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佐藤 嘉祐さん
インタビュー公開日:2024.10.18

なんでも気軽に相談できる税理士に。
お客さまに寄り添う仕事がしたい。
会計記録(売上、支払などの記録)の作成、法人税などの申告、確定申告、会社の経営状況を示す財務諸表の作成、予算作成のサポート……。これは、税理士の主要業務とされるものです。難しそうな言葉が並んでいますが、ひとことで言うと、企業などの経営に関する数字をまとめ、納税に関するアドバイスを行うことがその仕事です。
「納税の相談や申告書の作成などのほか、経営者が抱える課題に応えることも税理士として大切な業務ですし、私自身、もっとも意識して取り組んでいる部分ですね」
落ち着いた口調でそう説明してくれるのは、税理士の佐藤嘉祐さん。2021年に『佐藤嘉祐税理士事務所』を開設し4年あまりですが、180社ほどのお客さまの税務を担っています。
「この世界でやっていこうと思った時に、まず考えたのが、なんでも気軽に相談できる税理士になろうということ。報酬をいただいて業務を行う以上、淡々と専門業務をこなすだけでなく、お客さまに寄り添いながら仕事をしたいと考えました」
税理士は〝先生〟と呼ばれることも多い仕事ですが、あくまでもサービス業であり、お客さま第一。考えてみればあたり前のことを大切にしたかったのだと話します。
弁護士など、ほかの士業と連携しながら、
経営者のさまざまな悩み、課題に応える。
「会社を経営していると、会計や税務に関して日々、判断に迷うケースが出てくるものです。そうした時に、相談にのることも税理士に求められる役割ですし、現在、私は、そうした場面で動くことが多くなっています」
企業の帳簿作成代行など実務はスタッフに任せ、自分は経営者からの電話やLINEの問い合わせに答えたり、必要な助言を行うことに専念しているのだと佐藤さん。税務や会計に関することはもちろんですが、それ以外のこと、たとえば社員の採用に苦労している、登記・特許登録などの実務で困っている、法的な判断が必要な問題を抱えている等々、さまざま相談が寄せられるそうです。
「専門外の分野で、私では解決できないものも数多くあります。そうした際には、ほかの士業-弁護士、司法書士、行政書士、社会保険労務士をご紹介させていただくことで、解決への道筋をつくります」
専門家とネットワークをつくり、連携することで〝佐藤に相談すれば、きっと解決できる〟という安心感を与えられる体制を整えておくことも、税理士事務所としての役割なのだと佐藤さん。税理士はこうした、コンサルタント的な位置付けでもあることは、意外と知られていないかもしれません。
大学時代からの居酒屋のアルバイトが、
税理士の世界の扉を開くきっかけに。
税理士として、まさに売り出し中ともいえる佐藤さんですが、もともとこの分野を目指したり、興味があったというわけではなかったそうです。大学、大学院と機械工学を専攻していたという、ちょっと異色の出発点でした。
「北海道から遠く離れた琉球大学で、新素材の開発などを研究するマテルアル系と、工場などの生産ラインの効率化について研究していました。私の年代ではよくある話ですが、ガンダム好きが高じて工学部に進んだ、というのが本当のところです」
とはいえ、明確に進みたい業界や、興味を抱く仕事があったわけではなかったと振り返る佐藤さん。気がつけば大学院2年の冬も終わり、修了間際だったそうです。
「ところが、なぜか焦ってもしょうがないという気持ちもあり、〝しばらく、一緒に夢探しをしよう〟と、学生時代に長年アルバイトをしていた居酒屋の社長に励まされ(笑)、店長に。そして、その時の経験が、税理士への扉を開いてくれることになりました」
店長として担ったレジ金集計などに関心を持つなか、確定申告に際して社長に同行して訪ねた税理士の人柄に惹かれ、仕事に向かう姿に憧れたという佐藤さん。将来の仕事として夢を抱けそうだと感じたのだと振り返ります。
生命保険会社で営業センスを磨き、
代理店を開くなど実業家マインドも。
「税理士試験に合格するには、必修となる2科目の会計科目と、税法に関する3科目がありますが、1科目ずつとっていけばよく、時間をかければ合格できると考えて専門学校の社会人コースに約3年間通い、4科目を取得。先生の紹介で、札幌でも大手の税理士事務所に就職することができました」
そこは、誰もが知る上場企業の税務など、一般的な税理士事務所では、なかなか携われない高度な仕事を担っていました。また業務の効率化に基づいて収益化のアップを図り、無理のない働き方も実践。大学院で工場の効率化を研究していた佐藤さんは、こうした点に共感し、自らの事務所でも効率的な働き方を実践しているそうです。
「多くのことを学ばせてもらったその事務所で6年ほど勤務した後、生命保険会社に就職。4年間、営業職として働きました。税理士にも営業能力が問われるため、そのスキルを身につけたいと思ったこと、さらに、税務的な知識を役立てられると考えたんです」
2021年に税理士事務所を立ち上げる前に、現在は別の経営者に任せている保険代理店も開設している佐藤さん。実業家的なマインドも併せ持っているようです。
さらに幅広いサービスを提供して、
お客さまの事業発展に貢献したい。
「今は、第二新卒という言い方で、社会人経験が3年未満程度であれば、新卒相当とみなすことが普通になっていますが、私が大学院を修了した頃はそうした環境ではなかったので、何か資格を身につけなくてはと考えたことも、税理士を目指した理由の一つでした」
そう明かしてくれた佐藤さん。弁護士、司法書士、行政書士などと比較して、企業から毎月、顧問報酬を得られる税理士は、安定した仕事であることも決め手となったそうです。「税理士は、サブスクができるんですね」と、わかりやすく説明してくれます。
「さまざまな士業とのネットワークで、経営者の相談に応えるほかに、事業に役立つ補助金・助成金の情報提供を行うため、中小企業の事業支援を行っている金融機関関連の企業とタッグを組んでいます。今後も、幅広いサービスの提供を目指し、経営者の方々により頼られる税理士事務所にしていきたいですね」
不動産会社の顧問として、司法書士と連携して相続手続きを行ったり、関連するセミナーの講師も務めているという佐藤さん。「税法を適正に守りながらも、お客さまの事業の発展に貢献していきたい」。思いやりをもった税理士。それが、佐藤さんが目指す姿なのだそうです。
シゴトのフカボリ
税理士の一日
8:30
出勤
10:00
事務所で相談業務
11:00
申告書類などの作成
12:00
昼食・休憩
13:00
顧客企業への訪問
14:00
改正税法などの資料収集、会計書類の作成など
17:30
退勤
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
電卓
日数・時間の計算ができる電卓。特別なものではありませんが、専門学校時代から使用しているので手になじみ、使いやすいので、今もなくてはならない道具となっています。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

