坂本 千夏さん
インタビュー公開日:2023.03.06

職場体験で感じた仕事の魅力。
店舗の雰囲気にも惹かれて入社。
世界から注目される日本のお弁当。具材をカラフルに盛り付けたり、キャラクターをかたどったりしたお弁当が、今ではSNSでもたくさん見られます。でも、お弁当の定番といえばやっぱり『おにぎり』ではないでしょうか。
 形も大きさも具材も、家ごとに異なるまさに「おふくろの味」といえるおにぎりを商品化し、日本のファストフードとして1980年から販売を手がけているのが、坂本千夏(さかもと ちなつ)さんが勤務する「おにぎりのありんこ」です。
「食べたときに、『おいしい!』と思った記憶があり、気になっていたので、高校3年生の職場体験の時には、ありんこを希望し参加しました」
それは半日ほどの体験でしたが、卒業後はここで働きたいと直感したそうです。
「案内してくださった採用担当の方が、とても素敵な大人の女性で、私もこんなふうになりたいと思えたんです。店舗は忙しく、邪魔にならないかと不安だったのですが、やさしく接していただけたことも決め手です」
早いものでそれから3年。21歳になった坂本さんは現在、「ありんこマルヤマクラス店」で店長を務めています。
部活に明け暮れた経験も糧に、
基礎から集中して業務を学ぶ。
「ありんこ」のおにぎりは、本格派の手づくり。作り置きはせず、注文を受けたその場で握ってくれます。坂本さんの主たる仕事は、おにぎりを握ることと接客。また、開店前にはお米を研いだり、具材の準備も行います。
「こうした基本的な業務をスタッフとともに行いつつ、新人の指導・シフト管理、資材などの発注、売上管理、店舗のあるショッピングセンターが行う衛生検査への対応やイベント参加の打ち合わせなども担当しています」
店長としてまさに大活躍の坂本さんですが、高校時代はアルバイト一つしたことがなく、当初はすべてが新鮮。同時に、何もできることがないと、不安も大きかったそうです。
「一日でも早く仕事を覚えたいと思い、内定をいただいた後、11月からアルバイトで店舗に入りましたが、洗い物さえ十分にはできず……。店長さんに基礎から業務を教わり、今が頑張り時だと集中して取り組みました」
高校ではバレー漬け。より上手くなろうと、毎日、部活の練習に明け暮れた経験があったことも、前向きに取り組めた背景にあると坂本さん。おにぎりを握るためには社内試験にパスする必要がありますが、同期には負けたくなかったのだと振り返ります。おっとりしたなかに芯の強さも感じられます。
一人ひとりが先回りして業務を行い、
連携しながら店舗をスムーズに回す。
商品としてのおにぎりを握るための社内試験には、入社を控えた2月に合格。そして、いよいよ初めてお客様からオーダーされたおにぎりを握った時、不安が込み上げてきたのだそうです。
「自分が握ったものを、本当にお客様に出して良いのだろうかという気持ちになったんです。十分に練習を重ねましたが、この私が『ありんこ』の商品を作るんだ、という感慨のようなものが湧き出しましたね」
ドキドキのデビューを飾った坂本さんですが、仕事への向き合い方には、根っからの負けん気の強さも生きているようです。
「当初は、指示された業務をこなすだけでしたが、仕事の流れが把握できるようになると、手順としてやるべきことを、言われる前に先回りして行い、終わらせることを常に意識して業務に当たっていました」
予定されている仕事について、「○○はもうやった?」と指摘されるのが悔しかったのだと笑う坂本さんですが、店舗に入っている一人ひとりが先々を考えて動き、連携しなければ、スムーズに運営できずお客様にも迷惑をかけてしまう。そのための動きなのだということがお話から理解できました。
お客様に合わせた接客を心がけ、
常連さん、お店のファンを増やす。
「入社からしばらくは、仕事を覚え、環境になじむことに精一杯で、自分のことを考える余裕もありませんでしたが、1年ほど経ったころ、私は接客が好きなんだということに気づきました」
そう思えるようになったのは、最初に配属になった店舗から、現在、店長を務めている店舗に異動になった際に出会った先輩の接客を目にしたことが大きかったのだそうです。
「先輩には顔なじみの常連さんが何人もいて、お見えになった際には『こんにちは!』とお声がけし、楽しそうにお話していたんです。おにぎりを買っていただいたうえに、お土産までいただくことも。そんなこともあるんだ、楽しそう、私もそんな接客がしたいと強く感じました」
そんな常連さん、お店のファンを自分も増やしていきたいと話す坂本さん。初めて訪れたお客様には、オーダーごとに一つひとつ手で握っているというありんこの特徴を説明したり、メニューに迷っているようなら、好みの味を尋ねておすすめしたり。逆に、急いでいる様子の人には、手早くスムーズにおにぎりを手渡すなど、お客様に合わせた接客を心がけています。
新人の教育について模索の日々。
成長が実感できる時がうれしい。
「私を覚えてくれて、声をかけていただけるお客様も増えるなか、今は店長として新人の教育に難しさを感じています。現場でしっかりと教えつつ、店舗をスムーズに回すにはどう動けばいいのか。模索する日々です」
まだ店のチームになりきれていない新人に教えたり、ミスをフォローしていると、どうしても、お客様への対応の時間が微妙に削られてしまうことがあるのだそうです。坂本さんは、ありんこの店長としては最年少。先輩の店長たちにも相談しアドバイスに学びながら、悩みつつも日々、前進を続けている様子が伺えます。
「まだ十分とは言えなくても、教えたことができるようになっていると、『伝わった!』という喜びを感じますし、会話の中から成長が感じられる時はうれしいですね」
今では、コンビニなどでも数多く販売されているおにぎり。そんな中、おいしさとともに、正真正銘の手づくりによる温かさ、やさしさを伝えている「ありんこ」。お客様に寄り添いながら、この『現代版おふくろの味』を提供する坂本さんのハツラツとした声が、今日も店頭に響いています。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

