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宮本 智美さん
インタビュー公開日:2018.07.30

緊急車両で人の命を救う仕事。
経験を積み、国家試験にも合格!
救急要請に対応し、素早く現場に駆けつけ、人命を救う救急救命士。
宮本智美さんは、札幌で活躍する数少ない女性救急救命士の一人です。
大学時代にアルバイトをしていたスポーツジムのお客さんが救急救命士だったことから、話を聞いて、興味を持ったといいます。
「子どもの頃は警察の白バイに憧れていたこともあり、緊急車両に乗って人を助けられるという仕事に魅力を感じました」
札幌市職員採用試験(区分:消防吏員)に合格し、最初は指揮隊で無線担当業務に従事。その後、1年半救急隊員として勤務した後、札幌市消防局救急救命士養成所で半年間研修を受け、国家試験に合格。晴れて救急救命士として勤務することになったのです。
救急救命士は、搬送だけでなく
命を救う“特定行為”ができます。
宮本さんは現在、白石消防署で1日10件前後の出動要請に対応し、日々救急活動に奔走しています。
救急救命士は国家資格です。救急救命士として働くための方法は2通りあり、1つは高校卒業後に大学・専門学校などの救急救命士養成施設で学び、国家試験に合格後、消防士になる方法。もう1つは、宮本さんのようにまず、消防士になり、救急隊員として5年以上又は2000時間以上の経験を経た後に救急救命士養成施設で研修を受け、国家試験に合格する方法があります。
救急救命士になると、患者さんを搬送するだけでなく、点滴処置や医療器具を使用した気道確保など、人命を救う「特定行為」を行うことができます。
現場では冷静で的確な判断を。
雪国ならではの過酷な現場も。
通報を受けたら、約8分後には現場に到着します。これは札幌市の平均現場到着時間で、全国平均より早いそうです。
しかし、北海道の冬場の出動では、また勝手が違います。
救急車のタイヤにチェーンを付けて走行しますが、交通事情や路面の状況が悪く到着に時間がかかったり、住宅街の細い路地は、雪が積もって入れない場合も。
そんな時は、入れる場所で車両を停めて、ストレッチャーを押して現場に向かうといいます。
到着した出動先の現場には、重篤な症状の患者さんがいます。状況を冷静に的確に判断し、救急隊員同士が協力して搬送し、素早く処置を行わなければなりません。
患者さん本人だけでなく、動揺しているご家族などにもわかりやすく説明する必要もあります。
たった一度の救急活動でも記憶に残るもの。
女性が必要な場面も多々あります。
搬送された患者さんが、退院後に挨拶に来たり、お礼の手紙をもらうこともあるとか。
「地域を回っているので、近所を元気に歩いている姿が見られ、ホッとすることも。たくさんの患者さんを搬送していますが、意外と記憶に残っているものなんです」
女性は力が弱いので、患者さんを搬送する時に男性隊員にカバーしてもらったり、体力面では出動要請が多くヘトヘトになる日もあるそうです。
それでも、婦人科疾患の患者さんなど、「女性が来てくれてよかった」と言われる場面も多く、女性救急救命士の存在の大切さを実感するといいます。
現在、札幌市消防局では4名の女性救急救命士が救急隊として活躍していますが、もっと仲間が増えることを期待していると宮本さんはいいます。
人命を救うには訓練も不可欠。
技術を高める努力を続けています。
出動時に行う点滴処置や患者さんの口の中にチューブを挿入する処置などは、救急救命士の国家資格を取得した後も、日常的に訓練を重ねています。
訓練は出動の合間に、先輩や同僚と一緒に訓練用の人形を使って行います。低血糖の患者さんに対して行うブドウ糖投与のための点滴処置は困難であることが多く、いつ現場で行うかわからないので訓練を欠かさないといいます。
宮本さんは今後、さらに経験を積むと資格が取得できる気管挿管救急救命士を目指しており、取得できると救急活動の幅が広がります。
緊張感の高いハードな面もある仕事ですが、より多くの人命を救うために今日も努力を続けています。
シゴトのフカボリ
救急救命士の一日
8:00
出勤
8:45
前日勤務の職員との申し送り
資器材の確認(酸素ボンベ、酸素マスク、注射針、ガーゼ等)
9:00
朝のミーティング
9:10
デスクワーク(出動報告書の作成等)
10:00
出動(連続2件)
12:15
昼休憩
13:00
訓練
14:00
出動(連続2件)
16:00
デスクワーク
18:00
夕食
18:30
出動(連続3件)
21:00
デスクワーク
22:00
休憩
23:00
出動
0:00
デスクワーク
2:00
仮眠
4:00
出動(連続2件)
7:00
車両の整備
7:30
車庫の清掃、申し送りの準備
8:45
当日勤務の職員との申し送り
8:55
勤務終了
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

