施設や工事現場、駐車場などで人の警備・警護を専門的に行うのが警備員。その仕事は警備業法という法律で定義され、1号~4号に分かれています。1号警備業務は住宅や施設、駐車場などで、盗難や事故を防ぐための警備。「施設警備」や「常駐警備」、「巡回警備」などの職種が該当します。2号警備業務は、工事現場の交通誘導や不特定多数の人が集まるイベントの警備が主な仕事です。3号警備業務は、現金輸送や美術品の他、核燃料の移送時の警備などより強固な警備が求められます。4号警備業務はいわゆるボディガードと呼ばれ、高齢者の見守りやストーカー対処といった身辺警護がメインです。警備員は人命や大切な財産を守る縁の下の力持ちです。
警備員は依頼人や市民の安全と安心を守ることを最優先に行動しなければなりません。人の命をしっかりと守る強い責任感が求められます。こうした職務をまっとうするには相応の体力が必要であり、さらに不測の事態が起きた際でも臨機応変に的確に動くことが必要。また、警備員は人と接する仕事でもあるので、本来は業務外のことでも場所を案内するなどの気遣いができる人も向いているでしょう。
警備員になるために必要な資格はありません。ただし、警備業法により、18歳未満の人、破産宣告を受けた人、何らかの罪を犯して刑務所を出所してから5年未満の人などは警備員になれないという制限が設けられています。これらに該当せず、18歳以上であれば、学歴や性別などにかかわらず誰でも警備員になることが可能。入社後は、法令で定められた教育を30時間以上(基本教育15時間以上、業務別教育15時間以上)を受け、実際の現場で働くことになります。
最近では個人宅に警備会社のシステムを導入する「ホームセキュリティ」の実績も増えているため、警備員のニーズは高まっていく見通しです。また、最初は現場での仕事が中心になりますが、「施設警備検定」や「空港保安警備検定」、「交通誘導警備検定」といった資格を取得し、仕事の幅を広げることで、キャリアアップしていく道も開けます。人を必要とする業務は絶えず需要がある一方、防犯カメラやコンピューター制御、AIによる警備システムも進化中。警備業界にもIT化の波は押し寄せ、今後はシステムの知識が豊富な人材なども必要とされるでしょう。
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