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メガネ・補聴器販売_菊地 翔平さん
インタビュー公開日:2025.08.07

しっかりとしたフィッティングにより、
心から満足していただくことを目指して。
瞳孔距離(黒目の中心間の距離=光学中心)が正しい高さにあるか。レンズの前傾角(傾き)は正しいか。角膜頂点距離(レンズの内側から角膜までの距離)が正しくとれているか……。メガネを買う時、店員さんが調整しているのはこうしたポイントなのだそうです。フィッティングと呼ばれています。
「これらが1mm変わるだけで、正しく視力を矯正できません。正しい位置、適正な距離で掛けないと見え方が変わり、ストレスの原因にもなります。私たちは、そうしたことを把握したうえで、快適に使っていただくためにフィッティングを行っています」
そう語るのは、ご自身もピタリとフィットしたメガネをかけ、爽やかな笑顔が印象的な「富士メガネ サンピアザ店」の菊地翔平さん。この道17年のベテランであり、若手をリードする店長さんです。
「ショッピングモールのなかにある当店には、ふらりと立ち寄ってくださる方も少なくありません。ちょっとした会話のなかで、そんな私たちの思いを伝えています」
しっかりとした調整とアドバイスを行うことで、心から満足していただく。それは、会社の姿勢でもあり自分自身の思いでもある。お客様にその価値を感じてもらうことが、他のお店との違いを生み出す大切なポイントだと、菊地店長はきりっとした表情で話してくださいました。
検査、販売、加工などの業務に加えて、
店長としてスタッフの接客にも目を配る日々。
メガネの検査、加工、販売、調整、そして補聴器。メガネ店としての同社の業務は、主にその五つが中心、と話す菊地さん。店舗スタッフはそれらを一つひとつ、経験を積みながら覚え、眼鏡作製技能士、認定補聴器技能者といった資格の取得を目指します。もちろん、今回お話を聞かせてくれた菊地店長も、これらの資格を持つベテランです。目の状態を検査し、レンズを加工し、フィッティングを行うというのがメガネ販売の流れ。まさにオーダーメイドです。
「特に検査とフィッテイング、加工の技術はメガネの品質を左右する生命線。スタッフにもしっかり指導しています。店舗としてのスキルを、いかに高めていくかが、とても大切だと考えています」
菊地さんが店長という立場に就いたのは7年前。接客のほか、スタッフの教育、店舗の数字(売上)管理も重要な役割となります。
「スタッフの接客にも常に目を配り、助言を行ったり、万が一、トラブル等が発生すれば、その対応も担います。当店では、メガネの修理も行っており、たとえ修理が難しそうな状態だったとしても、断らず、チャレンジすることを大事にしています」
店長になりたての頃は、〝(若い)あなたで大丈夫?〟と言われたこともあったと菊地さん。だからこそ、きれいに修理できた時は逆に信頼につながった、と話してくれました。
忘れられない丁寧な接客と、
海外難民の支援活動にも興味を抱き入社。
しっかりとフィットした菊地さんのメガネ、実は度が入っていません。商品を紹介するため、いわばモデルとしてさまざまなメガネをかけ、接客を行っています。視力の良い菊地さんですが、ご両親はメガネをかけており、ずっと富士メガネを利用しているのだそうです。
「普段は、地元に近い帯広の店舗を利用していますが、大学進学で私が札幌にいた時に訪ねてきて、狸小路本店に一緒に行ったことがありました。そこで受けた印象が、今、こうして当社で働くきっかけの一つとなりました。その接客に驚いた、というか感心したんです」
スタッフの丁寧な対応に、いい意味でびっくりしたと菊地さん。独自の〝おもてなし〟のスタイルに企業の姿勢を感じました。
「教員を目指して大学に進みましたが、就活の際には視野を広げようと、一般企業にも目を向けました。そのなかで、富士メガネが海外難民の支援活動に長く取り組んでいることを知りました。中学生の時、JICA(国際協力機構)の話を聞いて以来、海外貢献に興味を抱いていたこと。そして店舗での印象がそこに加わり、ぜひここで働きたいと思ったんです」
デスクワーク中心の事務職より、接客・営業系の仕事に興味があったことも、入社を決めた理由の一つなのだそうです。
気温40℃の現地に立ち、メガネを届ける。
活動の源である店舗の顧客にも感謝して。
入社から8年後の2016年、菊地さんは、思い描いていた海外支援の現場に立つことになります。向かった先は、カスピ海西南岸の国、アゼルバイジャン。隣国・アルメニアとの間で領土を巡る紛争を抱えています。その戦闘で難民となった方々にメガネを届ける活動です。
「難民支援などを行うUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とアゼルバイジャン政府の要請を受けて、日本からおよそ4,000組のメガネを送り、難民と国内避難民、お一人お一人に対して検査を行い、フィッティングするという活動を行いました」
6名ほどのスタッフで現地入りし、約2週間。1日およそ500人、1人あたり100人弱の検査を、軽く40℃を超える気温のなかで実施してきたのだそうです。
「現地では遠視の方が多く、仕事に困難をきたしたり、極端に視力の悪い人も少なくありませんでした。メガネのおかげで見えるようになり、感動して〝ありがとう!〟とハグしてくれて。私もうれしくなりました」
富士メガネでは、1983年から海外難民視力支援活動を行っています。こうした取り組みなどが評価され、第14回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞(同実行委員会)で新設された第1回内閣総理大臣賞を受賞。
「こうした活動ができるのも、当店をご利用いただくお客さまのおかげ。感謝しています」
お客さまの困りごとをしっかり聞き取り、
提案を行うカウンセラー的要素も必要に。
検査やアフターケアが、顧客とのやりとりを通して行われるのに対して、加工はメガネそのものをつくる作業。フレームに合わせて加工しますが、レンズの特性によって仕上がりが変わり、希望するフレームにマッチしないことも。知識と経験が求められる仕事です。
「メガネの販売にはさらに、カウンセラー的な感覚も必要になります。その方はどんな不安や困りごとを抱えているかをいかに聞き出し、どういう提案ができるか。常に勉強が必要ですし、流れ作業ではできない仕事ですね」
いずれも札幌市内の川沿店、伏古店、円山店で経験を積み、イオン東札幌店で店長となって現在に至るという菊地さん。店舗を移動しても、わざわざ訪ねてくれる方も多いのだそうです。
「こんなに、お客さまから〝ありがとう〟という言葉をいただける仕事は、そうないと思いますし、とてもやりがいのある仕事ですね」
来店した顧客とのコミュニケーションを大切にしているという菊地さんですが、実はプライベートでは人と話すのが苦手なのだとか。
「それでも、仕事となると、不思議とスイッチが入り、ぜんぜん平気になるんです」
押し付けがましさや、しつこさを感じさせない。いい意味での二面性が、顧客に安心感を与えるそんな立ち居振る舞いに現れているのでしょうか。まさにプロフェッショナルです。
シゴトのフカボリ
メガネ・補聴器販売の一日
9:30
出社、朝礼、その日にいらっしゃるお客さまの確認
10:00
開店、スタッフに目配りをしつつ、自らも接客
12:00
昼食・休憩
13:00
商品の説明、メガネの引き渡し前のフィッティング、アフターケア、店内の環境整備など
18:15
その日のカルテを確認し、終業
*昼食、休憩は交代制なので、日によって時間が異なります。

