平澤 悠さん
インタビュー公開日:2019.11.06

学生時代のアルバイトを機に、
多くの人と接する飲食業へ
新潟県出身の平澤悠さんは、大学進学で東京へ。大学時代に経験した飲食店でのアルバイトが、この業界に入るきっかけとなったと言います。
特に、新橋の格式あるバーでの経験は、平澤さんに大きな影響を与えます。
「会社の接待でいらっしゃるお客様や、気楽な二次会でいらっしゃるお客様。さまざまな場面に対応していました。カウンターではお客様とお話することもありましたが、大企業の役員の方など、普通の大学生活ならまず聞けないお話もたくさん聞くことができました」
「全国のいろいろな場所で働き、多くの人に会ってみたい」
そんな思いで臨んだ就職活動では、全国に拠点を持ち、また、その歴史の古さから幅広い年令層のファンを持つサッポロライオンを選択。札幌への配属が決まりました。
お客様に永く愛されるお店。
喜ばれる接客に努めています。
配属先の狸小路店は、大正3年から営業。札幌市内でも、またサッポロライオンの中でも特に歴史のある老舗です。「50年以上通うお客様もいらしたり、毎月必ず決まった席で定例会を開くグループの方もいらっしゃるんですよ」と、うれしそうにお客様のことを話してくれる平澤さん。
かしこまり過ぎず、フレンドリーになり過ぎずに会話をする、宴会では幹事さんの要望を細かく聞いて対応するなど、常にお客様が何を求めているかを考えてサービスしています。
北海道にも、この配属で初めて訪れたといいます。「4月なのに寒い。街中で歩くスピードがゆっくり」など、来て初めて知ることも多かったとか。
震災後の対応が、
飲食店のあり方を見直す機会に。
お店で働くやりがいを特に強く感じたのが、2018年9月に起こった胆振東部地震に伴う停電の時でした。発災の翌々日、周囲の店がまだ開けられない中で開店すると、ちょうど旅行で来ていて帰れなくなってしまった方などから「開けてくれてありがとう」「暖かい料理が食べられてうれしい」「あなたたちも被災者なのに大変ね」と、感謝とねぎらいの言葉をかけてもらえたのです。
「ご来店いただいているのに感謝されることの重みを感じました。ここでは食事をするだけではない、お客様に大切な時間を過ごしていただく場なんだ、と飲食店のあり方を深く考えさせられましたね」
社員は裏方の業務も大切。
働きやすい職場で勉強中。
飲食店でも社員となると、ホールでの接客以外にもシフトの作成、人事や予算の管理、求人広告の手配など、裏での事務仕事を覚えていかなければなりません。「まだまだ勉強中です。幅広く仕事を覚え、自信がついたら店長になることを目指しています。店を一人で任されるのは、本当にすごいことだと思います」
今の店は、チームワークが良く楽しく働けているという平澤さん。「和気あいあいとした雰囲気が大好きです。真剣にやる時と、冗談を言い合ってコミュニケーションをとる時のメリハリもしっかりしています。スタッフ同士の人間関係が良いと、忙しくても苦にならないですね」
心からの笑顔での接客を
いつも心掛けています!
接客をする場面が多い仕事なので、やはり人と接することが好きな人に向く仕事だと言いますが、「これまで一緒に働いていたアルバイトさんの中には、人と接することが苦手で克服したい、という前向きな思いで来てくれた人もいるので、向いていないと言い切ることはないと思います」
接客では笑顔を作ることが必須?と思いきや、接客の秘訣は「作った顔をしないこと」と平澤さんはいいます。「心を開いていないのに笑顔を作っても、それは相手に伝わってしまいます。仲良くなりたいと思ったら、まずは自分から心を開くことが大切だと思っています」
平澤さんの笑顔には、お客様への感謝や愛、仕事の楽しさが詰まっていました。
シゴトのフカボリ
飲食店スタッフの一日
12:30
出勤
本社や他店からのメールチェック
13:00
ホール接客
15:00
休憩、賄いの食事をとる
15:30
夕方、店内が落ち着いたあたりで事務作業
17:00
ホール接客、宴会準備
18:00
宴会の対応
20:30
店全体の締め業務
22:00
閉店
22:30
退勤

シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

お客様や働く仲間など、接するのは人です。事務的な作業ではないので、自分から心を開いて自然体で向き合いたいと思っています。

ビヤホール ライオン狸小路店
(株式会社サッポロライオン)

サッポロビール直営、大正3年開業の老舗ビアレストランです。美味しい1杯の生ビールにこだわり、ビールに合う北海道らしい料理を揃えています。

住所
北海道札幌市中央区南2条西2丁目7番地 サッポロビル1・2F
TEL
011-251-1573
URL
https://www.ginzalion.jp/top.html

お仕事データ

おいしさと快適な時間を提供。
飲食店スタッフ
飲食店スタッフとは
接客や調理によって、
お客様に「おいしい時間」を。

飲食店の仕事は、多くの場合「ホール」と「調理」に分けられています。ホールスタッフは主に接客サービスを担当。客席への案内や注文のお伺い、配膳、会計などを行います。調理スタッフは料理の下ごしらえや味付け、調理、盛り付けに加え、キッチンの清掃や調理用具の手入れなども担うことが多いでしょう。さらに、飲食店店長がホール・キッチンスタッフのマネジメントや教育を手がけ、売上の管理や食材の発注、営業計画といった幅広い業務も守備範囲に据えながら店舗全体を運営しています。店舗の規模によっては各ポジションを兼務することもあるでしょう。これら飲食店スタッフはお互いに連携しながら、お客様に「おいしさ」と「快適な時間」を提供しています。

飲食店スタッフに向いてる人って?
明るく清潔感があり、
チームワークを大切に働ける人。

飲食店スタッフに共通して必要なのは食に対する興味はもちろん、おいしい料理とともに快適なひとときを提供したいという気持ちです。また、接客や調理をともなう仕事である以上、明るく清潔感のある人が求められます。ランチタイムやディナータイムといった忙しい時でも、お客様にスピーディーに料理を提供しなければなりません。そのため、チームワークを大切に、効率良く作業を進める力も必要です。

飲食店スタッフになるためには

飲食店スタッフになるために必要な資格はありません。高校や専門学校、短大、大学を卒業後、希望する飲食企業に入社するのが一般的です。その他、調理専門学校で調理の基礎や調理師の資格を身に付けたり、栄養士養成施設として指定認可された学校で栄養士の資格を取ったり、食に関連する学校に進んだ後に就職するコースを選ぶ人も少なくありません。ホールスタッフや調理スタッフとして経験を積んだ後、飲食店店長を目指すことも可能です。

ワンポイントアドバイス
スタッフのマネジメントが
とりわけ大切な仕事。

飲食店店長を筆頭に、ホールや調理のリーダー職を務める飲食店スタッフにとって、人材のマネジメントは売上に関わる重要な業務。部下やアルバイトをまとめ、一人ひとりが生き生きと働けるよう管理・教育することでやる気と能力が引き出されます。具体的には人員が不足しないように配慮しながら休み希望を取り入れたシフトを作成したり、元気のない人に声がけしてモチベーションを高めたり、仕事への意欲を促すことでお客様への貢献につなげることが大切です。

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