、ITなどのビジネスを展開する総合物流企業であるSGホールディングスグループの1社。全国22拠点の一つとして、主に佐川急便が所有するトラックの点検・整備を行っています。
「法定3カ月点検を基本に、次の点検までトラブルなく、ドライバーさんが安心して乗れるようにすることが、私たちの仕事です」
そう言って、さわやかな笑顔を見せてくれる眞保さんの仕事は、自動車の整備士。主に佐川急便の輸送に欠かせない各種トラックの整備を担当しています。
「大型の車両だと、数百、場合によっては千を超える荷物を載せています。それらを安全かつ迅速に届けるための役割を果たすことは、大きな責任ですが同時にやりがいも感じます」
一つひとつの点検作業、確認作業を怠らずに行うことが大前提。入社9年目のベテラン整備士が語ると、当たり前にも聞こえるその言葉にも一層、重みが感じられます。
車検、点検、タイヤ交換などのほか
現地に駆けつけて修理を行うことも。
実際にどんな作業なのか?眞保さんに聞いてみました。
「私が所属する札幌店は、すぐ近くにある佐川急便札幌営業所が所有する100台以上のトラックを中心に、札幌市内にある営業所の車両を担当しています。本州まで走る大型車両もあれば、時には宅配の軽ワンボックスが入ってくることもありますね」
主な業務は車検、点検、タイヤ交換などですが、調子が悪くなって駆け込んでくるトラックの修理や、車両が停止してしまった場合には現地に向かうこともあるそうです。​​
「ここから50kmほど離れた中山峠を越えたところでファンベルトが切れたと連絡が入り、急行して直したこともあります。そうした場合は、あらかじめ状況を確認することが重要。必要な工具を積んで駆け付けます」
このようなケースは多くないものの、そんな時は腕の見せ所でもあるのだと、ちょっと胸を張る眞保さんです。
スポーツカーへの興味から整備の道へ。
技術の幅を広げたいとトラックを志望。
高校時代から、先輩や友人の影響でスポーツカーに興味を抱くようになったという眞保さん。チューニングができるようになりたいという思いから、整備士を目指せる短大に進学します。眞保さんが通っていた高校では、ほとんどの生徒が4年制大学へと進学するなか、いわば独自の道を選びました。
「特にやりたいことが思い浮かばず、唯一関心があったのが車でした。目的もなく大学に進むのではなく、2年間で整備の技術を学び、手に職を付けたいと考えたんです」
ただ、ここでも、多くの同級生が目を向ける自動車ディーラーにはあまり関心が湧かず、自分独自の考えで将来を見据えていました。
「学内の合同説明会にSGモータースが参加していて、そこで当時の店長や工場長の話を聞き、トラックの整備について知りました。トラックの知識を身に付ければ整備士としての技術の幅を広げられると考え、SGモータースへの入社を決めました」
トラックは乗用車と比べて部品一つひとつが重いですが、慣れてくるとエンジンルームなどが広い分、作業しやすいそうです。また、重い部品は安全のためクレーンを使うことが一般的なので、身体の負担も少ないそうです。普段は見聞きすることのない、プロの世界の話です。
工具による締め付けを忘れた苦い経験。
後輩に同じ思いをさせまいと気を配る。
日常的に行っている法定3カ月点検は、50以上のチェック項目が示された点検記録簿に従って作業が行われます。オイル漏れやクーラント漏れ、ブレーキやクラッチの状態などを点検し、安全に支障なく走れるようにすることが目的です。並行して、持ち込まれる車両の修理も行いますが、眞保さんには苦い経験があります。
「オイル交換の際、エンジンドレンの工具締めをし忘れたことがあります。しばらくして嫌な予感がし、ドライバーさんに電話したらポタポタ漏れはじめていて……。急いでトラックがいた千歳まで駆けつけました」
謝る眞保さんに、ドライバーは「何ともなくて良かったね」とフォローしてくれたそうですが、それ以降、一つひとつの作業により気を付けるようになるとともに、ダブルチェックを徹底しているそうです。
「私は後輩の作業を工具を当ててチェックする役割を担っています。そのため、過去の経験からより慎重に確認しています。出庫後に問題が起きたら、後輩のメンタルにも影響を及ぼす恐れもありますから」と、自らの経験も踏まえて後輩たちに同じような思いはさせたくないと気を配っています。