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具

「ミリ尺」と「検音用チューブ」
ミリ尺は、顔の幅、目の位置、メガネのサイズなどを測り、フィッティングを行うための必須アイテム。検音用チューブは、補聴器の音の出具合を確かめるために使用する専門ツール。なかでもミリ尺は、常に携帯しています。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

入社から17年、多くの人との縁に恵まれていることを実感しています。店舗を移動してもお土産をもって顔を出してくださるお客さまも。そうしたつながりがどんどん増えていくことが、とてもうれしいですね。

株式会社富士メガネ

1939年、当時の樺太(現・サハリン)で創業。北海道のほか、東北・関東にも店舗を展開するとともに、海外難民視力支援活動を40年以上続けている。

住所
北海道札幌市中央区南2条西1丁目3 北専ビル9階
TEL
011-222-2859
URL
https://www.fujimegane.co.jp

お仕事データ

店舗の運営を切り盛り!
小売店店長
小売店店長とは
経営者の視点を携えて、
売上や人材、店舗をマネジメント!

小売店店長はスーパーやドラッグストア、アパレルショップ、コンビニエンスストアなどの店舗運営を切り盛りする仕事。業務内容は多岐にわたりますが、筆頭となるのは売上管理です。週や月、1日ごとの売上を細かくチェックし、売れ筋商品の見極めや陳列方法の変更などによって目標の達成を目指します。また、スタッフを教育してスキルを伸ばしたり、最適な人員配置を考えたり、人材のマネジメントも大切。他にも商圏に求められる商品の仕入れやキャンペーンの実施、店舗や設備の管理などを担います。早いうちから経営者の視点を養えるところがメリットの一つです。

小売店店長に向いてる人って?
人をまとめるリーダーシップがあり、
新しいことに挑戦するのが好きなタイプ。

小売店店長には社員やアルバイト、パートスタッフをまとめるリーダーシップが不可欠です。さらに、部下のモチベーションを上げることも重要な役割のため、一人ひとりの相談にのる面倒見の良さやムードを盛り上げる力も求められます。キャンペーンや商品の入れ替えなどによって売上アップを図らなければならないことも多く、新しいことにチャレンジするのが好きな人も向いているでしょう。

小売店店長になるためには

特に必要な資格はなく、未経験からでもチャレンジしやすい仕事です。スーパーやドラッグストア、アパレルショップなどに正社員として就職し、しばらくスタッフとして経験を積んだ後に昇格するケースが一般的。専門学校や短大・大学の中には、ビジネスマネジメントや店舗運営、経営について学べる学科などもあるので、学生のうちに基礎的な知識を積み上げておくのもオススメです。

ワンポイントアドバイス
人をマネジメントするということ。

小売店店長は売上に関する責任も重大ですが、それ以上に社員やアルバイト、パートを育て、スタッフの暮らしを豊かにしていくという思いを持つことが大切です。そのためには業務をこなす人のマネジメントにも積極的に取り組み、やる気と能力を引き出すことでお客様からの信頼を勝ち取らなければなりません。それが、ひいては業績やスタッフの給与を高めることにつながり、最後には自分の評価へとフィードバックされるのです。

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