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山本  唯那さん
インタビュー公開日:2023.06.12

「ホテルは人を幸せにできる」
小さなころ抱いた思いを現実に。
ファミリーで楽しめるホテルから、落ち着いた高級ホテルまで、ホテルに泊まった楽しい思い出があるという人は多いのではないでしょうか。現在、望楼NOGUCHI函館で働く山本唯那さんは、その思いを強く持ったことから、今の道につながっているといいます。
「小さいころから、何度か家族で野口観光のホテルに行き、スタッフの方に優しく接してもらいました。そこで、『ホテルは人を幸せにできる』と確信し、ホテルで働きたいと思うようになったんです」
そして、進路を決める高校生の時に、進路指導の先生が持ってきてくれたのが、ちょうどその年に開校する野口観光ホテルプロフェッショナル学院のパンフレットでした。この学院は、ホテルのプロを養成する職業訓練校で、ホテルのサービスに関する知識や技能のほか、語学や会計業務など、ホテル経営に関する知識を幅広く学べる学校です。話を聞き、充実した教育体系に、先生や親も「ここなら大丈夫」と安心してくれて、一期生として入学を決めました。
野口観光が創った学院の一期生に。
座学と実地研修で学びました。
新苫小牧プリンスホテル「和〜なごみ〜」に併設されている学院で講義を受け、ホテルでフロントや清掃、ベッドメイクなどの業務を行い、現場で働きながら学ぶ日々。また、ホテルの繁忙期に当たるゴールデンウイークや夏休み、正月などには、道内や関東地方にある野口観光の各館で就労研修がありました。
「普段の苫小牧での就労は仲間と一緒ですが、各地の館(やかた)での研修は一人ずつだったので怖かったのを覚えてます。後で聞いた話ですが、私たちは一期生だったため、受け入れる側の先輩たちも不安だったそうです。フロントでのお客様のお出迎えや、レストランで食器を下げる仕事をさせてもらいましたが、実際に飛び込んでみると『働いた方が楽しい!』と思いました。特に、今の職場である望楼NOGUCHI函館はハイクラスの館なので、研修前は怖くて嫌でした(笑)が、先輩が優しく、お客様も研修生のバッジをつけた私を見て『新入社員?専門学校生なの?』と気さくに声を掛けてくださり、とても働きやすくホッとしました」
一組のお客様と長く接する食事処。
気持ちよく過ごせるよう配慮を。
2年間の課程を経て、学院を卒業した28人の同期と共に、晴れて野口観光グループに就職。山本さんは、就労研修で好印象を持った望楼NOGUCHI函館に配属希望を出し、それが叶いました。入社後は約半年間、ジョブローテーションで予約やフロント、仕入れなどの業務を経験。中でも、山本さんが自分に合うと思ったのは食事処でした。
「ご宿泊のお客様にお食事を提供する仕事で、一組のお客様と接する時間が長く、お話をする機会も多いので、この仕事をじっくりやってみたいと思いました」。そして、秋には食事処に正式配属となりました。
望楼NOGUCHI函館の食事処は、全席個室でコース料理を提供します。お客様によって食事のペースが違うため、ちょうど良いタイミングで食事を出すのが難しいといいます。「お酒を飲まれるかどうかによっても違うので、感覚で覚えていくしかなく、お客様に声を掛けながら試行錯誤していきました」。お客様に気持ちよく食事をしてもらうために、見えない努力を重ねています。
3年目に試験を受けて管理職に。
後輩の指導など新しいことに挑戦。
お客様からは、サービスの時に「ありがとう」と直接声を掛けてもらえるだけでなく、アンケートに名前を書いてもらえたり、何度も足を運んでいるお客様が名前を覚えてくれていたりと、うれしい瞬間も多いといいます。
入社3年目に、館の支配人のすすめで管理職である「アシスタントマネージャー」への昇進試験を受けて合格。食事処を管理する立場になりました。それからは、お客様と接する業務に替わって、シフトの作成や勤怠の管理などの事務作業も増えました。また、クレーム対応も管理職の役目です。
大変な面もありますが、「どうやったら解決できるか、どうやったら良くなるか」を考えて次の目標につなげることも楽しいと山本さん。支配人も気軽に相談に乗ってくれるそうで、初めてのことでも果敢に挑戦しています。
「今は、部下から相談してもらえることがうれしいですね。年が近いので相談しやすいのかもしれません」
お客様を幸せにするホテルをつくる。
スタッフとして着実に前進。
調理師と綿密に打ち合わせをしたり、食事とお酒のペアリングについて学ぶために近隣の飲食店に足を運んだりと、食のサービスを追求。また、食事処への配属当初から、ホテルの業務全体を習得できるよう、フロントのシフトも定期的に入っています。学院の一期生として、今は管理職となり、着実にホテルスタッフとしてステップアップしています。
「私がホテルで働きたいと思った時から抱いている『ホテルは人を幸せにできる』という思いは、今も変わりません。来てくれたお客様に幸せな気持ちでチェックアウトしていただくために、どうしたらいいかといつも考えています。自分のサービスもそうですし、部下の指導もそのことを念頭に行っています」
学院の修了生として同院で講話をする機会もある山本さんは、後輩にもその思いを熱く伝えています。上司や仲間、後輩にも支えられながら、理想のホテルをつくるため、日々前進しています。
シゴトのフカボリ
ホテル食事処スタッフの一日
6:00
出勤、朝食の準備
7:00
朝食のお客様をお迎え、調理場で指示出し
9:00
ラストオーダー
10:00
朝食終了、卓の食器を下げる、夕食のセット
11:00
中抜け
16:30
出勤、当日のお客様情報確認、担当振り分け
17:00
夕礼、お客様情報と役割分担の共有、準備
17:30
夕食開始、サービス
21:00
夕食終了、片付け、締め作業
22:00
退勤
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
仕事の内容をまとめたノート
入社当初から、仕事の内容をコツコツ書き溜めてきたノート。今は、部下に教える時に役立っています。
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