現場の整備士に仕事を割り振って管理する
ディスパッチャー業務も兼務開始。
1年ほど前からディスパッチャー業務も兼務しているという眞保さん。ディスパッチャー業務というのは、作業予定表を見て、現場の整備士に業務を割り振ること。5名のメンバーの業務調整と作業の進捗管理を行っています。
「納期に合わせて作業の順番を考えるとともに、整備士一人ひとりのスキルも考えて、作業を割り振るのは難しいですね」
慣れていないと作業時間が長くなる傾向にありますが、若手メンバーにはなるべく経験を積ませてあげたいと、教育にも目を向けます。
それは、過去の自身の成功体験から感じたことのようです。
「私たちの仕事のなかで大切なことの一つに、故障診断があります。不調の原因を探る作業で2年目から任されるようになりました。その作業の中で、トラックの高さを変えるエアサスが動かないというケースで正しい診断を行えた時には、レベルアップできたという実感が湧きました」
親しい先輩に、もう先輩のレベルを超える知識が身に付いたと、認めてもらえたことがうれしかったそうです。
また、最新型のトラックはコンピュータ制御の部分が増えています。そうした部分のチェックも眞保さんたちの仕事。専門の電装会社に整備を委託する工場も多いなか、「細い配線の一つに至るまで、自分の手で扱えることも、おもしろさです」と話します。
最後に今後の目標を聞いたところ、「ゆくゆくは工場長になれるよう、さまざまな技術、知識、資格を身に付けていきたい」と語り、眞保さんは大きなインパクトレンチを軽々持ち上げ、テキパキと次の作業を始めました。


シゴトのフカボリ
自動車整備士(トラック)の一日
8:30
出勤、朝礼、ラジオ体操
8:40
対フロント、部門のミーティング
8:50
作業の割り振り、点検作業、進捗確認
10:30
休憩
10:45
点検作業
12:00
昼休憩
13:00
点検作業
14:45
休憩
15:00
フロント、車検検査員、部品調達担当者などと、作業の進捗や翌日の作業のミーティング
15:10
点検作業
18:00
作業終了、退勤
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
インパクトレンチ/電子記録簿
大型トラックのタイヤを脱着する際に使用する大型のインパクトレンチ。これがないと、仕事になりません。整備記録は今や専用のソフトウェアを使って保存。時代はどんどん変化しています。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

安心して運転していただけるよう、日々、的確な整備を行うことにより物流の一端を担っていることを誇りに思っています。当たり前のことですが、常に手抜きは許されません!

SGモータース株式会社

佐川急便を中核とするSGホールディングスグループで車両整備、販売、ボディ製造などを全国展開しています。

住所
北海道札幌市白石区流通センター5丁目573-5(札幌店)
TEL
011-864-7661
URL
https://www.sg-motors.co.jp/

お仕事データ

車のトラブルを未然に!
自動車整備士
自動車整備士とは
クルマの故障を修理し、
定期的な点検で事故を未然に防止!

乗用車やバス、トラックなどさまざまな自動車を整備し、故障を修理するほか、定期的なメンテナンスや調整、分解や組み立ても担当。仕事は大きく分けて「点検整備」、「緊急整備」、「分解整備」の3つ。「点検整備」は、車検や定期点検でベルトやブレーキの摩耗、オイルの状態などをチェックして、消耗した部品を交換。「緊急整備」は、急を要する事故や故障による整備・修理のことです。「分解整備」は「オーバーホール」と呼ばれ、エンジンやミッション(変速機)など自動車の重要な機器を分解し、点検して不具合や故障箇所などがあれば整備・修理します。

自動車整備士に向いてる人って?
最新の技術やメカニズムを
学ぼうとうする向上心が必要。

クルマや機械の構造・仕組みに興味があることは大前提。ここ最近は自動運転技術をはじめ、自動車業界の進化が目覚ましいことから、新しいメカニズムやテクノロジーを積極的に学ぼうとする向上心が必要です。自動車整備士の仕事には地道な作業も多いので、コツコツと取り組む忍耐強さも求められます。

自動車整備士になるには

国家資格の「自動車整備士」取得が必須。高校卒業後、国が定める自動車整備士養成学校(2年制の自動車整備士専門学校や自動車短期大学など)に進み、自動車整備士技能検定(二級)に合格した上でディーラーや整備工場などに就職するのが一般的です。4年制の専門学校や大学には一級の受験資格が得られるところもあります。また、養成学校を卒業せずとも、実務経験を重ねた後に資格を取得するのもOK。詳しくは国土交通省のホームページをご確認ください。
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk9_000003.html

ワンポイントアドバイス
自動車整備士の資格の種類。

実は自動車整備士の資格といっても種類はさまざま。レベルは「1級自動車整備士」「2級自動車整備士」「3級自動車整備士」があり、ほかにも各々の分野について専門的な知識・技能を有する「特殊整備士」も。一般的に求められる2級自動車整備士のなかでも、「2級ガソリン自動車整備士」「2級ジーゼル自動車整備士」「2級自動車シャシ整備士」「2級二輪自動車整備士」に分類されます。自動車の技術革新が進んでいる今、より高度な自動車整備ができる1級自動車整備士が注目を集めています。

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