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自動車電装品修理_米澤 直人さん
インタビュー公開日:2026.07.02

知識と感覚により不具合の原因を探る。
自動車電装品の修理に10年のプライド。
最近の自動車は、エンジンの始動からエアコンの稼働まで多くの機能がコンピュータで制御されており、不具合が出ると診断機を用いて自動車ディーラーで調べることができるようになっています。まさにITテクノロジーの進化、と感心していると聞こえてきたのは米澤直人さんの声。
「確かに、診断機でどのような不具合が出ているかは把握できます。けれども、どこがどのような状態になっているのかは、知識を持った人が、感覚も生かして探らなければ明らかにならないこともあります。そこでは、電圧や電流を測定する昔ながらのテスターが頼りです」
例えば、エンジンをかける時に『ボッ』という初爆(しょばく)音がない場合、ガソリンがうまく送られていないのではないかと想定できますし、それを制御するセンサーがダメなのかといった具合に、症状に応じて見るべき場所を考え、診断していくのだそうです。
「配線が切れていた場合、それを直すのは簡単ですが、どこにその線がつながっていて、なぜ切れたのかといった仕組みがわからなければ、また症状が出ることがあるんです」
トラブルの根本を理解することが必要なのだと熱く語る米澤さんは、自動車電装品(※)の修理を専門にする輪島電装の第一線の現場で10年の経験を持つ技術者。ひとこと、ひとことにプライドが感じられます。

※自動車電装品:電気で作動する自動車の部品や装置。バッテリー、ライト、カーナビ、発電機など。
的確な診断と、迅速な修理を通して、
大切な物流業務を支える陰の立役者。
輪島電装では、トラックを主軸に各種自動車の電気系統の修理やカーナビゲーションやドライブレコーダー、ETCの取り付けなどを手がけていますが、そのなかで米澤さんが主に担当しているのが、現場へ直接駆けつける出張修理です。
「ディーラーや地域の修理工場に伺って、電気関係のトラブルを解決する業務が中心です。エンジンの警告ランプが点灯したので診断機をつなぐと確かに異常と出ているが、原因がよくわからない。そうした場合にご依頼いただき、駆けつけるケースが多いですね。小型のトラックから大型車、さらには乗用車も含めメーカーを問わず対応します」
運送会社のトラックが、配送中に突然、止まってしまってエンジンがかからない。『急いで行ってほしい』というSOSが担当の整備工場から入り、現地にかけつけることもあるそうで、その日によって業務が異なります。
「エンジンがかからなければ、セルモーターかオルタネーター(発電機)か。はたまた、エンジンの回転数を制御するセンサーか。やはり、想定をもとに診断を行い、無駄のない手順で修理することを心がけています」
業務用トラックは、時間的な猶予がありません。だからこそ、できるだけ手早くリカバリーする必要があるのだそうです。物流業務を支える陰の立役者といえるかもしれません。
ディーラーでの整備士経験も活かし、
思い切って新たな分野にチャレンジ。
多様なトラブルに対応することで、ディーラーの業務もサポートしている米澤さんですが、今の仕事に就く前は13年ほど、まさにディーラーの整備士でした。高等技術専門学院の自動車整備科を卒業し、軽自動車を主力とするメーカーの販売店で腕を磨いていたのでした。
「その会社でとてもお世話になった整備士の先輩が、別のディーラーに転職されたのを機に、自分も新たな分野にチャレンジしてみたいという気持ちが湧いてきたんです」
その先輩が入社したディーラーと輪島電装との間に取引があり、人材を募集しているのを知って、思い切って自動車電装品修理の世界に飛び込んだといいます。
「ディーラーの工場でも電装品に触れることはあり、どちらが修理を行うかというのは明確ではありません。ディーラーで修理が可能でも、手が回らないといった場合に、当社にと依頼をいただくケースもあるんです」
そうした事情も理解しているからこそ、ディーラーの思いやお客様への立ち位置も考慮しつつ手早く、ていねいな仕事を心がけているという米澤さん。自動車関連の技術職といえば整備士のイメージですが、電気系に興味がある人なら電装品の仕事もオススメ、と話します。進化を続ける制御系の仕組みに、電気系統は欠かせないものだからなのだそうです。
進化する自動車技術に対応するため
技術者として常にレベルを高める。
自動ブレーキが今では一般的になり、自動運転技術の研究開発も加速しています。電気とガソリンを併用するハイブリッド車も着実に増えています。不具合部品の交換はディーラーが対応できても、センサーなどの不調に関しては輪島電装のような専門特化した技術が今後、脚光を浴びると米澤さんは予測しています。
「自動車整備の業界のなかで、新たな分野として伸びていく可能性はあると思います。そのためには技術者として常に進化していく必要があると考えており、自動車部品の開発メーカーが認定する技術資格を取得し、さらに上位級へのレベルアップを目指しているところです。級が上がると資格手当も増えますし(笑)」
そのメーカーではオンラインの技術研修も行っており、米澤さんは新人向けに用意されている研修の手配などを通して若手の育成も行っています。さらに、カーエアコンを廃棄する際に出るフロンの回収・報告業務も担当。忙しい日々を送っています。
「業務内容を整理しなければ、仕事が回らなくなる可能性もあります。場合によっては、お客様と交渉して作業順序を入れ替えてもらうことも。そのためにも、日頃から仕事を通して信頼関係を築くことが欠かせません」
技術者でありつつ、営業的な交渉力も求められると米澤さん。奥深い仕事といえそうです。

