テレビの仕事はアナウンサーやキャスターといった表舞台に立つ職種が目立ちますが、放送を陰ながら支える技術スタッフがいてこそ成り立ちます。テレビ技術スタッフとしてまず連想されるのは、カメラマンや音声・照明・美術など、実際の番組収録にあたる現場作業の担当者。他にも、放送システムの維持や管理を行うIT系の仕事があったり、映像を切り替えるスイッチングを担当したり、中継車の管理をしたり、映像の品質を向上させたり、さまざまな専門技術が折り重なって一つの番組が放送されています。テレビ技術スタッフは、まさに陰の立役者といえるでしょう。
テレビ技術スタッフは、限られた時間内に集中して業務をやり遂げることが重視されがちな職業。華やかな表舞台に立つよりも、コツコツと地道な作業をする方が好きという人は、向いているでしょう。番組収録の現場作業に限らず、各スタッフが連携しながら仕事をスムーズに進めなければならないため、チームワークも必要です。指示された仕事を敏速にこなすフットワークの軽さと、撮影中に動き回る体力も求められます。
テレビ技術スタッフになるために必ずしも必要な資格はありません。大学や短大、高等専門学校などの電子工学、通信工学、電気工学、芸術系の放送関連学科などでテレビ技術について学び、放送局や制作プロダクションに入るのが一般的です。ただし、最近は幅広い放送技術の分野で適性を見極めるため、理系に限らずとも、必要な技能を持つ文系の学生にも門戸を開いている会社もあります。
テレビ局の中にも「バラエティ番組が強くユニークな人が多い」「スポーツ情報や映画制作に力を入れている」「ドラマ制作やアニメに定評がある」など、それぞれにカラーがあります。テレビ技術スタッフはいずれも幅広い知識と柔軟な発想力を持ったプロ集団ではありますが、自分の興味があることや好きな番組に携われるという観点から職場を選んでみるのもオススメです。