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川村 希和子さん
インタビュー公開日:2022.08.25

規格、仕様の決まった部材を組み立て、
ビル、マンション向けのサッシを製作。
もともとは中学校の体育館だったという、三角屋根の作業スペース。どことなく、レトロな雰囲気も漂う広い空間をゆるやかなブロックに分けて、作業着姿のスタッフがテキパキと動いています。ここは、空知の月形町にある平塚建具製作所の工場。つくっているのは、建築物に使われるサッシ(アルミ製建具)です。2019年からこの工場で働くのは、川村希和子さん。4年目を迎え、作業にもすっかり慣れたようすで、終始、ムダのない素早い動きを見せています。
「私は、主にビル、マンション建築で使うアルミサッシの組み立てを担当しています。基本的な規格や仕様が決まっている部材を、正確に組み合わせてサッシ製品として仕上げていくことが仕事です」
川村さんが片時も手放さない、ピカピカ光る道具は、圧縮空気で動かすエアードライバーというツール。まるで、手の一部のように、すっかりなじんでいるようすです。そして、これを手にしている時は、とても生き生きとした表情をみせています。
材料を組み合わせる際にできる段差。
スッと調整を行う先輩の技術に感服。
建具メーカーが開発した製品をかたちにしていくのが、川村さんが所属する部門の仕事です。作業は、材料が入ったダンボールを開梱し、部材に傷・汚れがないかを確認することからスタート。その後、作業場へと運び、組み立て作業を行っていきます。
「ものすごく簡単に説明すると、まっすぐな棒である材料を四つ(四辺)組み合わせれば、四角いサッシができあがります」
エアードライバーで、接合部分となる角にビス(ネジ)を入れ、サッシのかたちに仕上げていくことが作業の中心。でも、それは高い精度が求められる仕事。口で言うほど簡単ではありません。例えば、材料を組み合わせる際、ズレて段差ができることがあるのだといいます。
「最初は、よくズレていました。押したり引いてみたりするのですが、びくともしなくて……。そんな時、先輩に助けを求めると、スッと調整してしまう。すごいなと思いました」
ビスを入れる順序の工夫、ちょっとした力加減。技術とはこういうものかと、痛感した瞬間だったと振り返ります。
「北海道×ものづくり」で検索してヒット。
エアードライバーの作業に「楽しい!」
小学校のころから漠然とものづくりに興味を抱いてきた川村さん。両親と暮らす家について、動線を変えると便利になるのではないかといった視点から建築にも関心が向くようになり、大学では建築や空間デザインを学びました。そして、建築だけでなく家具や公園のデザインなど幅広い分野を知るなかで、やはり自分の手で何かをつくる仕事に就きたいと思うようになったのだと話します。
「大学で関わった建築系の知識を活かしたいということと、地元の札幌から極端に遠い場所ではないことも軸として考えていました。そして、就職サイトで『北海道×ものづくり』で検索し、ヒットしたのが当社でした」
入社後のミスマッチを防ぐため、二次面接後にインターンシップを行っているという同社。
「工場でエアードライバーを持たせてもらってビスを入れた時、『楽しい!』と思えたことも大きいですね。さらに、先輩のアドバイスから、細かなところにまで神経を使っていることがわかり、こだわりをもった職人気質の先輩がいることに、とても魅力を感じました」
図面の見方がわからなかった入社時。
工場で聞きながら知識、技術を習得。
「サッシの図面の見方がわからず、最初は大変さを感じました。大学で図面は見ていたのですが、まじめな学生ではなかったので……」
そう言って、ちょっとはにかむ川村さん。サッシの図面は二次元ですが、構造がわかるように、仕上がりの状態を縦に切った縦断面図と、横に切った横断面図が描かれています。そこから立体的な形を把握したり、部材の伸びていく先がどう収まるかを把握するのが、とても苦手だったのだといいます。
「入社1年目は工場で製作業務を経験し、2年目、3年目は図面から材料を洗い出し、発注をかける業務に携わりました。ちょっと苦労したのは、その仕事での経験不足。わからなくなると、工場に出て行って聞いていました」
そうした日々の経験を経て、一つひとつ知識、技術を身につけてきました。ちなみに平塚建具製作所では、川村さんが携わるアッセンブリ製品に加えて、設計・製作・施工までを担うオーダーメイドサッシも主力としています。難易度の高い仕事ですが、いずれは、その部門でも活躍したいと意気込みをみせます。
新たに教わる時は、今もワクワク。
まちの若者の活動にも参加する日々。
サッシは組み立てれば終わりではなく、サッシ本体の仕上がりを良くするための付属部材などを取り付けることもあるそうです。
「厚さ2ミリくらいの部品を正確に取り付けなければいけないのですが、軽くて細いので、すぐにズレてしまって……」
ピッタリ付けられたと思っても、先輩にチェックしてもらうとズレが見つかり、修正を重ねるうちにビス穴が広がってしまったことも。
「これもやっぱり経験。ズレないようにできるようになった時は、うれしかったですね」
難しいことも多いけれど、ものづくりに関して新しく何かを教わる時は、今も自然とワクワクしてしまうという川村さん。同じようにものづくりに興味を持つ後輩のワクワク感が絶えないよう、仕事を楽しめる環境づくりにも取り組んでいきたいと話します。そんな川村さんは現在、まちづくり団体「月形design」の活動にも参加。若者の居場所づくりに取り組んだり、マルシェを開催したりしています。
「まちの若手の1人として、交流活動などに参加していきたいと思っていますし、そうした部分も含めて、生活も充実しています」
月形というまちにも惚れ込んだ、川村さんだ。
シゴトのフカボリ
アルミサッシ製作の一日
7:40
出勤、作業場の清掃、ラジオ体操
8:00
朝礼(全体朝礼、部門朝礼)
8:10
組み立て作業開始
9:30
休憩
9:45
組み立て作業
12:00
昼休憩
13:00
組み立て作業
15:30
休憩
15:45
組み立て作業
17:25
終礼、片付け
17:30
業務終了、退勤
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
七つ道具
上から左回りに、長尺を測るコンベックス、細かい寸法を抑える定規、荷解きやパッキン材を取り付ける際に使うカッター、切断の印などをつけるフェルトペン、エアードライバー。これがなければ仕事ができない、これだけあれば仕事ができるという、まさに七つ道具。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