的確に、迅速に問題を解決することで、
誰かの役に立つ仕事に意義を感じて。
春が終わり、気温が上がってくると増えるのがエアコンの不具合。暑くてかなわないから、直して欲しいといった依頼が大半だそうです。
「ガソリンスタンドでエアコンのガスは入れてもらったけれども、冷風が出ない。結局、電気的な故障というケースも多いですね。特に気温がグンと上昇した時は、相次いで連絡が入ります。逆に、冬になると『エンジンがかからない』という電話。バッテリーが弱って、ダウン…。多いパターンです」
バッテリーの交換だけでも、エンジンがかかると、安堵の表情と「ありがとう!」の言葉がお客様からこぼれます。ましてや、少々難しいトラブルの場合、診断して原因を突き止め、症状を解消できた時に喜ばれると、大きなやりがいを感じられるのだと話します。
「基本的に、ディーラーからの依頼で診断・修理を行うため、その車両を使うお客様と直接、やり取りする機会は多くありません。私たちが直していても、ディーラーが修理したと思われるはずです。もちろん、それでいいわけで、私たちはあくまでも裏方。いかに的確に、迅速に、問題を解決するかということに仕事の意義を感じています」
人知れず、誰かの役に立つ。そして物流や暮らしを支える。そんな姿がとても素敵な米澤さんです。
シゴトのフカボリ
自動車電装品修理の一日
8:45
出勤、朝礼。業務確認
8:50
お客様が持ち込んだ車両の点検・修理
11:00
ディーラーに行き、修理依頼の車両の引き取り、工場へ搬入し点検・修理
12:00
昼休憩
13:00
修理工場からの要請で、エンジンが止まったトラックのもとへ急行。応急処置を実施
15:00
事務処理後、ディーラーの整備工場に向かい、現地で修理対応
17:00
帰社、新人研修の打ち合わせ
17:30
退勤

シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

電装品のどこに不調があるのかを理解し、修理につなげるという意味合いとともに、様々な経験、考え方を持つスタッフの考えをお互いに理解することでスムーズに仕事を進められる、という意味合いも込めました。

輪島電装株式会社

1979年に函館市で設立。以来、半世紀近くにわたって自動車電装品修理に携わっています。2013年には札幌で非常用電源設備に関する事業もスタート。自動車分野で培った技術力を活かしながら、幅広い分野で社会インフラを支えています。

住所
北海道函館市西桔梗町854番地5
TEL
0138-48-8181
URL
https://wajima-denso.co.jp

お仕事データ

車のトラブルを未然に!
自動車整備士
自動車整備士とは
クルマの故障を修理し、
定期的な点検で事故を未然に防止!

乗用車やバス、トラックなどさまざまな自動車を整備し、故障を修理するほか、定期的なメンテナンスや調整、分解や組み立ても担当。仕事は大きく分けて「点検整備」、「緊急整備」、「分解整備」の3つ。「点検整備」は、車検や定期点検でベルトやブレーキの摩耗、オイルの状態などをチェックして、消耗した部品を交換。「緊急整備」は、急を要する事故や故障による整備・修理のことです。「分解整備」は「オーバーホール」と呼ばれ、エンジンやミッション(変速機)など自動車の重要な機器を分解し、点検して不具合や故障箇所などがあれば整備・修理します。

自動車整備士に向いてる人って?
最新の技術やメカニズムを
学ぼうとうする向上心が必要。

クルマや機械の構造・仕組みに興味があることは大前提。ここ最近は自動運転技術をはじめ、自動車業界の進化が目覚ましいことから、新しいメカニズムやテクノロジーを積極的に学ぼうとする向上心が必要です。自動車整備士の仕事には地道な作業も多いので、コツコツと取り組む忍耐強さも求められます。

自動車整備士になるには

国家資格の「自動車整備士」取得が必須。高校卒業後、国が定める自動車整備士養成学校(2年制の自動車整備士専門学校や自動車短期大学など)に進み、自動車整備士技能検定(二級)に合格した上でディーラーや整備工場などに就職するのが一般的です。4年制の専門学校や大学には一級の受験資格が得られるところもあります。また、養成学校を卒業せずとも、実務経験を重ねた後に資格を取得するのもOK。詳しくは国土交通省のホームページをご確認ください。
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk9_000003.html

ワンポイントアドバイス
自動車整備士の資格の種類。

実は自動車整備士の資格といっても種類はさまざま。レベルは「1級自動車整備士」「2級自動車整備士」「3級自動車整備士」があり、ほかにも各々の分野について専門的な知識・技能を有する「特殊整備士」も。一般的に求められる2級自動車整備士のなかでも、「2級ガソリン自動車整備士」「2級ジーゼル自動車整備士」「2級自動車シャシ整備士」「2級二輪自動車整備士」に分類されます。自動車の技術革新が進んでいる今、より高度な自動車整備ができる1級自動車整備士が注目を集めています。

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