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遠藤 加強さん
インタビュー公開日:2024.07.31

全国に知られる「やきとり弁当」の店で、
時間帯の責任者として店舗を切り盛り。
店内に入ると、香ばしい匂いが漂ってきました。その正体はやきとり。といっても、鶏ではなく、豚精肉の串焼きです。クリアパネルで囲まれたエリアで、数名のスタッフが焼き台に向かっています。ここは函館の「ハセガワストア」。地元出身の人気ロックバンドのメンバーが食べていたということで全国に知られるようになった「やきとり弁当」の店です。
「イートインコーナーも完備しており、このバンドのポスターやグッズが並んでいます。聖地巡礼ではありませんが、『やきとり弁当』を食べながら、写真を撮られるファンの方も多く見えられますね」
そう教えてくれたのは、契約社員としてハセガワストア中道店に勤務する遠藤加強(かつよし)さん。つい今までやきとりを焼いていたかと思えば、店内の商品陳列の状態を見回ったり、パートさんからの質問に答えたり。忙しく動き回っています。
「13:00〜22:00の時間帯の責任者として、店長の補佐をしながら、店舗に関わる、さまざまな業務を担当しています」
「いらっしゃいませ!」お客様に話しかける表情が、とてもさわやかな遠藤さんです。
各種豚串に、とり串、野菜串……。
商品の数を決める販売計画も担当。
ハセガワストアは、地元・函館発のコンビニエンスストアですが、店内ではやきとりを焼いているほか、惣菜・弁当を製造し、パンも焼いています。各部門で多くのパートさんがきびきびと働く様子は、スーパーマーケットのようでもあります。
「やきとりの注文業務とレジ業務をメインとしながら、『前出しパック』の量を決めるといった販売計画も少しずつ担当するようになっています」
ご飯にやきとりをのせた「やきとり弁当」のほか、各種豚串・とり串、野菜串などを単品で小さなパックに入れ、焼き場の前に並べています。これが、前出しパック。豚タン、豚レバー、とり軟骨、ボンポチ……多くの種類があります。
「1日にどれくらい売れるかを考え、串を焼く量などを決めるのが販売計画。季節や天候、曜日などを読みながら数量を考えるのは難しく、なかなかうまくいかない日も……。ところが、店長がやると、ピタリとちょうどいい数になるんです。さすがだなと思いますし、そうなるのが一つの目標ですね」
前年の販売データなどのほか、経験や勘も求められるという販売計画。遠藤さんは、実践のなかでその感覚を磨く日々なのだそうです。
アルバイト時代に実感した働きやすさ。
その思いが現在へとつながるきっかけ。
地元函館の高校を卒業し、進学した専門学校時代に、現在の勤務先でもあるハセガワストア中道店でアルバイトをしたことが、入社に至ったそもそものきっかけ、と話す遠藤さん。
「アルバイト自体は1年間ほどでしたが、短いなかでも、働きやすい職場だなと感じていました。専門学校卒業後は、別の企業に就職しましたが、事情があって退職することになった時、そんな職場の雰囲気を思い出しました」
社員として、一緒にやってみないか。会社からそう声をかけてもらえたことも、後押しになったと振り返ります。それからパート社員として6年間ほど勤務。やきとりの調理もマスターし、2023年に契約社員となりました。
「商品が売れて、棚に空間ができていたら奥から商品を出して揃えるといった店内の環境整備も、担当する時間帯の私の役割。ほかの業務で手が離せない時はパートさんにお願いすることもありますが、そうしたやりとりを通して痛感したのが、パートさんがいないと仕事が回らないということ。欠かせない存在です」
長く勤務しているパートさんには、逆に店のことや業務の流れなどを教えてもらうこともあるのだとか。
札幌の百貨店の催事でやきとりを調理。
多くに支持されるありがたみを実感。
契約社員となり、初めての業務も経験しました。それは、百貨店での「やきとり弁当」づくりです。ハセガワストアでは、地元の味を多くの人に知ってもらおうと、催事などにも積極的に参加しています。
「札幌の百貨店で行われた催事に派遣され、1週間ほど店頭に立ちました。慣れない環境で大変でしたが、地方から買いに来てくれる方も多く、たくさんのお客様が開店と同時に並んでくれる光景には驚きました。ありがたみを実感しましたね」
ハセガワストア、そして「やきとり弁当」の知名度の高さを改めて感じた遠藤さんですが、何しろ初めての催事体験。そこでも、経験豊富なパートさんが頼りになったそうです。
「催事では、1日1,000食を超えるやきとりを焼いたり、裏方でご飯を盛ったりと大忙しでしたが、『ここ(催事)での段取り、流れはこんなふうに行っています』など、具体的に教えていただき、とても助かりましたし、新たな勉強になりました」
パートさんだけでなく、わからないことがあれば、誰もがその背景も含めてていねいに教えてくれたり、何かを間違えても、なぜ間違いが起きたかを一緒に考えてくれるような職場なので、安心して働けるのだといいます。
人間関係の良さと常連さんの温かさ。
一つの店舗の責任者になるのが目標。
一方で、社員はパートさん、アルバイトスタッフに指示を出したり、業務に関する質問などに答えることも大切な仕事。その点は、まだまだ難しさを感じる部分なのだと遠藤さん。
「業務の改善などを指導するような時、パートさんの気持ちも考えながら、納得し、理解していただけるよう伝え方を日々、学んでいるところです」
入社から7年。この間には、仕事に関して悩む場面もあったそうです。ただ、その都度、時間をかけて困っていることや改善してほしいことなどに耳を傾け、一緒に解決に向けて考えてくれるという、人間関係の良さがあったからこそ、やってこられたのだと遠藤さん。
「やきとりを焼いて『おいしかったよ』、レジでの対応に『ありがとうね』と声をかけていただけることが、何よりもうれしいですね。また、ミスをしてしまった時も、改善の努力をする姿を見てくれていて『今回は、よくなったね』などと見守ってくれる常連のお客様も多く、そんな時は、この仕事を続けてきた良かったと実感します」
将来的には、一つの店舗を責任者として切り盛りできるようになることが目標なのだという遠藤さん。そう言い残すと、またやきとりを焼き始めました。
シゴトのフカボリ
店舗管理の一日
13:00
出勤、店舗の様子を確認後、やきとり厨房業務
15:00
休憩
16:00
本部から届く書類の整理、店舗内の確認およびレジなどの店舗業務
22:00
退勤
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

