山川 昴平さん
インタビュー公開日:2021.04.16

デイサービスで楽しそうに働く
母親の背中を見て介護の世界へ。
ここは南幌町の中心部にある特別養護老人ホーム「みどり苑」。人懐っこい笑顔をみせてくれるのは介護福祉士の山川昴平さん。
「母がデイサービスの職員。幼い頃から母の職場で遊んだり、その仕事ぶりを見て育ったので介護の世界がとても身近でした」
足寄町の出身。地元の高校を卒業する際、野球の道に進みたいという夢もありましたが、おじいちゃん、おばあちゃんに慕われながら楽しそうに働く母親の姿に自分の将来が重なり、栗山町の北海道介護福祉学校への進学を決めました。
「当初は高校の延長のふわふわした気持ち。でも尊敬できる先生や同じ夢を追いかける仲間と出会い、さまざまな経験を重ねる中で、誰かの役に立つ存在になりたい、介護の世界で活躍したいという気持ちが強くなっていったんです」
介護のイメージを変えてくれた
施設長との出会い
山川さんが就職先にみどり苑を選んだ理由とは何だったのでしょう?
「一年生の時、先生が推薦してくれた実習先がみどり苑。そこで出会ったのが当時はまだ係長だった佐久間さん(現施設長)。介護という仕事の意義、そこに生まれる本来のやりがいなどを一つ一つ言葉にして、教えてくれました」
例えばお年寄りのために身を粉にして働く…そんなイメージを抱かれがちな介護を「お年寄りたちのヒーローになる仕事」と表現しモチベーションを高めてくれたり、介護施設を開放的な雰囲気にするためのアイデアを熱心に語ってくれたり。
「温かな施設というより、自分の親に利用させてあげたい施設と表すほうがしっくりくるように、漠然としていた介護の世界をわかりやすい言葉で表現してくれたんです。それまでのモヤモヤが消え、目の前がぱっと開けたような気持ちになりました」
さらに職員のみなさんの充実感あふれる表情などにも背中を押され、山川さんは“一年生の時点で”みどり苑への就職を決めていたといいます。
お年寄りからの信頼は
小さな取り組みの積み重ねから
佐久間さんのような頼もしい存在になりたい。そんな思いを抱いて働き始めた山川さんでしたが…
「利用者さんのためにと思ってしたことが余計なおせっかいだったり、今すぐ来てほしいと言われているのに手が離せなかったり。利用者さんを惑わせたりすることもしょっちゅう。最初の頃は頭での考えと自分の行動のギャップに戸惑ってばかりでした」
そんな凹みがちの日々を支えてくれたのは、職場の先輩たちでした。
「一人で解決しようとせず、辛いことや不安をどんどん打ち明けてと言われました。その一言ですっと心が軽くなった気がしました」
さらに利用者さんを「お年寄り」という同じ枠にはめるのではなく、一人ひとりに最適な対応を心がけると、互いの距離は少しずつ縮まっていくこともわかってきました。
「利用者さんからの信頼は、日々の取り組みの積み重ねが築くものなんですよね」
何気ない言葉だけど温かい、
そんな一言がまた聞きたくて
介護の仕事に就いて2年。額に汗しながら利用者さんと接する山川さんの姿はとてもハツラツとしています。
「そうですか(笑)まだまだ失敗の連続ですけどね」照れ笑いをする山川さんですが、最近は「キミがいてくれてよかった」「あなたがつくるかき氷が大好き」と声をかけてくれるお年寄りが一段と増えたとか。
「なにげない言葉だけれど、とっても温かで心にジーンと響きます。そんな声をもっともっと聞きたくて、次の仕事、次の作業に取り組んでいる気がするんです」
ふと利用者さんに呼ばれ、そちらの方へ駆け寄る山川さん。その胸に、学生時代のあの研修の時に佐久間施設長が教えてくれた一言がよみがえります。
ー山川くん、介護は心の仕事なんだよー
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

手を差し伸べたい、お話を聞いてあげたい、ここは自分でさせてあげよう…自分の心から湧き上がる温かな感情が介護の原動力になる…そんな気がしています。

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
ポーチの中を拝見!
腰に下げるポーチの中には、職員間で連絡を取るインカム、消毒液、カードなどがぎっしり!ペンは学生時代の恩師から頂いたのだとか。

社会福祉法人 南幌福祉会
特別養護老人ホーム 南幌みどり苑

地域や家庭との結びつきを重視し、快適な生活を送ってもらえることを基本理念に真心のこもった介護サービスを提供しています。

住所
北海道空知郡南幌町元町2丁目2番2号
TEL
011-378-1556
URL
https://www.n-fukushikai.or.jp/

お仕事データ

介護現場のまとめ役!
介護福祉士
介護福祉士とは
現場をまとめる
介護のスペシャリスト!

日常生活が困難なお年寄りや体が不自由な人のサポートをする仕事。業務内容は入浴や食事、排せつの補助といった「身体介護」、調理や掃除などの「生活のサポート」、本人やそのご家族への生活、身体、介護に関する「相談・助言」、外出や地域活動などで生きがいづくりを提供する「社会活動支援」の4つに大きく分かれます。一般的な介護職員と仕事が大きく異なるわけではありませんが、介護福祉士は「ケアワーカー」という現場の責任者になったり、介護の指導にもあたれる「介護のスペシャリスト」です。

介護福祉士に向いてる人って?
人を思いやる気持ちとタフさが必要。

高齢者の役に立ちたいという気持ちはもちろん、どういう要望があるのか、どんな痛みがあるのかなど、相手の立場に寄り添って考える「人を思いやる気持ち」が大切です。入浴の補助やベッドでの体位変換といった仕事も多いことからタフさも必要。疲れをしっかりリフレッシュし、自分の気持ちをコントロールできる人も向いているでしょう。

介護福祉士になるためには

介護福祉士は国家資格。取得には試験を受ける必要があり、受験資格を得るにはさまざまなルートがあります。最も一般的な方法は、大学・短大・専門学校といった介護福祉士の養成を目的とした学科・コースに進み、試験を経て資格を取得するというもの。他にも福祉系高校に通う、実務経験を3年以上積んだ上で「実務者研修」を経て受験資格を得る道もあります。

※詳しくは公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページをご確認ください。http://www.sssc.or.jp/

ワンポイントアドバイス
ステップアップやより良い待遇に。

多くの介護事業所では、介護福祉士の資格を取得することで資格手当が上乗せされます。また、サービス提供責任者や生活相談員、チームリーダーなど事業所で配置が必要となるポジションは介護福祉士の有資格者を求める場合が少なくありません。介護業界でステップアップしたい人やより良い待遇を望む場合は、介護福祉士にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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