高校生・大学生のための北海道の仕事に出会えるキャリア探求サイト

MENU

  • HOME
  • 大塚 弘章さん

大塚 弘章さん
インタビュー公開日:2019.10.18

「牛に関わる仕事がしたい」と、
就職先として畜産を選択。
畜産や酪農の仕事というと「家業を継ぐ」というイメージが強いかもしれませんが、ある程度規模が大きい農場では、正社員を雇用しているところもあります。グループ全体で1万3000頭の牛を飼育している株式会社トップファームもそんな農場の一つです。
2011年に正社員として入社した大塚弘章さんは、かつては実家が酪農業を営んでいた事もあり、子どものころから手伝いをして牛に親しんでいました。高校卒業後の進路を考える時、牛に関わる仕事がしたいと思い、トップファームの新卒採用の募集を見て応募。
家業である「酪農」を継がなくて良かったんですか?と聞くと、酪農の大変さを誰よりも知り「子どもには同じ苦労をさせたくない」と考えていた大塚さんの父がトップファームへの就職を応援してくれたといいます。
従業員80人の大規模農場。
担当する牛は200頭!
トップファームは従業員が正社員・パート含め約80名おり、現場も部署に分かれてしっかりと役割分担がされ、人材育成をしています。畜産では、生まれて約1カ月の「初生」、生後7~8カ月までに体を作る「育成」、出荷までに脂肪をつけ大きく育てる「肥育」の段階に分かれており、大塚さんは素牛課育成係のリーダーを任されています。自らの担当は育成牛舎のうち3棟・約200頭で、担当の牛舎の牛の日々の餌やりや管理、部署全体での除糞や清掃、大型車での牛舎移動などの作業を行っています。
広い場内を移動し体を使う作業の連続ですが、「体力は入社してからついてきました。入社した時は華奢でしたが、体格も良くなりましたよ」と笑顔で話してくれる大塚さん。
生き物を扱う仕事である以上、
体調管理は細心の注意を払って。
北海道の牧場は規模が大きいところが多く、畑や牛舎が大きく飼養頭数も多いのが特徴。そして、佐呂間町のように雪が多い地域では、雪が降った朝は早くからタイヤショベルで除雪し、牛の世話をするための動線を確保します。
牛は繊細な生き物なので、体調の管理には特に気を配っています。風邪をひいたとか、微生物のバランスが狂ってお腹にガスが溜まるなど、ちょっとした変化を見逃すことで大きな病気につながり、最悪の場合は亡くなってしまうこともあります。「この仕事は、生き物をよく見て変化に気づく感性が必要です。以前、社長について仕事をさせてもらった時に、変化を見逃さない鋭い観察眼に圧倒されました」
牛一頭一頭がかわいい存在。
愛情を注げば返してくれます。
大塚さんたちは牛のことを話す時、愛情と敬意を示して「牛さん」と言っています。「社長や場長から、私たちは牛さんのおかげでお給料をもらいご飯を食べられるのだから、感謝しなさいと言われているんです」
大塚さんが最もうれしい時は、自分が担当した牛が病気をせず元気に大きくなって、次の牛舎に移っていく時。担当している牛は、一頭一頭外見で見分けがつくといいます。「牛さんたちは、愛情を注げば返してくれます。だから仕事を続けていられるのだと思います。牛さんたちに『大塚の牛舎に来てよかった』『大塚が喜ぶ牛になってやろう』と思ってもらえたらいいですね。そのために、日々自分の技術を高めようと思っています」
後輩の指導も精力的に。
会社になくてはならない存在に!
現在は、場内でのさまざまな作業をこなし、「もっと精度を上げて、会社になくてはならない存在に」と意気込む大塚さん。リーダーとして後輩の指導も行っています。「自分が覚えてやってきた仕事も、いざ人に伝えるとなると難しいですね。牛さんの命を預かる仕事ですから、間違って伝わってしまうと事故につながるので、慎重に言葉を選ばなければなりません」
大塚さんが尊敬し、目標にしているのは、上司である場長。入社時から仕事のことや人生について相談し、的確に時には厳しく指導してくれたといいます。「そのおかげで自分が成長できたと感じていますし、私もそういう人になりたいと思っています」
シゴトのフカボリ
畜産・酪農家の一日
7:00
全体朝礼で1日の作業を確認
分担に沿って、牛の状態を踏まえ作業を確認
7:10
担当牛舎の朝の餌やり、見回り
調子の悪い牛は、獣医の指導のもと治療
8:00
育成牛舎全体のトラクターでの給餌作業
9:30
素牛課の全体作業(除糞、移動など)
12:00
昼休み(休憩室で雑談しながら)
13:00
担当牛舎の昼の餌やり、見回り
13:20
全体作業の続き
16:00
担当牛舎の夕方の餌やり、見回り
16:30
初生牛導入
体重測定、ビタミン剤・ワクチン接種
17:00
全体夕礼で翌日の作業や注意点を確認
17:10
退勤
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
牛さんの履歴書・管理ノート
牛さんの観察の状況や、注意が必要な子について情報を記録し、部署のメンバーや夜勤部門のスタッフと共有する欠かせないノートです。個体識別番号と共に、どんな治療を行ったかを記録しています。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

