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大松 将平さん
インタビュー公開日:2021.08.17

不特定多数の人に訴求するという、
テレビにしかできない役割がある。
若者のテレビ離れが進んでいるそうです。ネット上のコンテンツなら好きな時に見られるし、CMを飛ばしたり、野球中継では投球までのセッティングの時間を早送りすることもできます。その利便性が背景の一つなのだとか。
「『見たい時に見られないストレス』といったものが若い人たちの間にあるそうです。ドラマもリアルタイムではなくネットで。配信サービスが活況ですが、視点を変えてみると、テレビにしかできない役割が見えてきますよ」
そう話すのは、北海道文化放送営業部の大松将平さん。多くの人が利用するWeb上の配信サービスが、敢えてテレビで会員募集のCMを流すのはなぜか?答えは、Webの世界は見たい人だけが見るコンテンツが主体なのに対して、テレビ(地上波)は『不特定多数の人』が見るから。
「同じように、たとえばプロスポーツチームの番組なら、ファン以外の人の目にも入るので、興味がなかった人にも魅力を訴求することができるんです」
営業部という名前から想像したのとは、ひと味違った話が、冒頭から飛び出しました。
クライアントへの提案をきっかけに、
新たな番組づくりに発展することも。
テレビ局の営業の仕事。思いつくとすれば、番組のスポンサー探しでしょうか?
「正解です(笑)。最も重要な仕事です。ただ、それは一つの入り口だとも私は思っています。CMをきっかけに、さらに、そのクライアントにメリットを提供できる取り組みに結びつけることが大切なんです」
入社2年目に東京支社の配属となり、営業の仕事を担った大松さん。大手広告代理店と連携し、ナショナルクライアント(全国展開している企業)への提案を行っていました。どんなCM展開で、どんな効果を狙うか?そうした提案を重ねるなかで、営業サイド主導の番組づくりに発展することもあるのだとか。
「北海道をホームタウンとするプロスポーツチームの特番を、チームを応援しているクライアントに提案して制作したこともあります。そこでは、クライアントの商品と同時に選手の魅力も伝える番組内限定のオリジナルCMを制作し視聴者の方々への訴求を図りました」
企業のイメージアップを考えつつ、番組としても魅力のあるものに。そのさじ加減がポイントなのだと大松さん。経験に基づく、高度なセンスが問われる仕事のようです。
人と話すことが好きで、テレビが好き。
そして誰かの役に立ちたいという思い。
商業・経済系の大学を卒業した大松さんですが、学生の時には進みたい分野、取り組んでみたい仕事ははっきりしていなかったのだとか。
「そこで、就活の際には、自分はどんなタイプで、何がしたいのか、できるのかと、徹底的に自己分析を行いました」
人と話すことが好きなので、外に出ていろいろな人と会話する仕事。その仕事は誰かの役に立つこと。テレビを見ることが大好き。テレビなら、番組を通して会ったこともない人を幸せにすることができる――。そうした自分の志向などを洗い出し、テレビ局の仕事に行き着いたのだそうです。
「総合職として入社し、配属になったのが編成部。番組の広報、視聴率の調査、タイムテーブル上の番組編成が部署としての役割です。数字を元に、どういう番組づくりを行えば視聴率を増やせるかなどを考える、テレビ局の根幹をなす仕事です」
データや数字を扱うその仕事は苦手だったと告白しつつ、営業の視点から行う番組づくりに役立つ経験だったと大松さん。ところで、東京時代の話もそうですが、営業担当者が発案して番組ができることがある、というのはちょっと驚き、というか意外な気がします。
J1チーム・選手の魅力を伝えつつ、
クライアントにメリットのある番組。
編成部で1年目を過ごし、その後、8年にわたって東京支社で勤務して、本社=地元の北海道に戻ってきた大松さん。番組を企画してきた経験を活かし、日曜深夜に放送中の「コンサラボ」という地元J1チームの魅力を伝える番組の立ち上げにも関わりました。
「サッカーが好きなこともありますが、多くの方々に選手、チームの魅力を伝えると同時に、チームを支援し、番組を応援してくれるクライアントにもメリットを提供できると考えた上での企画でした」
営業担当者に与えられる裁量、守備範囲が広いからこそ、そうしたことができるのだと大松さんは話します。その番組にともなうスポンサーの収入見込みを計算し、局としてどんなメリットがあるかを、社内の関係部署に説明し理解を得ます。そして、企画が通った際には、制作スタッフに番組の意図を理解してもらい、効果的な演出をしてもらうことも大切な仕事になるのだそうです。
「商品の拡販による売上アップという直接的なメリットのほか、クライアントの企業ブランドを高め、伝えることも営業としての仕事。北海道に戻ってから、そのことを強く感じるようになりました」
クライアントの思い入れを理解し、
商品紹介の仕方を考えるのが楽しい。
地元のテレビ局の良さは、クライアントとの距離が近いこと。北海道で営業を始めて、そのことを痛感したと大松さん。
「担当者とじっくり話をし、商品への思い入れを理解したうえで、私ならどんなふうに、その商品を紹介するかを考える。そうしたやりとりが、今は楽しいですね」
その結果、商品が売れることも、営業の醍醐味と話します。一方、視聴者への訴求を考えた結果、多くの協賛企業が集まったという例も聞かせてくれました。
「コロナ禍の影響で子どもたちの体験の場が失われるなか、身近なスキー場で楽しんでもらうためのキャンペーン番組を、私も加わって札幌市と一緒に制作。北海道の雪、近郊のスキー場の魅力などをアピールしました」
その結果、応援してくれる企業が多数集まったほか、たくさんの家族連れの参加を得て、テレビの影響力の大きさを実感したと大松さんは嬉しそうに話します。そろそろ中堅の大松さん。誰かの役に立つことを考えるというモチベーションを常に保っていくことが目標、と話します。表情は柔和ですが、その点では一本、筋の通った大松さんです。
シゴトのフカボリ
テレビ局営業の一日
9:30
出勤
10:00
メール処理、資料整理
11:00
取引先で打ち合わせ
12:00
昼休憩
13:00
クライアントとロケの立ち合い
16:00
取引先で打ち合わせ
18:00
事務処理、企画資料作成、社内会議
20:00
退勤
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

これは、私が担当していたクライアントの企業メッセージですが、東京から地元・札幌への転勤を経て、言葉の深さに改めて気付かされています。同じ思いを持って、気持ちのこもった仕事をしていきたいと思っています。

北海道文化放送株式会社(UHB)

コーポレートメッセージは「すべては北海道のために」。1972年の開局以来、北海道全域にテレビ番組の放送を行い、道民に親しまれています。

住所
北海道札幌市中央区北1条西14丁目1-5
TEL
011-214-5200
URL
https://www.uhb.jp

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