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長沼 沙也加さん
インタビュー公開日:2018.06.01

在学中に介護福祉士を取得し
卒業と同時に介護職員に。
「『超』高齢社会」と言われるほど、今、日本では人口に占める高齢者の割合が急速に高まっています。そんな中、生活に不安を抱える高齢者が施設に入居することも一般的になり、施設の種類も多様化しています。
札幌市清田区にある「神愛園清田」は、病気や障がいのために在宅での生活が困難となった高齢者が入居する特別養護老人ホーム。ここで介護職員として働いているのが長沼沙也加さんです。
「神愛園は札幌では数少ないキリスト教系の施設。毎朝、牧師さんが来られて礼拝を行うんですよ」と、笑顔で職場の特徴を紹介してくれた長沼さん。
長沼さんは在学中に国家資格である介護福祉士の資格を取得し、新卒で介護職員となりました。
人生の最後まで寄り添えることに
やりがいの大きさを感じました。
子どものころは祖父母だけでなく曾祖父母とも一緒に暮らす大家族だったと長沼さん。
「特に私はおばあちゃん子で、昔話などを聞かせてもらうのが大好きでした。叔母が介護福祉士をしているので介護の仕事には身近さを感じていて、おばあちゃんのような世代の方の役に立てるならと介護福祉学校に進学したんです」
現在の職場である神愛園清田は在学中に実習先として訪れた施設だったそう。
「いくつかの施設で実習をさせていただき、その中で一番自分に合っていると感じたのが神愛園でした。実習期間中にご利用者の看取りをさせていただく機会があり、人生の最後まで寄り添える働きがいのある職場だと思ったんです」
親しみの中にも利用者様への
尊敬の気持ちは不可欠です。
長沼さんの日々の仕事は入居する高齢者の日常生活支援。
「ご利用者によって必要な支援の度合いは異なりますが、食事の介助やトイレ介助、入浴介助など生活全般の支援を行っています。シフト制で夜勤も行います」
働き始めた当初は学校で学んだことと実践とのギャップに戸惑いもあったそう。しかし、「ご利用者に安心して身を委ねてもらえるようになりたい!」と先輩職員からも積極的に技術を学び、ステップアップを重ねていきました。
「最初のころは自分の祖母に話すような『タメ口』になってしまい、よく先輩に注意されました(苦笑)。親しくするのは大切ですが家族とは違いますから、敬意を払うことが大切なんです」
恐ろしいヒートショック。
北海道では寒暖の差に注意。
ヒートショックとは急激な温度差によって血圧が急変し、失神や脳梗塞、心筋梗塞などを引き起こしてしまうこと。特に冬場に起こりやすく、高齢者が命を落とすケースが少なくありません。
「北海道では寒暖の差が大きくなりやすいので、入浴介助の際には浴室をしっかりと暖めるなどヒートショックの危険が無いように注意を払っています。また、ご利用者の中には体温調整が難しく、体の中に熱がこもりやすい方もいます。暖房が強すぎると空気も乾燥しやすくなりインフルエンザなどの危険も高まります。冬場は『寒さ』にも『暑さ』にも注意が必要なんです」
生活の質を高めるために
試行錯誤することも仕事の醍醐味です。
一人ひとりの生活をどうすればより良いものにできるか。それを追求することに、この仕事の醍醐味があるという長沼さん。
「たとえば『自分で立てるようになりたい』というご利用者に対して、機能訓練士やケアマネさんと相談しながら歩行練習のメニューを考えたり、お花が好きなご利用者と一緒に花壇を作ったり。そうした支援を通じてご利用者が笑顔になって『ありがとう』と言ってくれることが一番の喜びですし、もっと頑張ろうと励みにもなります」
介護職員として働き4年目となる長沼さんは、これからは後輩の指導にも力を入れていきたいと意欲を見せます。
「新たにこの世界に飛び込んできた人たちに、介護という仕事ならではの魅力を伝えていきたいと思っているんです。簡単な仕事ではありませんが、それだけにやりがいも大きいんだと知ってほしいですね」
一人ではできない。
みんなで支えるという気持ちが大事。
介護の仕事に対して「大変そう」というイメージを持っている人は少なくないでしょう。責任も大きいため、何もかも自分ひとりで対処しようとすれば「大変な仕事」なのは間違いありません。
「だからこそ介護の世界はチームプレー。誰か一人が負担を背負い込むのではく、各分野の専門家が連携しながら、一人の利用者様をみんなでサポートするんです」
また長沼さんは「介護は未来につながる仕事」と強調します。
「実は私の妹が保育士で『(子どもたちの成長を支える保育士と違い)介護は未来につながらない』なんて言うんです。でもそんなことはありません!利用者様にはお子さんやお孫さんがいて、私たちが介護をしている様子をよく見てくれているんです。そしてきっと自分たちの未来について考えてくれているはず。私たちの仕事は『人がどう生きるか』というテーマにもつながっているんです」
シゴトのフカボリ
介護福祉士の一日
7:30
出勤、夜勤者から引き継ぎ
8:00
朝食介助、口腔ケア
9:00
礼拝、朝の体操
10:00
トイレ介助、健康チェック
11:00
水分介助、嚥下体操※
12:00
昼食介助
14:00
レクリエーション
15:00
入浴介助
16:10
夜勤者へ引き継ぎ、退勤
※食べ物を飲み込む時にむせないようにするトレーニング
(上記は早番勤務の場合です)
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