札幌消防局の救急隊で活躍する女性救急救命士は、現在4名とまだまだ少ない存在ですが、女性だからこそ喜ばれる現場がたくさんあります。人の命を助けたい女性の皆さん、ぜひ仲間になってください!

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
救急バッグ
酸素ボンベ、ブドウ糖やアドレナリンなどの薬剤、血圧計などの資器材が入っており、出動時は必ず持っていきます。重さはなんと12kg!中身がきちんと使える状態になっているか毎日チェックします。

札幌市白石消防署

消防、救急など、市民のための防災・緊急出動・災害対策に努めています。白石署には、消火体験や地震体験ができる防災センターを併設しています。

住所
北海道札幌市白石区南郷通6丁目北
TEL
011-861-2100

お仕事データ

救急救命処置のスペシャリスト!
救急救命士
救急救命士とは
医師の指示を受けた上で、
器具を使用した気道確保や薬剤の投与を。

一刻を争う救急の現場。心肺機能が停止した傷病者に対し、医師の指示のもと救急救命処置を行うのが救急救命士。止血処置や脈拍の測定はもちろん、心肺停止時の電気ショックや薬剤の投与、点滴処置、器具を使用した気道確保といった救急医療行為を施します。ほとんどの救急救命士は、病院などの医療機関ではなく消防署の所属。消防庁では三人一組で動く救急隊員のうち、最低でも一人は救急救命士の資格を持つよう指導を進めています。

救急救命士に向いてる人って?
人の命を助けたいという使命感と、
冷静な判断力、タフな精神力が必要。

救急医療の現場は時間との勝負。適切な救命処置を行うためにも、冷静な判断力が求められます。また、常に人の命に関わる場面で仕事をすることから、強い精神力も必要。患者さんや家族との会話から状況を聞き出したり、他の救急隊員とスムーズに連携するには高いコミュニケーション能力も大切です。何より、人の命を助けたいという気持ちが強い人が救急救命士に向いているでしょう。

救急救命士になるためには

救急救命士として働くには救急救命士国家試験に合格する必要があります。ルートは二つあり、一つは高校を卒業後、大学や専門学校などの救急救命士養成所で学び、救急救命士国家試験に合格する道のり。その後は各自治体が実施する消防士の採用試験にも合格する必要があります。もう一つは先に消防士採用試験に合格するルート。5年以上又は2000時間以上の救急業務を経験し、養成所で6か月以上の研修を受けることで受験資格が得られます。

※救急救命士国家試験については、詳しくは厚生労働省のホームページをご確認ください。http://www.mhlw.go.jp/

ワンポイントアドバイス
勤務形態が不規則になりがちな分、
人一倍やりがいを感じられる!

救急救命士は基本的に「24時間勤務」。途中で8時間程度の仮眠や食事休憩が設けられていますが、ひとたび出動指令が出たらどんな時でも即座に現場に向かわなければなりません。休みは各自治体の交替勤務の形態により異なりますが、生活リズムが不規則になりがちです。一方で、搬送した患者さんや家族から感謝の言葉をかけられることも多いので、人一倍やりがいを感じる仕事でもあります。