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山田 詩織さん
インタビュー公開日:2020.11.04

自身も毎日製造に携わりながら
マシーンも人も管理するお仕事
札幌市東区にあるアイビック食品株式会社は、タレや出汁、スープなど、業務用の調味料・食品を製造するメーカー。釣り具・レジャー商品の商社としてスタートしてから、100年を迎える老舗企業です。ここで製造スタッフとして勤務しているのが、山田詩織さんです。「弊社では、約3,000種類のタレやソースを製造しています。私もタレ詰めを行う自動充填マシーンを操作したり、人手の足りないところに回るなどして毎日作業をしています。機械化が進んだとは言え、製造する商品によって都度操作が必要。まだまだ人の力が重要なんです」と山田さん。
共に働くパートさんをまとめるのも、彼女の業務のひとつ。「年上の方が多いんですけど、みなさん本当に優しくて面白い人ばかりで(笑)。私もパート出身なので、皆さんに協力してもらいながら、スムーズに業務を行えています。」
パートから正社員へキャリアアップ
女性がもっと活躍できる環境を目指して
山田さんは、専門学校でイラストや印刷物のデザインを専攻。当然その道に進むかと思いきや、食品メーカーへ。「専門学校は、自分のスキルとして身に付けたくて学んだ感じですね。こと仕事となると、自宅から近かったからというのが一番の理由です(笑)」。また、「分からないことほどやってみたい!」というチャレンジ精神も応募動機のひとつだったとか。
山田さんはパート入社から準社員を経て、2020年10月には製造部初の女性正社員となりました。「“製造部初の”と言われると、ちょっとプレッシャーが…。工場は、まだまだ男性メインの力仕事も多いですが、それを補うマシーンもどんどん開発されてきているので、これから女性がもっと働きやすい環境を作れたらいいなって思っています」
教わったことが上手くできない
最初は悔しい経験も
今では皆から期待される存在の山田さんですが、入社時は新たな世界に悪戦苦闘。「ラインに流れてくる瓶に、テンポ良くキャップを締めていく作業が苦手で。次の工程にも響くので、スピード感を持って確実にやらなければならないのですが、全然出来なくて。先輩たちに教えてもらったことが上手く出来ないのが、もどかしくて何よりも悔しかったです。」
そんな山田さんも入社から5年。さすがにラインでの作業はもうお手のもの?「みんなに助けてもらって克服しました。工場にはさまざまな作業があるので、出来ることが一つひとつ増えていくと達成感がありますし、やり甲斐も感じられる。そんな職場です。」
食品製造は衛生管理が大切
自ら行動していたら社内表彰に
製造業で重要とされる、整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)の頭文字を取った“5S活動”にも山田さんは積極的に取り組んでいます。「元々気になる性分というか、キチッと整理整頓しておきたくて。自身の作業スペースはもちろんですけど、担当外のポジションでも『これはここに必要なの?』と声掛けしながら、気づいたら体が動いちゃってました」と山田さん。同社では社員・パートを問わず、模範的な行動や取り組みを行うスタッフを表彰する制度があり、山田さんは5S活動を通して優秀賞を何度も受賞されているそう。「やってきたことが評価されるのは嬉しいですし、いい取り組みって自然と浸透していくんですよね。少しでもお手本になれていたら良いなと思います」
製造工程をより分かりやすく!
女性ならでは視点で業務を改善
工場と事務所を行き来しながら、山田さんは現在、他部署と連携した業務改善考案や製造工程資料の作成などに力を入れています。「少し前までは文章による資料が多かったのですが、画像を追加するなどしてイメージしやすい資料作りを心がけています」
これが皆から大好評。専門学校で得たスキルがここに生かされているようで、上司の方からは『資料作りが見やすくて本当に上手なんですよ』と太鼓判。「パートの皆さんにも『凄いじゃん』『分かりやすい』と言ってもらえて嬉しかったです」と山田さん。
最後に今後の目標を聞くと、「トラブルはない方がいいに越したことはないですが、今は出来るだけ多くのマシーントラブルに立会いたいなと思っています。分からないことを減らして、何でも対応できる頼られる社員になりたいです。」
シゴトのフカボリ
製造スタッフの一日
8:30
出勤、社員朝礼
8:45
全社員10分清掃
9:00
部署朝礼 製造業務、製造ヘルプ
11:00
昼休み
12:00
製造業務
17:00
翌日の準備、事務作業 資料作成
17:30
退勤
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

何事にも興味を持って、前向きに取り組む姿勢が大切。自分の身にもなりますし、頑張る姿は周りからの評価や、自然と良い影響を与えることにも繋がります。

アイビック食品株式会社

北海道の素材を生かした、業務用のタレやスープを製造する食品メーカー。飲食店・小売店・大型店・ネット販売などのドレッシング、鍋のたれ、パスタソース・ラーメンたれなどOEM(相手先ブランド製品)を手掛けています。自社開発のオリジナル商品も人気です。

住所
北海道札幌市東区苗穂町13丁目1-15
TEL
011-788-7711
URL
http://ibic.info/

お仕事データ

多くの人においしさを!
食品製造スタッフ
食品製造スタッフとは
食材の下処理や加熱、調理を行い、
たくさんの「ウマい」をつくる!

食品メーカーをはじめとする企業の工場で、お弁当やお菓子、パン、水産加工品、麺などの食品を手がけるのが食品製造スタッフ。大規模な工場では機械化が進み、食材の洗浄や下処理、加熱、調味、包装など工程ごとに生産ラインを分けて作業を行っています。食品の種類や工場によっては手作業を大切にする企業もあり、職人のようにパンやスイーツをつくる食品製造スタッフも少なくありません。家庭の食卓でよく見かける商品を手がけるケースでは、広くおいしさを届けられるやりがいが感じられます。

食品製造スタッフに向いてる人って?
コツコツ型で衛生面にも気を配れる、
「食」が好きな人。

食品製造スタッフは、当然のことながら「食」が好きな人に向いている仕事です。機械や調理器具などをきれいに洗浄したり、自らの身だしなみを徹底的に整えたりしなければならないため、衛生面に最大限の気遣いができることも必要です。また、製造の際には正確な作業を繰り返さなければならないため、いわゆる「コツコツ型」にも面白い仕事に映るでしょう。

食品製造スタッフになるためには

食品製造スタッフになるために必要な資格や学歴はありません。高校や専門学校、短大・大学卒業後、食品メーカーなどの採用試験を受けて、合格するのが一般的なルートです。未経験からチャレンジできる職場も多く、アルバイトやパートスタッフとして働いて、正社員登用の道のりを歩む人も少なくありません。ある程度経験を積むことで部門のリーダーや工場長へのステップアップも可能です。

ワンポイントアドバイス
気温や湿度、食材の品質など、
日々の変化によって小さな工夫を。

現在では機械化された工場が多いものの、やはり人の「感覚」もおいしさを左右する大きな要因の一つです。その日の気温や湿度を肌で感じて投入する水の量を調整したり、食材の品質を見極めて加熱時間を変えたり、一定のクオリティを届けるためには小さな工夫が必要。食品製造スタッフの仕事は一見すると単調な作業に思えますが、日々変化を感じながら働けるのです。

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