お客様を幸せにするおもてなしは、まず笑顔から!学院で学んだ時も笑顔の練習をしました。マスクで接客する時も、お客様に伝わるように顔全体での笑顔を心掛けています。

お仕事データ

お客様に快適な時間と空間を提供。
ホテルスタッフ
ホテルスタッフとは
さまざまな部門が連携し、
お客様に細やかなサービスを。

ホテルではお客様をもてなすためにさまざまな部門のスタッフが連携して働いています。例えば宿泊部門ではカウンターで受付を担当する「フロントスタッフ」、お客様を客室まで案内する「ベルパーソン」、あらゆる要望や問い合わせに応える「コンシェルジュ」、そして客室の清掃やベッドメイキング、備品の補充など担当をする「ハウスキーパー」などがあります。その他、料飲部門では「ウェイター・ウエイトレス」や「調理師」がレストランのサービスや調理などを担当し、宴会部門では「プランナー」が結婚式やセミナーなどの行事を取り仕切ります。

ホテルスタッフに向いてる人って?
ホスピタリティマインドを持っている人!

ホテルスタッフの仕事はお客様に快適な時間と空間を提供すること。どの部門で働くとしても、「相手が喜んでくれることがうれしい」というホスピタリティマインドを持っていることが大切です。また、ホテルスタッフの多くが接客業なので、お客様の気持ちを察するための目配りや気配りができる人にも向いています。ホテルでは大勢のスタッフと連携して働かなければならないため、各部門と協力し合うチームプレーも求められるでしょう。

ホテルスタッフになるためには

ホテルスタッフには特に資格は必要ありません。高校・専門学校・短大・大学卒などさまざまな学歴の人が働いています。一部には観光学科をはじめホテルの知識を得られる教育機関も。ホテルスタッフになるには各ホテルの採用試験を受けるのが近道です。また、調理や結婚式の部門を目指す場合は、それぞれの学びに特化した専門学校などもあります。

ワンポイントアドバイス
語学力や国際感覚を身につけよう!

近年、外資系のホテルが国内にも多数進出したことや、外国人観光客を呼び込みたいホテル側の要望により、ホテルスタッフにはこれまで以上に語学力や国際感覚が求められるようになりました。ホテルスタッフとして一流の立ち居振る舞いを身につけた上で、国際化に対応できるスキルをさらに身に付けられれば、その後のキャリアアップにも役に立つでしょう。

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