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製造スタッフ_松川 卓海さん
インタビュー公開日:2026.09.29

動き続けるセカイを支える
北日本精機のEZOベアリング
芦別市にある北日本精機株式会社では、「ベアリング」という精密部品を製造しています。「初めて聞く言葉…」という人もいるかも知れませんが、実は、私たちの身のまわりでは数多くのベアリングが使われ、便利で快適な暮らしには欠かせないものです。
わかりやすい例は自動車。エンジンの力を効率よく伝えたり、タイヤを滑らかに回転させたりするのがベアリングの役割。もしベアリングがなければ自動車はスムーズに動かず、人の移動や物流が停滞してしまいます。環境にも悪影響が及ぶでしょう。
北日本精機ではドローンや半導体製造装置、パソコンや医療機器など、さまざまな機械・装置に合わせたベアリングを製造し、「EZOベアリング」のブランドで日本国内はもちろん海外約30カ国に輸出。「世界最高水準の品質と性能」と高い評価を受けています。
AIの進化で加速するロボット開発。
ベアリング需要も右肩上がりに。
北日本精機で働く松川卓海さんは、ベアリングの組み立て部門に所属しています。ベアリングを構成する内側の輪と外側の輪、その間に入るボールや保持器という部品を専用機械に投入し、製品に仕上げるのが役割です。高校卒業と同時に就職し、現在14年目。途中で部署が変わる人も多い中、松川さんは組み立て一筋で技術と経験を積み重ねてきました。
「ハンドスピナーというおもちゃがありますが、あれはまさにベアリングそのものです。ベアリングには物が回転する時の抵抗を小さくするはたらきがあり、世の中の“まわるもの”には大体使われています」
松川さんの部署ではEZOベアリングシリーズの中でも、「ミニアチュア」と呼ばれる小型ベアリングの組み立てを担い、作られた製品は産業用ロボットや歯医者さんが使う小型のドリル、スケートボードなどに使われています。
「最近はAIの進化で、世界中でさまざまなロボットが作られています。その結果、大量のベアリングが必要になりつつあり、当社へのニーズが大きくなってきているのを実感しています」
目には見えない異常を察知。
ブランドの信頼を守ることが役割
「ベアリングの組み立ては機械で行いますが、材料を入れるだけで完璧な製品が出てくるわけではありません。気温や湿度、気圧など、さまざまな要素が重なると、わずかな歪みが出たり、細かな傷がついたりする。そこを見逃さず製造ラインを微調整し、規定通りの製品を作り上げるのが僕らの仕事です。高い品質を維持することが、ブランドの信頼を守ることにつながる。責任は大きいですが、やりがいを感じる部分でもあります」
ちなみに松川さんが言う「歪み」は人の目ではわからないほど微細なもの。専用の機械で計測してはじめて確認でき、ベアリングを回転させた「音」の微妙な違いで、異常がないかを調べる検査もあるといいます。
「入社したばかりの新人は機械に材料を投入するところからスタートします。その後、『段取替え』といって、別の製品を作るために生産ラインの機械を組み替える作業を覚えていく。それと並行して不具合が発生した時の対処法や機械の調整の仕方を先輩から学んでいきます。一通りの仕事ができるまでには7〜8年はかかります」
仕事のやり方だけじゃない。
先輩から教わった大切なこと
18歳で入社した当初は「右も左もわからなかった」と笑う松川さん。社会は厳しい場所というイメージもあり、働くことへの不安は小さくありませんでした。
「でも実際は、想像以上に温かな場所でした。部署の先輩たちはみんな優しかったですし、わからないことを聞けば何度でも丁寧に教えてくれました。一方、ダメなことはダメと言ってくれ、社会人として大切なこともたくさん学ばせてもらいました」
それは、松川さんが入社して間もない頃のこと。組み立て部門で働き始めた松川さんは時間をまったく気にせず、マイペースで仕事をしていました。しかし、作業が遅くなると次の工程に迷惑がかかります。それを見た先輩が伝えたのは「一度悪い印象がつくとなかなか取り戻せない」ということ。時間通りに作業をすることは周りのためであり、自分のためでもあると教えられた出来事でした。
「仕事中は真面目に、でも休憩時間などは他愛のない冗談で盛り上がる事が多いです。仲の良い職場だと思います。時々皆で飲みに行ったり、夏にはBBQを楽しんだりもします」
この職場だからこそ
自分の成長を実感できた
北日本精機は最近、職場近くにユニークな施設を開設しました。そこでは従業員が自由にスポーツを楽しんだり、楽器の演奏ができたり、なんとサウナにも入れたりするそう。
「もともと小学校だった建物を従業員向けのレクリエーション施設として整備したんです。体育館は全面ネット張りで、ゴルフの練習もできます。僕は会社の野球チームに所属しているので練習場所として活用する機会は多いですね。サウナは本格的なバレル式です」
今は組み立て部門のベテランとして活躍する松川さんですが、実は、はじめからものづくりに関心があったわけではありません。早く親に楽をさせたいという思いから高卒での就職を考え、地元で一番大きい会社という理由で今の職場を選びました。
「ボーナスが出るって聞いて、正直、それが志望動機でした(笑)。でもここを選んだからこそいい先輩たちに恵まれましたし、仕事を通じて自分の成長を実感することができました。自分が作った製品が世界で注目される。そんな職場に出会えたことを嬉しく思っています」
シゴトのフカボリ
製造スタッフの一日
8:00
出社、現場入り・引き継ぎ、品質確認
機械稼働、調整・トラブル対応、製造ライン組み替え作業など
10:00
休憩(10分)
12:00
昼休憩(40分)
12:40
清掃時間(5分)
14:30
休憩(10分)
16:00
準夜勤担当者への引き継ぎ
17:00
終業

シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

扇風機や換気扇、パソコンの中のハードディスクなど、実は私たちの周りには「まわるもの」がいっぱい。世の中をスムーズに“まわす”のが僕たちの仕事なんです。

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具

六角レンチ
段替えや機械の調整に欠かせないのが大小さまざまな六角レンチ。プラス・マイナスのドライバーを使うことは、意外と少ないですね。

北日本精機株式会社

芦別市に工場を構える北日本で唯一のベアリングメーカー。高品質・高性能な製品として評価が高く、販売先は世界30カ国に広がっている。

住所
北海道芦別市上芦別町26番地23
TEL
0124-22-1250
URL
https://www.ezo-brg.co.jp/

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お仕事データ

工場内で製品を生産。
製造工
製造工とは
製品の加工や組み立て、
メンテナンスなどものづくりに携わる仕事。

製造工は家電やパソコン、電子機器といった機械製品から、住宅用資材、紙、プラスチック用品、さらには施設の一部に使われる大型製品まで、多種多彩なものづくりに携わる仕事です。主に工場のライン作業によって各パーツを加工したり、部品を組み立てたり、さまざまな工程を経て一つの製品を完成させます。一方で、繊細な手作業によってものづくりを行う職場も少なくありません。「つくる」だけではなく、製品の最終検査や梱包・出荷、納品後のメンテナンスや修繕を担うこともあります。いずれの作業もものづくりの世界には欠かすことができませんが、未経験者にも門戸を開く企業が多いことからチャレンジしやすい仕事です。

製造工に向いてる人って?
「ものづくりが好き」で、
根気強さと注意深さを持っている人。

製造工には「ものづくりが好き」という気持ちが欠かせません。作業自体は決められたマニュアルやルールに沿うケースが多いことから、同じ作業をコツコツと続けられる根気強さも必要です。また、機械で加工した部品に不良がないかチェックしたり、製品の最終検査をしたりすることもあるため、注意深いタイプの人も向いているでしょう。

製造工なるためには

製造工になるために必要な資格はありません。多くの場合、工業系の高校や専門学校、短大・大学を卒業後、製造工場を持つ会社に就職するのが一般的です。知識やスキルは入社後の教育・研修によって身につけられるため、未経験からでも挑戦しやすい仕事といえるでしょう。職場や手がける製品によっては、後々「フォークリフト」や「玉掛け」などの資格取得をすすめられることがあります。

ワンポイントアドバイス
マルチスキルを持った製造工が
今後のカギを握る存在に!?

これまでの製造工は、一人が一つの持ち場だけを担当するケースが一般的でした。けれど、ここ最近は複数台の機械を操作できたり、多くの作業や工程を担える技術を身につけたり、マルチスキルを習得させる企業が増えているようです。そうすることで皆で仕事を分散して業務量を平準化できる他、チームワークや組織の柔軟性が高まるといわれています。今後はマルチスキルを持った製造工が会社のカギを握りそうです。

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