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岩井 裕佳さん
インタビュー公開日:2019.11.13

難病患者さんの支援から感染予防まで
地域で安心して暮らせる環境を支える
十勝総合振興局にある道立の帯広保健所が、岩井裕佳さんの初任地でした。道立保健所は、政令指定都市や中核都市の保健所や市町村の保健担当課と連携しつつ、地域の保健行政に関する相談・指導も行う組織です。
「私は健康推進課という部署に所属し、主に難病の患者さん、精神障がいのある方、結核など感染症の患者さんの個別支援を担当。家庭訪問を実施し、療養に関する困りごと相談や健康相談を受けるとともに、必要に応じて医療機関、地域包括支援センターなどと連携してサポートを行っていました」
そのほか、たとえばノロウィルスなどの感染症が流行すれば調査を行い、感染拡大を防ぐ保健指導なども、担当していたそうです。
「難病の患者さんを支援されている方々向けに、専門知識を深めていただくための研修会を企画したり、不安を抱えるご家族の精神的な支援なども大切な仕事でした」
さまざまな方が、地域で安心して暮らせるように。それを支えることが、道立保健所の大きな役割なのだと教えてくれました。
ブログでほめてくれた担当患者さん
認められたうれしさをかみしめた日
進行とともに、さまざまな症状が現れ、生活に困難を生じていく難病などでは、その状態を正確に把握することが大切になります。そこで、本人とともに主治医のもとを訪ね、気になる点を話して連携する、といったこともあるそうです。
「入庁2年目の頃、重症化が進んでいく病気の患者さんを担当しました。早い段階から信頼関係をつくり、そうした支援を行った方が良いと考え、積極的に訪問。ただ、まだ経験も浅いなか、自分の接し方、アプローチの方法に自信が持てず、迷ってしまって…」
上司や先輩保健師に日々、相談しながら、必死に考え、訪問を続けて1年。思わぬサプライズが待っていました。
「その方が始めたブログのなかで、〝若いけれど、頼りになる保健師さんが来てくれている〟と私のことを書いてくれているのを見つけて。面と向かってはおっしゃらないのですが、なんとも言えず、うれしかったですね」
心を開いてもらうことが、支援には何よりも大切。その一歩を築けたと実感できた。ほめられたこと以上に、認められたことがうれしかったと、笑顔を見せる岩井さんです。
看護師の実習で見つけた保健師の道
いろいろな地域で働きたいと道庁へ
幼い頃から看護師に憧れていたという岩井さん。中学校を卒業すると地元を離れ、5年間の一貫教育で看護師を目指せる道立の高校へと進学。ただ、実習で訪れた養護学校で、思いががらりと変わったのだそうです。
「看護の実習として知的障がいのあるお子さんを担当したのですが、そのお母さんが、育児に疲れ切っているようすがとても気になって……。病気や障がいはなくても、地域にはさまざまな支援が必要な方がいるということが、実感として理解できたんです」
医療的な支援を行う看護師としてだけでなく、もっと広く人と関わる保健師として活躍したい。そう考えるようになり、北海道立衛生学院(当時)で学び、資格を取得した岩井さん。
「道内各地、いろいろな地域に行って保健師として働きたいと考えたことが、北海道庁を選んだ理由。帯広市、江差町、旭川市で勤務してきましたが、その後も付き合いが続く友人が各地にできましたね」
見知らぬ地域に行き、その土地の地域性を感じることも楽しかったと話します。
道立保健所の保健活動を推進
スケールの大きな業務に意欲
2019年4月から岩井さんは、本庁の保健福祉部地域医療推進局医務薬務課という部署の所属になりました。
「各地域にある道立保健所の活動が、より活発に、質の高いものとなるように推進するのが、今の私の仕事。前年度まで業務を行っていた保健所が活動しやすいように考えていくことが大切だと思っています」
道立保健所の保健師さんの資質向上を図る研修を企画・開催したり、保健師を確保するための取り組みなども実施します。岩井さんも保健師養成校の就職説明会に出向き、仕事内容や道職員として働く魅力などを伝えているそうです。
「保健活動の推進や看護連携体制を整えていくための知識、情報共有を目的とした全道規模の会議なども担当。実践報告等を通して、すぐれた仕組みづくりを広めていく、といった役割も担っています」
北海道職員ならではのスケールの大きな業務に、岩井さんは意欲を燃やしています。
〝鳥の目、虫の目〟で地域の課題を捉えつつ
保健活動の施策づくりも貢献したい
保健師の世界には、〝鳥の目と虫の目〟という言葉があるそうです。全体を広く俯瞰して捉える視点と、近くで一つ一つを細かく見る視点。その両方がなければいけない、という意味です。
「様々な保健所で地域の方々と直接関わり、一人ひとりの相談に耳を傾け、地域の状況を把握しながら活動してきました。この経験を活かして、今は、さらに広い視野で地域の課題を捉え、より良い保健活動のための施策づくりにも貢献したいというのが、私の目標です」 
保健所の先には、地域の人たちがいるという意識を常に持ち、そのニーズに応えることで、個別支援から地域支援につなげる。岩井さんの思いも、広がっていきます。保健師はまた、自然災害などの発生時に、避難所の人たちの健康状態、生活状況を調査して環境の改善、感染症の予防活動を行うという大切な役割も担っているそうです。
「道内・道外に関わらず要請を受けて活動を行うこともあります。保健師の役割の幅広さもぜひ、知って欲しいですね」
岩井さんは静かに、けれども熱く仕事の魅力を語ってくれました。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

