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岡井 奨悟さん
インタビュー公開日:2017.10.23

子どものころから憧れた消防士。
人を助ける姿を見て改めて決意!
かっこいい防火服に身を包み、火災や災害の現場から人々を助ける消防士。今も昔も、男の子の憧れの職業です。岡井奨悟さんも、消防士に憧れる少年の1人だったそう。小・中学校時代にあった職業体験では、迷わず消防士を選択。いつしか、現実的な将来の目標へと変わっていきました。さらに学生時代にはこんなエピソードも。
「道で転倒したおばあちゃんを助けた時のこと。通報に応じて救急隊員が駆けつけてくれたのですが、即座に状況を判断し速やかに行動するというプロの仕事ぶりを間近で見て、改めて感銘を受けたんです。人を絶対に助けるという使命感にあふれた姿が心底かっこいい!と感じ、消防士の試験を受けることにしました」
半年間の訓練を経て、消防署へ。
2週間後に火災の現場を経験。
試験に合格して晴れて消防士として採用されると、半年間は北海道消防学校で基本的な訓練を受けます。学校を卒業した岡井さんは、消防署に配属されて2週間後、初めての火災現場に出動しました。
「実際の現場と訓練の場は全く違うので、これまで習得したことを実践しても、すぐにうまくいくわけではありません。とにかく上司の指示のもと、無我夢中で消火にあたりました」
火を消し止めた後も、熱感知器を使って完全に消火できたか確認したり、燃えた後の物を処理したりと、安全がしっかり確保されるまでは現場から引き揚げることはできません。
その時も作業がすべて終わるのに、4〜5時間以上かかったと、岡井さんはいいます。
現場の素早い対応のため日々訓練。
防災活動や点検も大切な仕事です。
一般的に消防士は、朝から翌朝までの24時間勤務。ですから勤務日は週3回ほどになります。またその仕事内容も消防や救急の出動だけではありません。
「消火活動のための機材や車両はたくさんの種類があり、それぞれの現場に応じて素早く適確に使えるようにするために、日常的に訓練を繰り返し行っています。また、学校や保育所、企業などで行う消防訓練に出向くこともあります」
岩見沢では火災はそれほど多くありませんが、空気が乾燥する秋口や春、毎日ストーブを使う冬は比較的件数が増えるので、緊張感が高まる時期です。
地域の消火栓の点検も、常に巡回して丁寧に行っています。
さまざまな人と接する仕事。
できるようになる努力も必要!
消防士に向いているのは、人と接するのが好きな人という岡井さん。「現場では、赤ちゃんから高齢者までさまざまな人と接します。一人ひとり、不快感を与えない接し方をするよういつも気を付けています」
また、もう一つのポイントは、努力を続けられる人だとか。
「消防士になる前は、こんなにたくさんの知識や技術が必要だなんて思っていませんでした。だから最初のころは、できないことや分からないことばかりで落ち込んでばかり。でも、分からなければ分かるようになればいいんだ!気持ちを切り替えて頑張ることにしました」
自分で調べて、それでも分からなければ上司に聞く。それを繰り返してできることを増やし、不安を解消していったといいます。
人を助けることが一番の喜び。
仲間と協力して人を救いたい!
岡井さんが仕事をする上で、喜びや感動を感じるのはどんな時?
「やはり人を救助することができた時や、現場で火災の広がりを防ぐことができた時ですね。この仕事に就いてよかったと思う瞬間でもあります」
さらに、消防訓練で学校や幼稚園などに赴いた時、子どもたちから『ありがとう』と言ってもらえることも嬉しさを感じるとか。
人の役に立つ使命感に満ちあふれ、やりがいを感じている岡井さん。さらに、経験を重ねていくと後輩の指導をする立場になるため、ますます意欲を燃やしています。
「もっと勉強して知識や経験を積んで後輩にも伝え、みんなで協力してたくさんの人を救っていきたいです!」
シゴトのフカボリ
消防士の一日
8:00
出勤、着替え
8:30
前日の勤務の人からの引き継ぎ
8:45
車両の出動点検
サイレン、出水口などを細かくチェック
9:15
事務作業
各種届出書類などの作成
11:30
昼休憩
一般の人の食事時は出動が多いため時間をずらして休憩を取る
署で炊事ができるため作る場合もある
12:30
現場を想定した訓練
17:30
夕食休憩
18:30
残りの事務作業、トレーニングなど
0:00
交代で1~2時間ずつ仮眠を取る
6:00
起床
清掃、洗車
8:00
車両と通信指令先の無線の点検
8:45
勤務時間終了、着替えなど
9:00
退勤
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

まずは夢を持ちましょう!私も、消防士になることは夢から始まりました。夢を目標に切り替えることで行動を起こして近づき、結果につなげることができたのです。

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
出動の際は、活動服と防火衣で
活動服とボンベを合わせると約20㎏にもなります。火に強く、交通事故でも切れないくらい丈夫な素材でできています。いつでもサッと着て出られる状態で置いておきます。

岩見沢消防署北支署

岩見沢市と月形町をカバーし、消防本部と岩見沢署のほかに3支署4出張所を持つ岩見沢消防署。北支署は、旧北村地区を中心に担当しています。

住所
北海道岩見沢市北村赤川586-2
TEL
0126-22-4300(岩見沢消防署)
URL
https://iwamizawa119.jp/index.php

お仕事データ

地域住民の安全を守る!
消防士
消防士とは
消火や救急など4つの活動で、
人々の安全を守る!

主な活動は「消火」「救助」「救急」「予防」に分けられます。消火はよく知られているように火災現場の出火を食い止める仕事。救助は火災や交通事故、水難事故などから人命を救助します。救急は119番通報を受け、ケガ人や急病人の応急処置を行いながら適切な医療機関に搬送すること。その際に1名は救急救命士の資格を持っているのが一般的です。火災や災害が発生しないよう、建物の安全性チェックや消防設備の審査・検査・指導などを実施するのが予防。ほかにもデスクワークや火災調査なども行います。

消防士に向いてる人って?
強い正義感と責任感が必要。

「地域住民の安全を守りたい」、「ケガ人の命を守りたい」。このように強い正義感と責任感を持っている人は消防士にピッタリ。多くの人が動揺している事故や火災の現場において、冷静な判断で行動できる力も必要です。「まず自分の命を守る」が第一なので、危険を顧みずにアクションしてしまう人はNG!

消防士になるためには

消防士は地方公務員。まず各自治体が実施する消防官採用試験に合格し、消防学校で約半年の研修を受ける必要があります。試験はI類が大卒程度、II類が短大卒程度、III類が高卒程度と学力に応じて分けられています。一部には消防士の採用試験対策に重点を置いた「消防官コース」などが設けられている専門学校も。

※消防士になるには身長や体重などの制限が設けられています。詳しくは各自治体のホームページをご確認ください。

ワンポイントアドバイス
都市部を中心に女性消防士の活躍も!

消防士は強靭な体力が必要なことから、これまでは男性職のイメージ。けれど、最近では都市部を中心に女性枠を設ける自治体も徐々に増えています。避難訓練の指導や広報などのデスクワークが中心ですが、熱意や体力次第では消火活動に加わることも可能です。