その名のとおり、企業などの税に関する業務を行うのが税理士事務所ですが、企業の状況を理解したうえで、多様なご相談に応じています。どんなことにも応えられ、信頼をいただけるようになることが目標です!

佐藤嘉祐税理士事務所

2021年設立。企業の税務全般を担うとともに、経営者が抱える課題に積極的に答えています。完全週休2日、効率的に働くことがモットーです。

住所
北海道札幌市西区

お仕事データ

「税」に関する専門家!
税理士
税理士とは
税務相談や税金の申告書の作成で、
社会に貢献する重要な仕事!

税理士は、企業や個人の税務相談や税金の申告書の作成などを行うプロフェッショナル。税金に関する法律やルールを専門的に扱い、お客様が税務上の問題を抱えた際にアドバイスをすることが求められます。具体的には、会計帳簿のチェックや決算書の作成、税務申告書の作成や提出など、幅広い業務を担当。税務相談の場合は、顧客の状況に合わせた最適なアドバイスをすることもあります。税理士は、税務に関する知識や専門性を生かし、社会に貢献する重要な仕事の一つです。

税理士に向いてる人って?
論理的思考ができて数字に強く、
倫理観や公正さも重んじられる人。

税理士に向いている人は、論理的思考ができ、数字に強い人。正確性や細かい作業が好きなことも素養の一つです。法律や税制についての知識を常に勉強し続けることが必要です。税理士には、コミュニケーション能力も必要。顧客とのやりとりがスムーズに行われるよう、分かりやすく説明するスキルも求められます。倫理観や公正さを重んじることも大切です。

税理士になるためには

税理士になるには、「税理士試験に合格し、2年以上の実務経験を積む」「税務署で23年以上勤務し、指定条件を満たす」「公認会計士または弁護士の資格を取得する」の3つの方法があります。最も一般的なのは大学の法学系、経済学系、経営学・商学系学部へ進学し、税理士試験の合格を目指す道のり(受験資格は学歴や実務経験によって細かく規定されているので注意が必要)。合格後、会計事務所や税理士法人に就職し、2年以上の実務経験を積んだ後、税理士としての業務を開始することができます。

※税理士試験について、詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/zeirishi.htm

ワンポイントアドバイス
国際税務に関するニーズが高まり、
コンサルティングも求められる仕事。

日本では企業や個人に対する税務の専門家である税理士が必要不可欠。また、税制改正の度に税理士の需要が高まる傾向にあります。近年では、国際化やグローバル化が進む中、企業の国際税務に対するニーズが高まっているため、その分野が得意な税理士も引く手あまた。法律や経営に関する知識も必要とされるため、コンサルティングの立場として求められるケースも増えています。