牛さんたちが元気で大きくなってくれるよう、愛情と感謝の気持ちを持って接しています。みんながそうやって接していると、牛さんたちも人に懐いてくれるんですよ。

お仕事データ

肉や乳製品、卵を生産。
畜産・酪農家
畜産・酪農家とは
牛や豚、鶏、羊などを育て、
人の命をつなぐ生産物を!

畜産・酪農家は牛や豚、鶏、羊といった家畜を育て、乳製品や肉、卵、皮革などを生産する仕事。肉牛や豚、鶏を飼養して畜産物(肉・卵など)を生産するのが畜産農家、乳牛を育てて牛乳や乳製品をつくるのが酪農家と大別されます。畜産農家は主に飼養する家畜の餌やりや体調管理、畜舎の清掃、理想の肉質に向けて太らせる作業などを行います。酪農家は乳牛のお世話に加え、搾乳、繁殖(生乳を出すために出産させる)、牧草の栽培などが主な役割。最近は乳牛と肉牛を飼育する「乳肉一貫複合経営」も増えているようです。

畜産・酪農家に向いてる人って?
動物が好きであることに加え、
家畜と根気強く向き合える人。

畜産・酪農家は牛や豚、鶏、羊などと毎日ふれ合う仕事。動物が好きな人には向いているでしょう。一方、力仕事が多かったり、家畜を病気やストレスから守るために日々チェックを欠かせなかったり、大変な作業も少なくありません。そのため、仕事に根気強く向き合う姿勢も求められます。生き物を相手にすることから、勤務時間や休みが不規則なケースが多いという覚悟も必要です。

畜産・酪農家になるためには

畜産・酪農家になるために必要な資格や学歴はありません。一般的には農業・畜産系の学科やコースを置く専門学校・短大・大学に進学し、知識や技術を習得する人が多いようです。また、家業を継ぐ他、中学・高校卒業後に牧場に就職し、餌やりや牧草づくり、農機具の扱い方などを現場で学ぶこともできます。畜産・酪農家として新規参入するには大きな資金や経営スキルが必要なため、まずは牧場で経験を積むのが第一歩でしょう。

ワンポイントアドバイス
担い手をサポートする自治体が増え、
牧場の労働環境も改善傾向に!

畜産・酪農家の戸数は減少傾向にある一方、日本の食糧を支えるために不可欠な仕事。そのため、担い手を呼び込むための誘致や支援、就農サポートを行う自治体も増えています。また、畜産・酪農家は休みなく働くイメージでしたが、最近は搾乳や餌やりをサポートする酪農ヘルパーを活用したり、牧草の収穫などを外部に委託するコントラクターを活用したり、労働環境の改善に力を入れている牧場も多いようです。