2022-10-10
今回も「CGクリエイターへの道 キミへのメッセージ」ということで、アニメ&ゲーム業界の先輩にお話を伺いに来ました。
今日は『ディレクター』のお仕事するこの方に直撃しました。
とにかく、描いて、描いて、描き続けること。
その先に本当の面白さがあります
株式会社ジーアングル 水野 玄樹さん
有名作品のゲームイラストやグッズを制作。
東京を本拠地にアニメ・ゲームの音楽からグラフィックまで、幅広く手掛ける株式会社ジーアングル。中でも札幌支社はイラスト・CGを専門に手掛ける一大拠点です。支社長兼ディレクターである水野さんにお話を伺います。
「弊社は20年程前『着信メロディー』を制作する企業として設立。徐々に事業を広げ、2010年代からはスマホゲームのグラフィックを手掛けるようになりました。家庭用ゲームに比べ、スマホゲームにはIPタイトルが多いのが特徴。ここ札幌支社はそんな需要に応えるべく2014年に設立されたんです」
IPタイトルとは俗に言う〝原作モノ〟。人気のマンガやアニメを題材にしたゲームやアプリ、グッズのことを指します。例を聞くと、今流行のアニメから国民的少年マンガの名前まで…。ここで名前を明かせないのが悔しいところです。
「原作者の描いた設定画やイラストをもとに、ゲームで使用するポーズを描いたり、グッズ用にデフォルメしたりするのが私たちの役割。憧れの作品に直接携われる、貴重でやりがいのある仕事なんです」
原作の世界観と、クリエイターの働き方を守る。
水野さんの肩書きであるディレクターは、クリエイターが描いたイラストをチェックする役割。IPタイトルを扱うという特性上、クリエイターにはオリジナリティよりも、原作に合わせて描く高度な画力やセンスが求められると言います。
「例えば同じ『キックするポーズ』でも、人によって描く角度や構図に力強さが出たり、表情に繊細さが現れたりと大きな差が出ます。それこそが本人の個性と能力の結晶。こうした力を生かし、一人ひとりの能力を伸ばすのも僕の役割なんです」
また受発注や納期、働き方を管理するのも水野さんの仕事。中でも労働環境の改善は、会社をあげて取り組んでいるとか。
「かつてのこの業界の仕事は、残業が当たり前。しかし当社では早い段階から生産性の向上に取り組み、制作会社の中でもいち早くホワイトな環境を整備してきました。現在は札幌支社はほぼ全員が在宅で、残業も少なめ。産休や育休などの制度も充実し、多くの女性社員が活躍しています」
描き続ける、ただそれだけが夢へと繋がります
41歳の若さで支社長に就任している水野さんですが、この業界に入ったのは実は30歳を過ぎてから。子どもの頃からアニメやゲームが好きで絵を描いてきたものの、大人になるにつれ夢を諦めていたと振り返ります。
「30歳を前に再び夢に向かうと決意し、当時勤めていた会社を退職。それからは一日中部屋に籠もり、自分が理想とする絵をひたすら模写して練習してきました」
その後の水野さんはフリーランスとして活躍。ジーアングルには2014年、札幌支社立ち上げスタッフとして抜てきされたそうです。
「今でも部下たちに伝えていることですが、ひたすら描いて、描いて、描き続ける。その先にスキルが生まれ、本当に描きたい絵が現れてくるんです。学生の皆さんは時間がある分、可能性も無限大。30歳を過ぎて夢を叶えた僕が言うんだから、間違いありません(笑)」
株式会社ジーアングル
2002年設立。アニメ・ゲームの楽曲や音響、CGデザイン、ライセンスの商品化などデジタルコンテンツ制作全般を取り扱う。
札幌市北区北10条西3丁目23番地1
THE PEAK SAPPORO 1階26号室
https://www.g-angle.co.jp/
「何歳になってもチャレンジできる!」という大切なことを改めて考えさせられるインタビューでした。
進路に迷っている方がいたら、「まずは挑戦してみる」という姿勢もいいのかしれませんね。
CGクリエイター
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