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佐々木 柚子葉さん
インタビュー公開日:2024.11.14

小さい頃から知っているお菓子屋さん。
店のアピールを欠かさない入社2年目。
見た目は、小さなパンケーキ? 口に入れると、ふわふわでなめらか、そして香りたつチーズの濃厚な味わい。1998年に函館で開業したペイストリー『スナッフルス』の「チーズオムレット」です。今では、北海道を代表するお菓子の一つとなっています。2010年には札幌市内に店舗ができ、気軽にそのおいしさを楽しめるようになりました。佐々木柚子葉さんが勤務するのはこのお店、さっぽろ清田店です。
「チーズオムレットはもちろん、各種焼き菓子、ケーキなど、広い店舗に数多くの商品を揃えて、お客さまをお待ちしています。カフェを併設しているのが特徴。もちろん、大人気のミルクレープ フリュイもありますよ!」
笑顔全開の佐々木さんは入社2年目。小柄できゃしゃな印象ですが、エネルギーに満ち溢れ、心から仕事を楽しんでいる様子がうかがえます。
「札幌・清田区は私の地元。小学校の頃にこのお店がオープンしたので、ずっと知っていました。知っているだけではなく、母に連れられてチーズオムレットや、お土産用のお菓子を買いにきていたんです」
ちょっと懐かしそうに話す佐々木さん。この店舗で働くことになったのは、〝なじみのお店〟だったこと、そして一緒に訪れていたお母さんの影響も大きかったと話します。
お母さんの影響もありお菓子の道へ。
つくるより接客の楽しさに惹かれて。
佐々木さんのお母さんは、北海道発の和食レストランで店長を務めています。もともとパティシェに憧れていたそうで、日頃からよく、家でお菓子をつくっていました。佐々木さんも自然と手伝うようになり、お菓子づくりにおもしろみを感じるようになっていったそう。
「私はシフォンケーキをつくるのが好きだったので、高校時代のバレンタインに、友人にプレゼントしたんですね。すると、〝おいしい! お店、出した方がいいんじゃない?〟と真顔で言ってくれて。おいしいといわれるのが、こんなにうれしいんだと実感した瞬間でした」
それまでは、小さい頃からの憧れだったホテルの仕事を目指そうと思っていた佐々木さん。大きく方向転換し、お菓子づくりの世界に進むことを決意します。
「高校を卒業して製菓の専門学校に入り、インターンシップに参加したのが今の店舗でした。1年生の時は厨房を見せていただきましたが、2年生では販売を経験しました。高校時代から飲食店でアルバイトをするなかで、接客にも楽しさを感じていたんですね」
パティシエになりたい気持ちもありましたが、黙々とお菓子をつくるより、好きなお菓子をお客さんとしゃべりながら売ることも楽しいのではないかと気づいたのだそうです。
店舗での販売、カフェの接客も担当。
お菓子の魅力を伝えることが仕事。
お菓子は扱うけれど、つくる側ではなく、販売する側へ。やりたいことが見つかった佐々木さんは、インターンで感じたスタッフの仲の良さ、先輩のやさしさにも惹かれ、同店の求人に迷うことなく応募。今に至ります。
「私は現在、お菓子売り場とカウンター業務全般、を担当しています。商品では焼き菓子を担当しつつ、お客さまが選んだケーキを出したり、レジ業務を行ったり、店舗の在庫管理・商品の発注も行っています」
その合間に、カフェスペースでの接客、ドリンクづくり、配膳・片付け、店内の清掃なども随時、進めていきます。お客さんと関わりながら店頭業務全般に携われることは、忙しくも楽しいと話す佐々木さんですが、お菓子をつくりたいと思うことはないのでしょうか。
「インターンで厨房に入っており、基本的な技術があることは知れているので、忙しい時には焼き菓子の上司から〝手伝ってよ〟と冗談混じりに言われますが、やんわりと断っています(笑)。つくるのは今も好きですが、仕事となると、片手間ではできませんから」
入社時には、すべてのお菓子を味見するといい、特徴などをインプットして提案することが、今の自分の大事な役割と佐々木さん。仕事への思いが感じられます。
お客さんの要望に応えて商品を提案。
会話を通してニーズに応えていく。
「チーズオムレットにケーキに、焼き菓子。店頭には商品がきれいにディスプレイされていますが、それらをただ販売するだけでなく、お客さまからのご相談、ご要望をうかがい、それに合った商品をご提案させていただくことも当店では多いですね」
内祝いを贈りたい、記念日のプレゼントにしたい、予算に合わせたセットをつくってほしい。たとえば、そういった要望にも、柔軟に応えています。お相手はどんな方ですか、何名くらいのご家族ですか、好き嫌いはありますか。しっかりと会話したうえで、ニーズに応えられる商品の提案を行っていくのだそうです。
「同じご予算でも、差し上げる相手が少人数なら食べ切れるように単価の高い商品を少しだけにするとか、コーヒーを飲まない方なら代わりに紅茶をセットする、また、甘すぎるものは好まない、チーズが苦手……といった贈る相手のことを聞いて、お勧めする商品を選ぶこともあります」
2年目に入り、こうした対応も任されるなか、当初は難しさも感じたそうですが、いい意味でお客さんのわがままに寄り添うからこそかけてもらえる〝ありがとう〟〝またくるね〟という言葉に、仕事のやりがいを強く感じるのだと話します。
それぞれが自分なりの接客を実践。
「AI」にはできない対応がある!
佐々木さんの店舗では、スタッフそれぞれが個性を発揮しながら接客に取り組める自由度が大きいのだそうです。
「上司にも、マニュアル的な接客ではなく、自分なりにお客さまと向き合うことを大切にするように言われます。確かにそこに、私たちが店舗に立つ意味があるんですね」
今流行りのAIには決してできない接客。それを強く意識していると話します。そんな佐々木さんのスタイルは、堅苦しくなく、極端にいえば友達に語りかけるようイメージで接すること、そうすると、お客さんも打ち解けて、気軽に話しかけてくれるようになるのだとか。
「こんな商品があるといいな。お客さまのそうした声をキャッチすると、すぐに上司に伝えるんです。パッケージなどを提案し、OKが出れば販売もできますし、評判になったりするとうれしいですね。お客さまの声を直接聞けるのは、店頭での接客ならでは。求められているものに、いち早く応えていきたいですね」
売れ行きの鈍い商品があればラッピングを変えたり、他の商品と組み合わせたり。そうすることで売上につなげる工夫を「ぐいぐい進めています(笑)」と佐々木さん。自分が大好きなお菓子の魅力を伝え、お客さんに喜んでもらうため、今日も店頭で工夫を凝らす佐々木さんです。
シゴトのフカボリ
接客・販売(お菓子の販売)の一日
10:45
出勤。店舗の状況確認や、引き継ぎ伝言の確認などを行い、店舗で接客スタート
13:30
昼食・休憩
14:30
店舗での接客、カフェの対応、在庫確認・発注など
19:00
閉店、帰宅
※遅番の日の1日です。接客や翌日の準備で若干、残業になる場合もあります

シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

ホテルでロボットがチェックインを受けたり、配膳が自動で行われたり、サービス業の世界でもAIが応用されるようになっていますが、お客さまの思いに沿った接客はできないはず。私が日々、大切にしていることです。

有限会社ペシェ・ミニョン(函館洋菓子スナッフルス)

1992年、函館で設立。手づくりと厳選した素材にこだわったお菓子を製造・販売。看板商品の「チーズオムレット」は、函館土産の定番となっています。

住所
(本社)北海道函館市高丘町178-1
TEL
0138-59-6660
URL
https://www.snaffles.jp

お仕事データ

おいしさを笑顔でお届け!
食品販売スタッフ
食品販売スタッフとは
お弁当やスイーツ、お惣菜など、
身近なおいしさを提供。

デリやデパ地下の惣菜店、パン屋といった食品を扱うお店で、お弁当やスイーツ、パン、軽食などを提供するのが食品販売スタッフ。接客や会計に加え、商品の包装や補充、陳列、盛り付け、掃除といったさまざまな業務を担当します。いずれのお店でも衛生管理が何より大切なことから、身だしなみをきちんと整えた上で手洗いやアルコール殺菌などを徹底。お客様の「おいしい笑顔」を生み出しています。

食品販売スタッフに向いてる人って?
食べることが大好きで、
人と接するのが得意なタイプ。

食品販売スタッフとして働く人には、「とにかく食べることが好き」というタイプが多いようです。仕事の大部分を占めるのが接客なので、人と話すことが得意な性格も向いているといえるでしょう。また、お客様の好みや味わうシーンに合わせて商品をオススメする力も求められます。衛生管理が厳しいことから、キレイ好き・掃除好きな人も重宝されるはずです。

食品販売スタッフになるためには

食品販売スタッフの仕事は比較的シンプル。必要なスキルや資格は特にないため、未経験からでもチャレンジできます。高校卒業後に店舗で働くほか、食品系について学べる大学や短大、専門学校を卒業して就職するルートもあります。この分野でキャリアアップを目指す場合は、食品衛生責任者講習を修了しておくとスムーズでしょう。

ワンポイントアドバイス
商品のおいしさを
いかに伝えるかも腕の見せどころ!

デリやパン屋には試食ができる商品もありますが、そうではない場合のおいしさを伝えるのも食品販売スタッフの腕の見せどころ。「ちょっとしたプレゼントに」「お子様のおやつに」など、具体的な提案をすることで販売につながることも多いようです。また、商品知識をしっかりと把握することで、「パンの生地に抹茶を練り込んでいます」といった説明が説得力となり、お店の売上に貢献することもできます。

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