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番組ディレクター_三ツ谷 怜奈さん
インタビュー公開日:2026.07.03

部活動の様子を紹介する5分番組。
青春の熱気を感じ、自分自身も元気に!
体育館で、グラウンドで、走って・蹴って・飛んで・投げて。道場には、気合いのこもった声。そうした躍動感とは対照的な、静かで洗練されたお茶のお点前、息をこめて筆を走らせる書道、木管・金管楽器のハーモニー…。その舞台は高校。生徒たちの自然体の姿が映像からあふれます。部活動を紹介する「青春!ハイスクール」という番組です。
「5分間という枠のなか、流行りの音楽をBGMに、カッコよく、ミュージックビデオのように部活の様子を紹介しています。おかげさまで、『ウチも取り上げて欲しい』というリクエストもいただくようになりました」
そう話すのは、ニューメディア函館センターの三ツ谷怜奈さん。同番組は、株式会社ニューメディア(※)が制作するオリジナル番組で、三ツ谷さんは取材から編集までを一人で担当しています。所属は、コンテンツ制作課という部署で、ディレクターとして同社が提供するケーブルテレビの番組制作や中継業務を行う仕事です。
「生徒たちの頑張る姿を伝え、応援したいという思いでカメラを携えて部活の現場を訪ねています。撮影は2、3時間ほどですが、文字どおり『青春』の熱気がいっぱいです!」
生徒たちはみんな、キラキラしているし、自分もこういう時期があったと思い返し、元気になるのだと三ツ谷さん。クールな印象ですが、いつの間にか、その目もキラキラしています。
※ニューメディア函館センター:株式会社ニューメディア(本社・山形県、略称・NCV)の拠点の一つで、ほかに福島市、新潟市にセンターがある。
取材対象も視聴者も地元の人たち。
お祭りやスポーツ大会をフル中継。
ケーブルテレビやインターネットサービスの提供、放送システムの開発、そして三ツ谷さんが担当する番組の制作。これらが、『ニューメディア函館センター』の業務内容です。
「私は、『青春!ハイスクール』のほか、道南の食材を使った料理を紹介する『はこだてごはん』、函館山に登って季節の情報を伝える『山さんぽ』という番組を担当。そのほかに中継番組もあり、レギュラーの制作と重なると、ちょっと忙しくなりますね」
花火とパレードで盛り上がる8月の函館港まつりをはじめ、地域のイベント、運動会、高体連の競技などを中継で配信しているのだそうです。大きなお祭りは地上波でも取り上げられますが、ほとんどがニュース扱い。それに対して同社では、フルで中継を行います。ケーブルテレビならではといえそうです。
「中継では地元の方にインタビューしますし、『孫が出るから』とテレビにかじりついて観てくれる方もいます。取材対象も視聴者も、同じ地域で暮らす身近な人たち。いろいろな反響もいただけますし、それがうれしいですね」
つい、話に熱がこもる三ツ谷さん。その落ち着きぶりからベテランの風格も漂いますが、まだ入社4年目。取材、撮影、編集を経て番組を完成させるだけでなく、番組のPRまで一人で担う。これもケーブルテレビでは、当たり前なのだそうです。
自社サービスの営業活動からスタート。
人と向き合った経験が今の仕事に生きる。
もともと、映像制作に興味があり、高校時代は放送部だった三ツ谷さん。番組づくりに関心を抱いたのは自然な流れですが、まさにその地域密着というキーワードがケーブルテレビ、そして同社に目が向くきっかけでした。
「自分の高校の卒業式にも取材が来ましたし、家族は普段から当社の番組をたくさん観ているなど、私にとっても身近な存在だったんです。『先見邁進、地域密着』という社訓のとおり、地域を大切にしている点に惹かれました」
そんな三ツ谷さんでしたが、新入社員研修を経て、最初に担当したのは意外にも営業の仕事でした。同社のサービスを紹介するチラシを配布したり、電話をかけて案内したりというのが業務内容。
「知らない人と話すことがあまり得意ではなかったので、最初は難しさも感じました。でも、様々な方と接する機会を重ねるうちに、自然と挨拶ができるようになり、コミュニケーションも取れるようになっていったんです。『何事も経験』ということをまさに実感しました」
その営業経験があったからこそ、番組の取材交渉やインタビューも、得意とまではいかないもののこなせているのだと三ツ谷さん。4カ月ほど営業を経験して、現在のコンテンツ制作課に配属となりますが、間もなく、自分自身を大きく変える経験をします。
全国で観られる番組をいきなり担当。
サポートのもと制作のプロセスを学ぶ。
日本各地の美しい風景などを紹介する、その名も 『壮観劇場』という番組があります。日本ケーブルテレビ連盟という団体が企画している30分番組です。これを、入社1年目の三ツ谷さんが担当したのです。
「社内で、制作担当者の公募がありましたが、すぐに手を挙げる人がおらず、それなら私がやりますと。実は、私はその番組のことを知りませんでした。応募してみたら、とても大きな仕事で…。上司や先輩からは、チャレンジ精神があっていいとほめられましたが(笑)」
全国のケーブルテレビ事業者が制作し、同じく全国で観られる番組であり、プロのナレーターが入り、音響や色調整なども東京に出向いて完成させるという本格派。当時は経験不足の三ツ谷さんでしたが、社内のサポートを受けながら番組制作のプロセスを学べたおかげで、実力を身に付けることができたと振り返ります。
「渡島半島西部の乙部町の、東洋のグランドキャニオンと呼ばれる絶景の映像と、地元の方々への取材を交えて制作しました。カメラマンにドローン撮影の方向を指示するなど、わからないなりにディレクターとして、必死に制作した感じです」
その後、三ツ谷さんはコンテンツ制作課のメンバーとともにドローンパイロットの免許を取得。今では自ら空撮も行っています。
学生を追ったドキュメンタリーも制作。
地元への愛着を深めてもらえる番組を。
同社ではドキュメンタリー番組の制作も行っており、三ツ谷さんも昨年(2025年)、1本の番組をつくりました。
「コロナ禍で中断していた学祭を復活させようと奮闘する学生に密着したドキュメンタリーです。授業が終わった後、午後8時頃から行われていたお祭りの実施に向けた会議に、私も仕事が終わってから駆けつけ、そのようすや学生たちの思いを拾いました」
この番組は、三ツ谷さんが企画・提案し、実現したもの。自分の思いを形にしていけることも、今の仕事の魅力なのだと話します。
「番組制作のほかに、カメラなどのメンテナンスやチェックを行う機材管理業務も担当しており、業務が重なって慌ただしくなることもあります。また、土日のイベントが多いシーズンは基本、平日休みのシフトにしています。でも、いずれもまったく苦にならないんです」
三ツ谷さんは、これからも地域の変化や人々の思いを丁寧に伝えていきたいといいます。
「地元の方々が、函館への愛着をより強くもってもらえる、そんな番組づくりをしていきたいと思っています」
配信する番組は、同社が開発した「ロコテレ」というアプリでも視聴できます。函館を離れた人にもふるさとの今を伝えたい。三ツ谷さんの思いは広がっていきます。
シゴトのフカボリ
番組ディレクターの一日
9:00
出勤、メールチェック、事務作業
9:30
取材した番組の編集作業
12:00
昼休憩
13:00
機材チェック、番組宣伝チラシの作成
15:00
『青春!ハイスクール』の取材で高校へ
18:00
帰社後、翌日の準備、退勤