ものづくりに限らず、最初は難しかったり、できなかったりしますが、好きならまずはやってみること! 大変さもですが、楽しさを感じるのも自分。きっと、そこにやりがいが生まれます。

株式会社平塚建具製作所

1957年の創業以来、ビル建築の開口部に取り付けるオーダーメイドサッシの設計・製作・施工に取り組んでいる、北海道内でも珍しいサッシ工場です。

住所
北海道樺戸郡月形町1055番地
TEL
0126-53-2319
URL
http://hiratsuka-tg.com

お仕事データ

工場内で製品を生産。
製造工
製造工とは
製品の加工や組み立て、
メンテナンスなどものづくりに携わる仕事。

製造工は家電やパソコン、電子機器といった機械製品から、住宅用資材、紙、プラスチック用品、さらには施設の一部に使われる大型製品まで、多種多彩なものづくりに携わる仕事です。主に工場のライン作業によって各パーツを加工したり、部品を組み立てたり、さまざまな工程を経て一つの製品を完成させます。一方で、繊細な手作業によってものづくりを行う職場も少なくありません。「つくる」だけではなく、製品の最終検査や梱包・出荷、納品後のメンテナンスや修繕を担うこともあります。いずれの作業もものづくりの世界には欠かすことができませんが、未経験者にも門戸を開く企業が多いことからチャレンジしやすい仕事です。

製造工に向いてる人って?
「ものづくりが好き」で、
根気強さと注意深さを持っている人。

製造工には「ものづくりが好き」という気持ちが欠かせません。作業自体は決められたマニュアルやルールに沿うケースが多いことから、同じ作業をコツコツと続けられる根気強さも必要です。また、機械で加工した部品に不良がないかチェックしたり、製品の最終検査をしたりすることもあるため、注意深いタイプの人も向いているでしょう。

製造工なるためには

製造工になるために必要な資格はありません。多くの場合、工業系の高校や専門学校、短大・大学を卒業後、製造工場を持つ会社に就職するのが一般的です。知識やスキルは入社後の教育・研修によって身につけられるため、未経験からでも挑戦しやすい仕事といえるでしょう。職場や手がける製品によっては、後々「フォークリフト」や「玉掛け」などの資格取得をすすめられることがあります。

ワンポイントアドバイス
マルチスキルを持った製造工が
今後のカギを握る存在に!?

これまでの製造工は、一人が一つの持ち場だけを担当するケースが一般的でした。けれど、ここ最近は複数台の機械を操作できたり、多くの作業や工程を担える技術を身につけたり、マルチスキルを習得させる企業が増えているようです。そうすることで皆で仕事を分散して業務量を平準化できる他、チームワークや組織の柔軟性が高まるといわれています。今後はマルチスキルを持った製造工が会社のカギを握りそうです。

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