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坂口  大昌さん
インタビュー公開日:2021.03.01

「麺」が身近だからこそ、
自然と生まれた跡継ぎへの思い
昭和3年創業の株式会社さがみ屋は、札幌でも有数の老舗製麺店。その営業課長として働く坂口大昌さんは、現社長の息子さんで未来の「三代目」でもあります。
小さい頃はお父さんが会社のサンプルラーメンを作ってくれたり、会長であるおじいさんが工場に連れてきてくれたりしたそうです。
「自分ではハッキリと覚えてませんが、周囲のベテラン社員によると、どうやら僕は工場内を遊び場にしていたようですね。親からは会社を継ぐように言われたことはありませんが、幼いときから『麺』が身近だったこともあり、心のどこかで漠然と『跡を継ぐのかな』と考えていました」
そんな思いが「自分が跡を継ぎたい」に変わり、大学を卒業後、札幌に戻り、株式会社さがみ屋に入社しました。
顧客との信頼関係を深める、
という営業職としての手応えも。
坂口さんは「社長の息子」とはいえ、特別扱いされることもなく、入社後は社内の仕事を知るためにさまざまな部署を経験。
「最初は配達でお客様のところに行ったり、工場に入り製造の現場を手伝ったりなどあらゆる業務を担当しました。振り返ってみると、その日々がいわゆる研修だったんですね」
そのマルチな仕事は4年目くらいまで続きます。
「当社は本来製造なら製造、営業なら営業と持ち場が分かれていますが、僕の場合、将来を考えていろいろな部署を経験させてくれたのだと思います。実際は人手不足のところにあてがわれていただけかもしれませんが(笑)」
その後は、少しずつ担当のお客様を持つようになり、新規受注や麺の改良相談などの顧客管理を中心とした営業業務にシフト。さらにお客様が出展する催事や物産展などのイベントもサポートするようになると、信頼関係が深くなり、一層の手応えを感じたといいます。
麺作りのポイントは、
お客様のニーズを捉えること!
さて、株式会社さがみ屋では、麺の開発・製造はどんなふうに進むのでしょうか?
「当社はラーメン店がメインのお客様で、『特注麺』と呼ばれる店舗ごとのオリジナルの麺を製造することを強みとしています。」
麺生地、縮れ方、太さ、長さなど麺の種類は膨大で、数え切れないといいます。営業はまずはお客様にスープの特徴や原料の要望などをヒアリング。食感やのどごしなど、お客様の希望に沿った麺を製造部と相談しながら試作を重ね、試食と改良を繰り返して、理想に近づけていきます。長いときには完成まで数ヶ月かけることもあるとか。
「完成後もスープの改良や新メニュー開発などがあるため、随時、お客様とコミュニケーションを取りながら、新たな要望をキャッチし、それに応えることが大切です」
また、ラーメン店経営にノウハウのないお客様には、麺だけではなく、業務用スープの提供や空店舗の案内、メニュー開発など、開業に必要なことをトータルコンサルティングすることもあるといいます。
営業課長として管理する立場に。
会社の広報的な役割も担当。
坂口さんは3年前に営業課長に昇進。営業と配送を管理する役割を担うようになりました。
「お客様の麺に対する希望は伝え方がそれぞれ違い、ニーズを把握するには麺に対する知識と経験も必要。後輩にはケースバイケースの事例を挙げた上で具体的な提案方法を教えるよう意識しています。」
オンラインショップの企画管理やSNSの発信も坂口さんの担当。今年は新たにお店の味をそのままご家庭にお届けするというコンセプトの通信販売サイト「さがみ屋ラーメン商店街」を開設しました。
「新型コロナウイルスの影響もあり、ラーメン業界は低迷気味。少しでもお客様の売上に貢献できればという気持ちもありました。なにより『美味しいお店だから、ぜひ、食べて!』という思いの方が強かったんです(笑)」
ギフト系の商品は物産展などで販売するためにお客様の要望で開発するのだそう。取引先のタレメーカーと一緒にお客様の味に近づけていきます。
100年の伝統を守りながら、
次期社長としての挑戦も!
坂口さんに「この仕事の面白さは?」と尋ねると、
「自分が携わった麺を使ったラーメンがSNSにアップされて、『この麺いいね』って書き込みを見つけられたときはうれしいです。それがすなわちお客様に貢献したことになりますからね。」
お客様からの「いいね」や「これだよ、これ」という要望に応えられたときの喜びの一言が何より励みになるという坂口さん。これこそが営業職の醍醐味なのだとか。
「一般的に『札幌ラーメン』というと黄色い縮れ麺を想像する方も多いと思いますが、当社では移ろいが早い全国のトレンドを意識しながら、さまざまな麺を作っています。お客様のあらゆるニーズに答えられるようにトライしているのが当社の強みです。」
力強く語る坂口さんから感じられる次期社長としての責任感。100年近い伝統を守りながら、新しいことにもチャレンジしていきたいと最後に語ってくれました。
シゴトのフカボリ
製麺営業の一日
7:00
出勤 受注チェック
7:30
エリアごと仕分け 配送手配
8:00
ECサイトの受注確認・発注業務
10:00
事務作業
11:00
物産展打ち合わせ
12:00
昼食を兼ねて客先訪問
13:00
学校給食集荷作業
14:00
HP更新・SNS発信
15:00
新規店舗の商談
16:00
退勤
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