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具

ドローン
今や、撮影には欠かせないツールです。同僚とともに、パイロット免許を取得し、現在は自分でも操縦して映像を撮っています。カメラマン以外がドローン撮影を行っていることは、あまり知られていませんが、自分で撮るからこそ、表現できるということもあるんです。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

地域のことを自分の視点で番組にできるのがケーブルテレビの魅力。身近な話題が多いだけに、多くの反響をいただきますが、伝え方や表現を間違えると、意図とは違う形で受け取られてしまうことも。そこが難しく、同時におもしろさでもありますね。

株式会社ニューメディア函館センター

1986年に山形県で設立された株式会社ニューメディアの北海道拠点。通信事業、システム開発事業、メディア事業を展開し、地域に根差した情報発信を行っている。

住所
北海道函館市桔梗町379-31
TEL
0138-34-2525
URL
https://www.ncv.co.jp/hakodate/

お仕事データ

番組制作現場の指揮官!
テレビディレクター
テレビディレクターとは
番組制作現場を
取り仕切る指揮官!

テレビ番組の方針や所属会社によって異なりますが、企画立案から演者のキャスティング、照明や音響といったスタッフのチョイス、演出や台本の考案、編集作業まで幅広い仕事に携わります。テレビディレクターは、いわば制作現場の指揮官といえるでしょう。番組の制作や進行がスムーズに行えるようしっかりと準備を整え、スタッフに的確な指示を与えながら、制作者の狙いが伝わる番組を作ることが大切な役割です。

テレビディレクターに向いてる人って?
面白さを常に考える意欲があり、
人を喜ばせるのが好きなタイプ!

テレビや映像に興味があることは当然ながら、いろいろなことに好奇心を持って、「どうしたら面白い番組を作れるのか」を常に考えるような意欲のある人が好まれる傾向です。視聴者に受け入れられる番組づくりは、テレビディレクターにつきまとう課題。その点からいえば、人を喜ばせることや、おしゃべりが好きな人に向いているといえるでしょう。

テレビディレクターになるためには

テレビ局や番組制作会社、プロダクションに就職するのが近道。まずは、アシスタントディレクター(AD)として下積みを経験し、ディレクターにステップアップするケースが一般的です。資格や学歴が問われることはあまり多くありませんが、大学や専門学校の映像系の学科・コースなどで基本的な編集作業を学ぶと後々に役立つでしょう。

ワンポイントアドバイス
やりがいは大きい分、
タフさが必要。

テレビディレクターは華やかなイメージで人気が高い職業。チーム一丸となって一つの番組を完成させ、自分が手がけた作品が実際にテレビで流れる喜びは格別です。反面、テレビ業界は労働時間や休日が不規則で、睡眠不足や肉体的な疲労には要注意。自らが描く演出プランを表現するには、周囲のスタッフに対して想像以上の気づかいを必要とし、体力的にも精神的にもタフさが求められます。