村井  優斗さん
インタビュー公開日:2022.05.30

車両の部品を動かす油圧装置から
工場の設備まで幅広い提案を行う。
雪を路肩に寄せる除雪車のブレードを動かしたり、車載クレーンのブームを伸ばしたり、乗船デッキの床をスライドさせたり……。こうした稼働部分の多くには、油圧装置が使われています。これは、パスカルの原理と呼ばれる流体の圧力に関する法則を応用したもの……と、難しい話は省略しますが、油が伝える圧力によって、何かを動かす仕組みです。村井優斗さんが勤務しているのは、この装置の販売に半世紀の実績を持つ新栄プラント。
「油圧関連機器を稼働させる制御技術を応用して、食品をはじめとする製造工場で使われる各種装置の設計・施工も手がけているのが当社の特徴です」と村井さん。製品搬送ライン、製造装置、品質検査システム等々、その種類は多岐に渡ります。
「当社は商社ですが、油圧装置、工場の装置ともに設計・製作に関する提案も行えることが強みです」間髪を入れず、力説する村井さん。会社に惚れ込んでいるようすです。
設備メーカーなどとタッグを組み、
トータルなコーディネートを実施。
入社4年目に入った村井さんの仕事は「営業技術職」。油圧装置、工場の各種装置について提案活動を行い、受注を得ることがミッションです。前者は除雪機械、建設機械、農業機械など特殊車両のメーカー、後者は食品製造会社の工場などがクライアントです。
「油圧装置に関しては、クライアントから指定された品番の製品を納入するだけのこともあれば、特殊車両の開発にあたって『こういう動きをさせたい』という要望に応えられる製品を探して提案するケースもあります」
一方、食品などの製造工場に関しては、省人・省力機器をメインに、さまざまな設備の提案を行っているそうです。例えば、生産ラインの一部に産業用ロボットを導入し、無人化を図るといったケースです。
「ロボットのメーカーなどとタッグを組み、提案から導入まで、トータルにコーディネートします。技術力では、どこにも負けません!」
またしても、自信満々の村井さんです。
『誰と働きたいか』を軸に就職活動。
営業担当者と話すなかで入社を決意。
技術的な知識も求められそうな仕事ですが、村井さんは経済学部の出身。就職にあたって新栄プラントに目が向いたのは、企業と出会う機会を提供する大学の就活プログラムがきっかけでした。そこでいろいろな企業に出会ううち、村井さんは法人間の商取引(B to B)に興味を抱くようになり、商社機能をもつ企業に目が向いたのだそうです。企業間では、どのように商取引が行われているのか?そんな興味が膨らみ、さまざまな業界の商社の説明会に参加。その一社が新栄プラントでした。
「当社の説明会で営業担当者と話をさせていただきながら、『ここで働きたい!』という思いが湧きました。その方を通じて、社員の方々の人の良さと、私にとって居心地のよさそうな雰囲気がよく伝わってきたんですね」
就職活動において、「誰と働きたいか」という視点を持つことも大切。ある企業の採用担当者から受けたアドバイスも、村井さんが同社を選ぶ背景となりました。会社愛の理由が少しわかった気がします。
プライベートな話を交え理解を深める。
自ら見つけたルーチンで営業力アップ!
とはいえ、知識のなかった分野。覚えるべきことも多く、入社当初は少し苦労を感じたと話す村井さんですが、丸1年間、先輩との同行で仕事の流れを学び、2年目から徐々にクライアントを引き継いでいきます。現在は、およそ30社を担当し、日々、持ち込まれる依頼に応えるほか、訪問してコミュニケーションを図っています。
「内定が出た後から、営業マナー講座などに参加しました。まずは天気の話から入りましょうと教えられましたが、やってみると、すぐに話が終わってしまう(笑)どう話せばいいかとずいぶん考え、いろいろ試してみました」
結果として村井さんが見つけたのが、出身校など少しプライベートな話をきっかけに共通点を見つけ、そこから相手のことを理解し、こちらも理解してもらうというアプローチ。
「これをルーチンにしていくことで、スムーズにお話できる機会が増えました」
それが3年間の成長の証、と笑顔を見せる村井さんです。
既存の取引企業に改めてアプローチ。
自身の最高売上額となる仕事を受注!
そんな村井さんには最近、3年間で一番うれしかったと話すできごとがありました。上司から引き継いだクライアントの1社から、大きな仕事を得ることができたのです。
「すでに取引のある企業でしたが、社長が交代したことをきっかけに、飛び込み営業のつもりで『突撃』し、当社のことを改めて売り込みました」
そして、会社の実績集に興味を持ってもらえたことがきっかけとなって受注に。売上も入社以来の自身最高スコアとなったそうです。
「スピード感を重視して提案をまとめ。4カ月後に正式受注。早いと周囲には言われますが、その間は落ち着きませんでしたね(笑)」
村井さんは2年目の昨年、電気工事士の資格を取得しました。今後は、油圧装置の技能検定も目指し、知識を深めたいと話しています。
「油圧装置から工場の設備まで、取り扱える分野が広いこと、営業ながら技術に関われることが、とても楽しい」と村井さん。静かな口調のなかに熱い思いが垣間見えました。
シゴトのフカボリ
営業技術職(セールスエンジニア)の一日
8:30
出勤、見積作成など事務作業、製品の発送準備、クライアントの要望に合わせた油圧機器の組み付けなど
12:00
昼休憩
13:00
見積の提出、製品の納品などのため、クライアントを訪問。
16:30
帰社、クライアントから依頼のあった提案書の作成、日報記入など
17:30
退勤
シゴトのフカボリ
拝見!オシゴトの道具
タブレット
先輩から譲り受けたタブレットを必ず携行。実績集が収めてあり、必要に応じてクライアントに提示するほか、油圧装置などの動画を入れ、動きやスピードなどを確認していただきます。説得力が違います!
シゴトのフカボリ
みなさんへ伝えたいこと

思うように営業活動が進まない時、モチベーションが下がっているなと感じる時は、あえてクライアントを訪問して、たくさん話をします。迷っているなら、進んでみること。私が常に、意識していることです。

新栄プラント株式会社

油圧関連機器の販売からスタートし、現在は自動制御、省力機器など幅広い分野への技術提案を行い、北海道の暮らし、ものづくりを支えています。

住所
北海道札幌市中央区北9条西20丁目1番12号
TEL
011-642-1825
URL
http://www.shin-ei-plant.co.jp

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営業になるためには

基本的には特別な資格や学歴は必要ありません。ただし、海外との取引をする上で英語力を持っていた方が有利だったり、不動産会社では「宅地建物取引士」の資格が必要だったり、就職先や業界によって専門性が求められることもあります。営業企画の場合は、市場調査や分析などの知識があると活躍の幅が広がります。

ワンポイントアドバイス
タフな反面、結果への見返りも大!

営業職の特徴としては成果や実績をあげた人に、より多くの給料が与えられる「成果給」を取り入れている企業が多いこと。その場合、ビジネスの最前線で奮闘するタフな仕事の反面、結果を残せば見返りとして大きなインセンティブを手にすることができます。

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