村上 拓生(たくま)さん
インタビュー公開日:2019.07.01

未経験からの転身、
まずは調理の練習からスタート。
医薬品の登録販売者の資格を持ち、ドラッグストアの店長として活躍していた村上さん。ドーナツ・ベーグル専門店の「ふわもち邸」を経営する兄からの誘いで、クレープとドリンクを扱う新業態の「つつみや」の店長に着任することになりました。
「ドラッグストアでの接客も楽しかったですが、経験のなかった飲食の世界に『面白そう、やってみたい』という気持ちの方が勝りました」とはいえ、普段はほとんど料理をしないという村上さん。まずは社長である兄のもとで「 クレープの作り方」はもとより「調理の基本」をイチからを学ぶところからのスタートだったそう。
従業員も全員、新規採用。
オープン後はSNSでも話題に!
お店は、大丸札幌店の店内で飲食や美容、雑貨など女性向けの新感覚のお店を集めたゾーン「KiKiYOCOCHO(キキヨコチョ)」内に2018年4月にオープン。村上さん以外の従業員も新規に採用され、クレープ作りや接客のトレーニングを重ねました。
オープン後は、生のフルーツを使ったクレープがおいしい、可愛いと瞬く間に評判に。忙しい日々が始まりました。
「お客様に直接『おいしかった』と言ってもらえる時がやはりうれしいですね。SNSに投稿してくださる方も多いので、お客様の声を参考にするために毎日チェックしています」
意外とハードで体力勝負。
従業員の体調にも気を配ります。
扱う商品は華やかですが、それを作る舞台裏は、意外とハード。
つつみやでは、生のフルーツをお店で切ってトッピングしており、生地や生クリーム、ソースも自家製のため、仕込みには時間がかかります。シフト制で、早番の人が開店2時間前から仕込みをしています。
営業時間内は立ちっぱなしですし、連休など忙しい時にはたくさんのお客様が訪れるので、体力勝負の仕事だといいます。そんな中、村上さんが店長として最も気を付けていることは、従業員の体調管理だとか。
「私以外の従業員は、全員女性です。忙しい時などは、つい頑張りすぎで無理をしてしまう人も多いので、休憩をしっかり取るよう声を掛けたり、シフトの時間通りに上がれるように段取りを組んでいます」
人と接することが好きな人、
流行に敏感な人に向いています。
最初は未知の世界だった飲食業界に飛び込んだ村上さんでしたが、次第にその魅力にハマり、やりがいを感じるようになったのだそう。飲食店の仕事に向いている人はどんな人だと思うか聞いてみました。
「接客がメインですので、人と接することが好きな方が向いていると思います。得意ではなくても、経験を重ねればできるようになるので大丈夫ですよ。興味があったら学生のうちに、アルバイトをして経験しておくのもいいですね」
また、商品が多くの人に受け入れられることも大事なので、流行に敏感な人も向いているとのこと。SNSや雑誌を見たり、少し先を読むために関東や関西で流行しているものをチェックすることも欠かせないといいます。
全国の人に知ってほしい!
商品開発にも熱が入ります。
催事の出店で、名古屋や広島、松山などにも出向いています。北海道らしい商品として、本州では特にフロマージュ(チーズ)系のクレープに人気が集まるとか。
「本州のお客様からも、『おいしかった』『札幌のお店にも行ってみたい』と言われ、手応えを感じました。つつみやの名前をもっと知ってもらい、全国にファンを増やしたいと思っています」
1カ月に1回以上のペースで新商品も開発。「食材の組み合わせで、味は無限にあるので難しいですね」。勉強のために、休日にもカフェやクレープを出す店へ視察に行き、お店の成長のために努力を重ねています。
シゴトのフカボリ
飲食店店長の一日
10:00
出勤(この日は遅番)
開店、接客や製造
12:00
売上げ等、入出金の確認や
材料の発注、事務作業
15:00
昼休み
16:00
接客や製造
20:00
退勤
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

学生のうちは、自分のやりたいことがわからない人も多いと思いますが、挑戦していくうちに出会えると思いますよ!私も飲食店は未知の世界でしたが、働き始めてからやりがいを感じるようになりました。

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
クレープを焼くにはこれが必須
クレープを伸ばしたり、引っくり返すのに必要なアイテム(レードル、トンボ、スパテラ)。これを使いこなすのが、つつみやでの第一歩です。筋が良い人は、2〜3日でできるようになるようです。

株式会社つつみや

北海道産小麦を始め材料と手作りにこだわり、旬のフルーツを載せたここにしかないクレープを提供。おいしくてインスタ映えすると好評です。

住所
北海道札幌市中央区北5条西4丁目7番地
大丸札幌店3F KiKiYOCOCHO
TEL
011-206-8586(直通)
URL
https://fuwamochi-tei.com/shop/tsutsumiya

お仕事データ

おいしさと快適な時間を提供。
飲食店スタッフ
飲食店スタッフとは
接客や調理によって、
お客様に「おいしい時間」を。

飲食店の仕事は、多くの場合「ホール」と「調理」に分けられています。ホールスタッフは主に接客サービスを担当。客席への案内や注文のお伺い、配膳、会計などを行います。調理スタッフは料理の下ごしらえや味付け、調理、盛り付けに加え、キッチンの清掃や調理用具の手入れなども担うことが多いでしょう。さらに、飲食店店長がホール・キッチンスタッフのマネジメントや教育を手がけ、売上の管理や食材の発注、営業計画といった幅広い業務も守備範囲に据えながら店舗全体を運営しています。店舗の規模によっては各ポジションを兼務することもあるでしょう。これら飲食店スタッフはお互いに連携しながら、お客様に「おいしさ」と「快適な時間」を提供しています。

飲食店スタッフに向いてる人って?
明るく清潔感があり、
チームワークを大切に働ける人。

飲食店スタッフに共通して必要なのは食に対する興味はもちろん、おいしい料理とともに快適なひとときを提供したいという気持ちです。また、接客や調理をともなう仕事である以上、明るく清潔感のある人が求められます。ランチタイムやディナータイムといった忙しい時でも、お客様にスピーディーに料理を提供しなければなりません。そのため、チームワークを大切に、効率良く作業を進める力も必要です。

飲食店スタッフになるためには

飲食店スタッフになるために必要な資格はありません。高校や専門学校、短大、大学を卒業後、希望する飲食企業に入社するのが一般的です。その他、調理専門学校で調理の基礎や調理師の資格を身に付けたり、栄養士養成施設として指定認可された学校で栄養士の資格を取ったり、食に関連する学校に進んだ後に就職するコースを選ぶ人も少なくありません。ホールスタッフや調理スタッフとして経験を積んだ後、飲食店店長を目指すことも可能です。

ワンポイントアドバイス
スタッフのマネジメントが
とりわけ大切な仕事。

飲食店店長を筆頭に、ホールや調理のリーダー職を務める飲食店スタッフにとって、人材のマネジメントは売上に関わる重要な業務。部下やアルバイトをまとめ、一人ひとりが生き生きと働けるよう管理・教育することでやる気と能力が引き出されます。具体的には人員が不足しないように配慮しながら休み希望を取り入れたシフトを作成したり、元気のない人に声がけしてモチベーションを高めたり、仕事への意欲を促すことでお客様への貢献につなげることが大切です。

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