地域で暮らす方々の力になりたいというのが、保健師になった時の思い。保健所の仕事で多くの方と出会い、個別支援を通して自分自身も成長できましたし、赴任地で生まれた人とのつながりが、大切な財産になっています。

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
血圧計と聴診器
血圧計と聴診器は、保健師の必須アイテム。いつも訪問カバンに入っています。感染症の対策では、拡大予防を図るために必要な行動などをまとめたパンフレットを持って出かけ、説明を行います。
インターンシップ 職業講話

北海道庁

北海道における政策立案、各種施策や事業の企画・実施などを行っています。

住所
北海道札幌市中央区北3条西6丁目
URL
http://www.pref.hokkaido.lg.jp

お仕事データ

病気予防や健康管理を指導!
保健師
保健師とは
地域住民の健康を支える、
社会的役割の大きな仕事。

保健師は、地域住民の病気予防や健康管理について指導を行う仕事。乳幼児から高齢者まで幅広い世代と接し、健康増進や生活の質の向上をサポートします。病気の治療を支える看護師とは異なり、病気になる可能性がある人に、食事や運動などの生活指導をはじめ、健康づくりのアドバイスを送ります。また、感染症発生時や災害時の住民の健康管理も行うほか、虐待の疑いのある家庭や認知症高齢者の家庭を訪問して相談に乗るなど、社会で果たす役割も大きい仕事です。保健師には、保健所や保健センター、企業、病院、学校など幅広い活躍の場が広がっています。

保健師に向いてる人って?
誰かの役に立ちたいという思いを
モチベーションにできる人。

保健師は健康の指導や助言を行う業務がメインなので、相手の話をしっかり聞いた上でコミュニケーションできる人に向いている仕事。多くの人の健康を陰ながら支えることから、誰かの役に立ちたいという思いをモチベーションにすることも大切です。何より、まず自分自身が健康生活のお手本とならなければなりません。規則正しい生活を送り、心身ともに健康であることも求められます。 

保健師になるためには

保健師になるには、国家資格の「看護師免許」と「保健師免許」が必要。一般的には看護師養成学校の卒業後に看護師免許を取得し、保健師養成学校に通って保健師免許の取得を目指します。ただし、最近では看護師と保健師の国家試験ダブル受験&合格を目指せる大学や専門学校も増加中です。また、行政が管轄する保健所や保健センターなどで働く場合、さらに国家公務員試験や地方公務員試験に合格する必要があります。

ワンポイントアドバイス
国際的に活動する保健師も。
今後は介護分野のニーズに期待。

保健師の就職先は保健センターや役所、企業が多いようですが、ほかにも診療所や訪問看護ステーション、介護施設、場合によっては国際的に活動する「JICA(ジャイカ)」に所属するなど活躍の場は多種多彩。今後は高齢化を背景にますます介護保険へ重点が置かれるといわれていることから、とりわけ介護分野でのニーズが高まると予想されています。

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