お客様一人ひとりの声をしっかりと伺い、その方、その方に合った接客ができるよう、いつも心がけています。お客様のことを常に考え、愛情込めて握ったおにぎりとともに気持ちを伝えていきたいです!

シゴトのフカボリ
店長(おにぎり製造販売)の一日
9:00
出勤、米研ぎからスタート、同時に前日に研いだお米を炊きます。1回2升のお米を1日に10回ほど、研いで炊きます! さらに具材の仕込み、とん汁・味噌汁の準備をします。
10:00
開店、お昼過ぎまではパート・アルバイトさんも加わって、接客が続きます。
14:00
昼休憩
15:00
翌日の仕込みの準備
16:00
接客、事務作業
20:00
閉店、退勤

お仕事データ

おいしさと快適な時間を提供。
飲食店スタッフ
飲食店スタッフとは
接客や調理によって、
お客様に「おいしい時間」を。

飲食店の仕事は、多くの場合「ホール」と「調理」に分けられています。ホールスタッフは主に接客サービスを担当。客席への案内や注文のお伺い、配膳、会計などを行います。調理スタッフは料理の下ごしらえや味付け、調理、盛り付けに加え、キッチンの清掃や調理用具の手入れなども担うことが多いでしょう。さらに、飲食店店長がホール・キッチンスタッフのマネジメントや教育を手がけ、売上の管理や食材の発注、営業計画といった幅広い業務も守備範囲に据えながら店舗全体を運営しています。店舗の規模によっては各ポジションを兼務することもあるでしょう。これら飲食店スタッフはお互いに連携しながら、お客様に「おいしさ」と「快適な時間」を提供しています。

飲食店スタッフに向いてる人って?
明るく清潔感があり、
チームワークを大切に働ける人。

飲食店スタッフに共通して必要なのは食に対する興味はもちろん、おいしい料理とともに快適なひとときを提供したいという気持ちです。また、接客や調理をともなう仕事である以上、明るく清潔感のある人が求められます。ランチタイムやディナータイムといった忙しい時でも、お客様にスピーディーに料理を提供しなければなりません。そのため、チームワークを大切に、効率良く作業を進める力も必要です。

飲食店スタッフになるためには

飲食店スタッフになるために必要な資格はありません。高校や専門学校、短大、大学を卒業後、希望する飲食企業に入社するのが一般的です。その他、調理専門学校で調理の基礎や調理師の資格を身に付けたり、栄養士養成施設として指定認可された学校で栄養士の資格を取ったり、食に関連する学校に進んだ後に就職するコースを選ぶ人も少なくありません。ホールスタッフや調理スタッフとして経験を積んだ後、飲食店店長を目指すことも可能です。

ワンポイントアドバイス
スタッフのマネジメントが
とりわけ大切な仕事。

飲食店店長を筆頭に、ホールや調理のリーダー職を務める飲食店スタッフにとって、人材のマネジメントは売上に関わる重要な業務。部下やアルバイトをまとめ、一人ひとりが生き生きと働けるよう管理・教育することでやる気と能力が引き出されます。具体的には人員が不足しないように配慮しながら休み希望を取り入れたシフトを作成したり、元気のない人に声がけしてモチベーションを高めたり、仕事への意欲を促すことでお客様への貢献につなげることが大切です。

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