ハセガワストアは地元のコンビニエンスストアですが、店内調理の「やきとり弁当」は全国区の知名度となっています。この函館の味を提供する一人として、観光客などへの対応も磨き、地域を盛り上げていきたいと思います!

株式会社ハセガワストア

1958年に函館で創業。'78年に発売した「やきとり弁当」のほか、弁当・惣菜、パンの製造も自社で行い、地元の人たちが日々、通う店となっています。

住所
北海道函館市中道2丁目14番16号
TEL
0138-54-5731
URL
https://www.hasesuto.co.jp

お仕事データ

店舗の運営を切り盛り!
小売店店長
小売店店長とは
経営者の視点を携えて、
売上や人材、店舗をマネジメント!

小売店店長はスーパーやドラッグストア、アパレルショップ、コンビニエンスストアなどの店舗運営を切り盛りする仕事。業務内容は多岐にわたりますが、筆頭となるのは売上管理です。週や月、1日ごとの売上を細かくチェックし、売れ筋商品の見極めや陳列方法の変更などによって目標の達成を目指します。また、スタッフを教育してスキルを伸ばしたり、最適な人員配置を考えたり、人材のマネジメントも大切。他にも商圏に求められる商品の仕入れやキャンペーンの実施、店舗や設備の管理などを担います。早いうちから経営者の視点を養えるところがメリットの一つです。

小売店店長に向いてる人って?
人をまとめるリーダーシップがあり、
新しいことに挑戦するのが好きなタイプ。

小売店店長には社員やアルバイト、パートスタッフをまとめるリーダーシップが不可欠です。さらに、部下のモチベーションを上げることも重要な役割のため、一人ひとりの相談にのる面倒見の良さやムードを盛り上げる力も求められます。キャンペーンや商品の入れ替えなどによって売上アップを図らなければならないことも多く、新しいことにチャレンジするのが好きな人も向いているでしょう。

小売店店長になるためには

特に必要な資格はなく、未経験からでもチャレンジしやすい仕事です。スーパーやドラッグストア、アパレルショップなどに正社員として就職し、しばらくスタッフとして経験を積んだ後に昇格するケースが一般的。専門学校や短大・大学の中には、ビジネスマネジメントや店舗運営、経営について学べる学科などもあるので、学生のうちに基礎的な知識を積み上げておくのもオススメです。

ワンポイントアドバイス
人をマネジメントするということ。

小売店店長は売上に関する責任も重大ですが、それ以上に社員やアルバイト、パートを育て、スタッフの暮らしを豊かにしていくという思いを持つことが大切です。そのためには業務をこなす人のマネジメントにも積極的に取り組み、やる気と能力を引き出すことでお客様からの信頼を勝ち取らなければなりません。それが、ひいては業績やスタッフの給与を高めることにつながり、最後には自分の評価へとフィードバックされるのです。

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