札幌ラーメンは北海道の大切なカルチャー(食文化)!それに携われることに幸せを感じています。だからこそ、その魅力を全世界に発信し、次世代に繋げていきたい!

シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
スマホ
お客様とのやり取りにかかせません。写真データの送付に最適で、日々のECサイトの更新、SNSの発信にも活用しています。

株式会社さがみ屋

昭和3年創業の札幌有数の老舗製麺店。顧客ニーズに合わせた麺づくりに定評があり、サッポロラーメンの枠にとらわれないさまざまな麺の開発・製造を行っています。

住所
北海道札幌市白石区平和通10丁目北6-16
TEL
011-864-3281
URL
http://www.sagamiya.co.jp/

お仕事データ

商品やサービスを販売!
営業
営業とは
商品やサービスを販売し、
売上に結びつける大黒柱。

一般に自社の商品やサービスを販売するのが営業の主な仕事。企業向けに販売する法人営業と、個人にセールスする個人営業とに大きく分けられます。とはいえ、商材によってスタイルはさまざま。見込み客を訪問し売り込む新規開拓営業、固定客を中心に訪問し取引するルートセールスなどがあり、扱う金額はもちろん、顧客とのコミュニケーション方法も異なります。また、販売戦略を立てたり、課題を分析したり、時にはお客様先に同行する営業企画を担うことも。営業に共通していえるのは商品やサービスを売上に結びつける、企業にとっての大黒柱!

営業に向いてる人って?
人と接することが好きな聞き上手。

営業というと明るく元気で話し上手な人をイメージしがち。けれど、押しが強く、口が達者なだけでは売上にはなかなか結びつきません。相手を尊重し、じっくりと耳を傾けてニーズを引き出すのが得意なタイプが、トップセールスを叩き出すケースも多いようです。「人と接することが好き」で会話のキャッチボールができることが大切です。

営業になるためには

基本的には特別な資格や学歴は必要ありません。ただし、海外との取引をする上で英語力を持っていた方が有利だったり、不動産会社では「宅地建物取引士」の資格が必要だったり、就職先や業界によって専門性が求められることもあります。営業企画の場合は、市場調査や分析などの知識があると活躍の幅が広がります。

ワンポイントアドバイス
タフな反面、結果への見返りも大!

営業職の特徴としては成果や実績をあげた人に、より多くの給料が与えられる「成果給」を取り入れている企業が多いこと。その場合、ビジネスの最前線で奮闘するタフな仕事の反面、結果を残せば見返りとして大きなインセンティブを手にすることができます。

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