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中里  真斗さん
インタビュー公開日:2023.05.26

お寿司が好きだから、
お寿司屋さんに就職したい!
「好き」を仕事にする……。それを実現したのが、グルメ系回転寿司「鮨処なごやか亭」の八軒店に勤務する中里真斗さん。回転レーン内のカウンターに立ち、お寿司を握り、お客様をもてなしています。
いちばん好きな寿司ネタは、タコ。サーモンやマグロも好きだといいます。「子どものころから魚をよく食べていました。母が浜育ちということもあり、生ものも食べなれています」と中里さん。そう、お寿司が好きだから、就職先に「お寿司屋さん」を選んだのです。数ある寿司店の中から「鮨処なごやか亭」に絞ったのは、高校生のときに友人たちと訪れ、握り手のかっこよさに目を奪われたから。そのときまでは、とくに憧れの仕事はなく、就職を考えながらも志望先を決めかねていたそうです。思いがけず、いまの仕事へとつながる道が開けました。
はじめての任務はお客様のご案内、
「また来るよ!」の声が励みに。
回転寿司店の花形ポジションといえば、お寿司を握る「握り手」でしょう。高校生の中里さんを惹きつけたかっこよさがあります。しかし、店舗での仕事はそれだけではありません。お客様の立場からは見えない仕事もあり、その一つひとつが、握り寿司をはじめとする多彩な料理や居心地のよい空間を生み出しています。
中里さんが最初に配属されたのは、白石本通店でした。はじめて任された仕事は、ホール業務です。来店したお客様を出迎え、お席までご案内したり、その日のおすすめメニューの紹介や、オーダーされた料理を運んだりと、お客様をもてなします。また、食事が終わったあとのバッシング(テーブルの片づけ)も、次のお客様が快適に過ごすためには欠かせません。
「一連の流れが分からなかったので、入口付近での待機中がいちばん不安でした」と、中里さんは当時を振り返ります。意外にも、お客様を案内しているときのほうが、目の前の仕事に集中できるため、不安はなかったそうです。少しずつ仕事の流れを把握し、自分なりの言葉でお客様に声かけできるようになったのは、入社から半年ほど経ったころでした。3年目を迎えると、仕事にも慣れ、お客様の声が耳に入るようになり、「また来るよ!」という言葉に励まされたといいます。そして、そのお客様とのコミュニケーションこそが、接客の醍醐味と感じています。
先輩とともにカウンターに立ち、
握りを習得していった。
「鮨処なごやか亭」の社員教育はOJT(On the Job Training)を特に大切にしており、実践の中で仕事を覚えていきます。握り手も例外ではありません。1年目のゴールデンウィークを乗りきったあとから、次の繁忙期であるお盆に向けて、中里さんの握り修業が始まりました。カウンターに立つ店長や先輩たちの隣で、ひたすらお寿司を握っていくのです。
想像以上に難しかったのは、シャリ(寿司に使用する酢飯)の形をつくること。片手でシャリをすくいあげ、わずかに手を握る仕草をすると形ができあがっているイメージがありますが、「最初は形がつくれませんでした。米粒が手にくっつくし、だからといって手水を多めにするとシャリがぐちゃぐちゃと水っぽくなってしまって……」と中里さん。それでもコツを教わりながら、シャリを握り続けました。その中で、握り直したこともあったそうです。「お客様からお代金をいただくので、新人といえども、しっかりとした品質のお寿司を提供しなければいけませんから」。握り続けて3カ月ほど、お盆ごろには、店長に太鼓判を押されて独り立ちできました。
うまくできないときは、
解決策を求めて先輩に相談する。
中里さんは、白石本通店から発寒店を経て、八軒店に配属。それから1年が経ちました。「ホール接客」と「握り」だけではなく、「仕込み」「発注」「売上報告」「材料費の計算」など、ひととおりの業務を経験し、実力をつけてきました。今は、後輩の指導やフォローにもあたっています。
「僕の体験談が役に立つかどうかは分からないけれど、先に経験した者として相談に乗れると思っています」。そう話す中里さんは、仕事で壁にぶつかったとき、どうしたのかというと……「負けず嫌いなので、どんな仕事もすぐにできるようになりたいんです。だから、先輩方にアドバイスを求めて相談しました」
高校時代は部活動に打ち込み、アルバイト経験がなかったこともあり、入社したてのころは、年長者とのコミュニケーションに戸惑ったといいます。しかし、持ち前の対人力とガッツで良好な人間関係を築き、そこからの学びを仕事に生かし、自分の成長へとつなげてきました。これまでに勤務した3店舗の店長は三者三様ですが、「全員を尊敬しています。同じにはなれないけれど、いいところを吸収しながら、自分を高めていきたいです」
「八軒の元気玉」として、
店長を目指して日々精進。
中里さんの名札には「八軒の元気玉」という二つ名が書かれています。白石本通店に配属されたとき、当時の店長がつけてくれたのだとか。「右も左も分からない新人でもあいさつなどで声をしっかりと出すことはできます。だから、仕事中は威勢よく声を出すように心がけていました。そうすると笑顔も自然と出るようになりました」。店舗が変わっても、元気玉の名にふさわしく、元気な声と明るい笑顔で、「鮨処なごやか亭」らしい活気のある店づくりに貢献しています。
これからの目標は、やはり店長になること。だからこそ、後輩たちの教育にあたっては、「感謝の言葉をちゃんと伝えること」と「尊敬される人間になること」を強く心に留めています。「みんなが信頼してついてきてくれる、それが上に立つ者の理想の姿だと思うのです」と中里さん。そのためには、与えられた仕事をしっかりとこなしながら、お店をより良くしよう!と意識することが大事だと考えています。「従業員全員が同じ方向を見て、店を盛り上げていくことで、お客様の期待に応えられ、満足していただけるのではないでしょうか」。遠くない未来には、店長として店を切り盛りする中里さんに会えそうです。
シゴトのフカボリ
回転寿司店舗スタッフの一日
8:00
出勤、ネタの仕込み
10:30
朝礼
11:00
開店/握り、ネタの仕込み
13:00
休憩
14:00
握り、ネタの仕込み
17:00
退勤
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
システム手帳
二十歳のお祝いに会社からサプライズで贈られたものです。それから2年、上司や先輩から教わったことや仕事をするなかで気づいたことなどをこまめにメモするようにしています。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

