村井 孝行さん
インタビュー公開日:2021.05.06

時代が注目するリサイクル技術
その最先端で働きたくて。
かつては焼却したり埋立てすることが主流だった廃棄物の処理。しかし環境保全に対する意識の高まりから、リサイクル業界の主流は「資源再生」へと大きく変化しています。この分野の技術や設備を整備し、最高水準の資源再生ビジネスを確立しているのが千歳市の郊外に工場を構えるリサイクルファクトリー。ここで資源再生エンジニアとして勤務するのが村井孝行さんです。
「入社をしたのは10年ほど前です。当時は環境問題が世界的にクローズアップされ始めた時期。今後ますます注目されていく業界だと確信し新卒で応募しました」
ゴミの分別の定着、資源に対する意識の高まり、SDGsの世界的な普及など社会と環境が密接な関わりを持つ今、資源再生ビジネスは尊い地球環境を維持していくためにも不可欠な存在となっています。
いずれ「ゴミ」という言葉すら、
無くなる時代になる。
リサイクルファクトリーの敷地は東京ドーム7個分。持ち込まれた廃棄物を処理するプラントや生産工場、さらに農地や園庭などが点在しています。
「例えば微生物の超高温発酵で乳牛のフンを清潔な敷料にする工場、コンクリートやがれきを細かく砕き公共工事や建設現場の資材に再生する工場、泥や食べ物の残りなどを堆肥にする工場など、持ち込まれる廃棄物の種類に応じた施設が揃っています」
ちなみに各工場で活用されている技術や機械はすべて、リサイクルファクトリーがオリジナルで研究開発したり改良したもの。この広大な敷地は世界でただ一つの資源再生技術の集積地でもあるのです。
「弊社に運び込まれている全廃棄物が再生資源となる割合は90%以上!その割合も年々上昇しており、近い将来、弊社から出るゴミをゼロにする『完全リサイクル』の技術も視界に捉えています」
若い発想やアイデアが
資源再生技術を進化させる。
村井さんは現在「廃材石膏ボードの資源再生プラント」の管理者という責任あるポストに就いています。
「家屋やビルなどから排出される石膏ボードは再生が困難とされていた廃棄物の一つ。他のリサイクル企業が手を出さない中、弊社がその課題に挑戦したことやそのプロジェクトに自分が関われたことに誇りを感じます」
このプラント内の重要な設備の一つ「風力選別設備」は、村井さんのアイデアによるものだとか。
「リサイクル業界はまだまだ発展途上。なので自分のアイデアや若いスタッフのちょっとした工夫が、マシンの改良や特許取得につながるケースも多いんです。これがこの仕事のやりがいの一つでしょうね」
地域住民に愛され親しまれる
次代のリサイクル企業へ。
廃棄物の処理や再生に取り組む企業は今でこそ、時代や社会を支える企業として確かな地位を確立していますが、かつては住民から敬遠されることもあったとか。
「ゴミを扱うというマイナスイメージがあったのかもしれません。しかし廃棄物の90%以上が再生されるように、ゴミと言われるものはもうほとんど存在しないんです」
さらに同社は、地域社会との共存を目指し、敷地の緑化やユニークな公園づくり、アートスペースの設置、有機農園の整備、会社見学の受け入れなどにも取り組んでいます。
「地域住民に利用していただき、リサイクルに関する理解や協力を得ることが最大の目的。これからのリサイクル企業は、地域住民に愛され親しまれる存在になることがとても大切なんです」
リサイクルビジネスに対する確かな自信を感じさせる村井さんの口ぶり。ゴミという言葉が無くなる時代はもうすぐそこまで来ているのかもしれません。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

新しいこと、初めてのことに「挑戦」するのは不安だし、勇気も必要になる。けれど働く喜びや仕事の達成感は、必ず「挑戦」の向こう側にあるんです。

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
防塵マスク
粉塵やチリもシャットアウトするプロ仕様のマスク。プラントでの作業には欠かせない道具です。

リサイクルファクトリー株式会社

産業廃棄物のリサイクル技術や設備、再生の品質を極限にまで高め、世界最高水準の資源再生ビジネスを確立している。

住所
北海道千歳市中央690-1
TEL
0123-29-2030
URL
https://r-fact.com/

お仕事データ

工事現場の司令塔
施工管理
施工管理とは
工事を円滑に進めるためには
欠かせない仕事。

建設工事や土木工事の現場で発注者と実際に工事を行う職人さんとの間に入り、人や資材の手配、スケジュール調整、予算管理など、工事を安全かつ円滑に進め、目的を実現するためのさまざまな業務を行います。大きな施設を建てるほど、工程も複雑になるため施工管理の重要性は大きくなります。

施工管理に向いている人って?
思い通りにならなくても慌てない。

現場での橋渡し役を担うことが多いため、コミュニケーション能力は欠かせません。スケジュールやお金の管理も行うので、計画的に物事を進められる人に向いている仕事です。工事には不測のトラブルもつきものなので、状況に合わせて対応できる柔軟性がある人も向いているでしょう。

施工管理になるためには

小さなリフォーム工事から大規模な土木工事まで施工管理の領域は広く、一般的には工事会社などに入社して、現場での仕事を覚えることになります。施工管理には「施工管理技士」という国家資格があり、工事の内容によって建築施工管理技士、電気工事施工管理技士、管工事施工管理技士など6種類に分かれています。大規模な現場の管理をするためにはこうした資格も必要となります。

ワンポイントアドバイス
分野が異なる工事でも活躍可能。

施工管理の仕事は一般的には馴染みが少ないのですが、工事現場には欠かせない仕事です。建設業界で働く上で「施工管理技士」の資格が役立つ場面は多く、取得しておくと出世や転職にも有利と言われています。

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