寄り添う気持ちの大きさが、やりがいの大きさになるんです。

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
面接ノート
このノートは、在学中に介護業界を目指した志望動機などをまとめていたもの。就職面接のために用意したノートですが、これを見ると当時の新鮮な気持ちが蘇り、やる気がチャージされるんです!

特別養護老人ホーム 神愛園清田

北海道では数少ないキリスト教系の介護施設。『隣人を愛する精神ですべての方に仕える介護を』を理念に専門性の高い介護サービスを提供。

住所
北海道札幌市清田区清田6条1丁目1番30号
TEL
011-886-6800
URL
https://www.shinaien.or.jp

お仕事データ

介護現場のまとめ役!
介護福祉士
介護福祉士とは
現場をまとめる
介護のスペシャリスト!

日常生活が困難なお年寄りや体が不自由な人のサポートをする仕事。業務内容は入浴や食事、排せつの補助といった「身体介護」、調理や掃除などの「生活のサポート」、本人やそのご家族への生活、身体、介護に関する「相談・助言」、外出や地域活動などで生きがいづくりを提供する「社会活動支援」の4つに大きく分かれます。一般的な介護職員と仕事が大きく異なるわけではありませんが、介護福祉士は「ケアワーカー」という現場の責任者になったり、介護の指導にもあたれる「介護のスペシャリスト」です。

介護福祉士に向いてる人って?
人を思いやる気持ちとタフさが必要。

高齢者の役に立ちたいという気持ちはもちろん、どういう要望があるのか、どんな痛みがあるのかなど、相手の立場に寄り添って考える「人を思いやる気持ち」が大切です。入浴の補助やベッドでの体位変換といった仕事も多いことからタフさも必要。疲れをしっかりリフレッシュし、自分の気持ちをコントロールできる人も向いているでしょう。

介護福祉士になるためには

介護福祉士は国家資格。取得には試験を受ける必要があり、受験資格を得るにはさまざまなルートがあります。最も一般的な方法は、大学・短大・専門学校といった介護福祉士の養成を目的とした学科・コースに進み、試験を経て資格を取得するというもの。他にも福祉系高校に通う、実務経験を3年以上積んだ上で「実務者研修」を経て受験資格を得る道もあります。

※詳しくは公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページをご確認ください。http://www.sssc.or.jp/

ワンポイントアドバイス
ステップアップやより良い待遇に。

多くの介護事業所では、介護福祉士の資格を取得することで資格手当が上乗せされます。また、サービス提供責任者や生活相談員、チームリーダーなど事業所で配置が必要となるポジションは介護福祉士の有資格者を求める場合が少なくありません。介護業界でステップアップしたい人やより良い待遇を望む場合は、介護福祉士にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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