大小の失敗をしながら反省し、学び、今があります。失敗にはマイナスイメージが付きまといますが、そこから改善点が見えてくることもあります。だから、失敗を発見ととらえて、前向きに挑戦し続けたいですね。

株式会社三ッ星レストランシステム

食を楽しみ、文化と考える「イーターテイメント」をミッションと考え、「鮨処なごやか亭」をはじめ、食のおいしさ 、楽しさを伝える「三ッ星級」レストランを26店舗を展開しています。

住所
北海道釧路市春採5丁目16−10(本社)
TEL
0154-46-8484
URL
http://www.mitsuboshi.net/recruit/

お仕事データ

おいしさと快適な時間を提供。
飲食店スタッフ
飲食店スタッフとは
接客や調理によって、
お客様に「おいしい時間」を。

飲食店の仕事は、多くの場合「ホール」と「調理」に分けられています。ホールスタッフは主に接客サービスを担当。客席への案内や注文のお伺い、配膳、会計などを行います。調理スタッフは料理の下ごしらえや味付け、調理、盛り付けに加え、キッチンの清掃や調理用具の手入れなども担うことが多いでしょう。さらに、飲食店店長がホール・キッチンスタッフのマネジメントや教育を手がけ、売上の管理や食材の発注、営業計画といった幅広い業務も守備範囲に据えながら店舗全体を運営しています。店舗の規模によっては各ポジションを兼務することもあるでしょう。これら飲食店スタッフはお互いに連携しながら、お客様に「おいしさ」と「快適な時間」を提供しています。

飲食店スタッフに向いてる人って?
明るく清潔感があり、
チームワークを大切に働ける人。

飲食店スタッフに共通して必要なのは食に対する興味はもちろん、おいしい料理とともに快適なひとときを提供したいという気持ちです。また、接客や調理をともなう仕事である以上、明るく清潔感のある人が求められます。ランチタイムやディナータイムといった忙しい時でも、お客様にスピーディーに料理を提供しなければなりません。そのため、チームワークを大切に、効率良く作業を進める力も必要です。

飲食店スタッフになるためには

飲食店スタッフになるために必要な資格はありません。高校や専門学校、短大、大学を卒業後、希望する飲食企業に入社するのが一般的です。その他、調理専門学校で調理の基礎や調理師の資格を身に付けたり、栄養士養成施設として指定認可された学校で栄養士の資格を取ったり、食に関連する学校に進んだ後に就職するコースを選ぶ人も少なくありません。ホールスタッフや調理スタッフとして経験を積んだ後、飲食店店長を目指すことも可能です。

ワンポイントアドバイス
スタッフのマネジメントが
とりわけ大切な仕事。

飲食店店長を筆頭に、ホールや調理のリーダー職を務める飲食店スタッフにとって、人材のマネジメントは売上に関わる重要な業務。部下やアルバイトをまとめ、一人ひとりが生き生きと働けるよう管理・教育することでやる気と能力が引き出されます。具体的には人員が不足しないように配慮しながら休み希望を取り入れたシフトを作成したり、元気のない人に声がけしてモチベーションを高めたり、仕事への意欲を促すことでお客様への貢献につなげることが大切です。

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